そいつを初めて見た時、子犬みたいだなって思った。
ただの興味本意。犬に餌付けするような感覚で、飴がいるか尋ねた。
この時点では、そこまでの興味はなかった。
来栖三成
阿蒜寛太
来栖三成
来栖三成
ちょっとした悪戯(いたずら)で、俺は、舐めていた飴を阿蒜の口に捩じ込む。
てっきり、怒ると思っていたのだが、俺の予想は裏切られた。
阿蒜寛太
満面の笑みを浮かべ、俺にお礼を言ってきたのだ。
阿蒜寛太
ころころと変わる表情が、可愛いと思った。
その笑顔をもっと間近で見たくて、食指を伸ばす。
しかし、阿蒜に俺の指が届く前に、俺の手ははたき落とされてしまった。
伊武隼人
どうやら、可愛い子犬には番犬がついていたらしい。番犬は、額に血管を浮きあがらせながら、俺の前へと立ちはだかる。
阿蒜寛太
来栖三成
伊武隼人
来栖三成
伊武隼人
来栖三成
伊武隼人
阿蒜寛太
伊武の兄貴は、阿蒜から飴を奪い取ると躊躇なく、自分の口に入れる。
伊武隼人
子犬にちょっかいをかけた事が、相当勘に触ったようで、珍しく、チクチクと嫌味を言ってくる。
来栖三成
伊武隼人
来栖三成
来栖三成
阿蒜寛太
伊武隼人
阿蒜寛太
当の子犬は、きょとんとしており、未だに状況が、よくのみ込めてないらしい。
そんなとこも可愛いとさえ思う。
そして、まだ子犬には、番犬の手垢はついてない模様。
そうなると俄然と、あの子犬が欲しくなる。
さて、どうやって、番犬の目を掻い潜って、あの子犬を手にいれようか。
心を踊らせながら、俺はポケットから取り出した飴を口に含む。
おわり
おまけ
守代の回収にバーに訪れると、赤髪の子犬が、カウンター席に座っていた。
子犬の隣には、うちの組員ではない男が座っており、先ほどから子犬に何かと話しかけている。
知り合いか?
モブ
阿蒜寛太
子犬の前に置かれた緑色のカクテルを見て、俺は子犬と男の間に割って入る。
来栖三成
来栖三成
モブ
来栖三成
来栖三成
マスター
モブ
阿蒜寛太
来栖三成
マスター
マスターは、カクテルの色を確認すると慌てて警察へと電話をかける。
モブ
男は逃げようと椅子から立ち上がる。
俺は男の逃走を防ぐ為に、ドアの前に立つ。
来栖三成
モブ
来栖三成
モブ
来栖三成
来栖三成
男はまだ言い訳を続けようとしたが、俺は容赦なく、鳩尾に拳を叩き込んだ。
痛みから男は、膝から崩れ落ちる。
何時でも、サツにつき出せるように、俺は店員から、ガムテープを借りると、踞る男の手と足を拘束した。遂に五月蝿い口もガムテープで塞いでおく。
一段落ついたのを見計らって、子犬が話しかけてくる。
阿蒜寛太
来栖三成
来栖三成
来栖三成
俺は助けたお礼に、子犬の唇を奪った。
おわり
あとがき この後、キスされたのを阿蒜が、伊武ニキに報告した結果、来栖ニキと伊武ニキのバチバチの喧嘩が始まりそうな予感。 あと飲み物に、睡眠薬を混ぜると色が変わるのは本当。これは、○イプ○ラッグを防ぐ為に、睡眠薬系の薬を混入すると青色に変わるようになってる。カシスオレンジはオレンジ色をしてるので、混ぜると確か緑に変色したはず。 もとのカクテルの色を知ってないと見抜けないけど、相手が勧めてきたカクテルの場合は、念のため、スマホで元のカクテルの色を調べた方がいい。ただ、元々、青色のカクテルもあるので、判断できない時は、相手に「これ以上、飲むと吐きそうだから、代わりに飲んで」って、突き返す。それで、相手が口をつけなかったら、そいつはクロの可能性が高い。あとは、その場では騒がず、トイレに行くふりして、店員にカクテルに薬混入されてるかもって、言っとけばいい。店側も共犯者扱いされたくないから、助けて貰えるよ。
コメント
2件
大好きなくるあびいただきましたァー