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秘密の放課後バンド

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秘密の放課後バンド

30 - 第30話「朝まで甘えてたくせに、学校じゃ塩対応ってどういうこと!?」

♥

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2025年07月22日

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朝ごはんも食べ終わって、 時計を見れば登校時間まであと20分

でも——

若井滉斗

元貴、そろそろ着替えないと遅れるぞ〜?

大森元貴

……めんどい

元貴はベッドの上に寝転がったまま、 ぬいぐるみみたいにクッションを抱えて、顔を埋めた。

若井滉斗

こらこら〜赤ちゃんモード終わってないじゃん

大森元貴

…赤ちゃんじゃねぇし
……ただ、ちょっと…もう少し…こうしてたいだけ

滉斗は笑って、元貴の頭をくしゃくしゃと撫でた。

若井滉斗

じゃあ……俺が着替えさせてあげよっか?

大森元貴

は!?!?!?!?!?
なっ……なんでそーなんだよ!!

急に跳ね起きて、顔を真っ赤にする元貴。 でも、布団の中からは出てこない。

若井滉斗

ほら〜、シャツ脱がせてあげるから腕あげて?♡

大森元貴

やだやだやだやだ!バカか!?お前バカだろ!?!?

それでも滉斗はふざけながら、 元貴の制服シャツを持って近づく。

若井滉斗

じゃあボタンひとつずつ、俺が止めてあげる♡

若井滉斗

その代わり、「今日のご褒美チュー」ね?

大森元貴

うっざ!!!!!!!(←でも顔まっか)

逃げようとする元貴の手首をそっと掴んで、 滉斗が囁くように言う

若井滉斗

ねぇ、ほんとは今日もまだ甘えたいでしょ?

元貴は、すこしだけ視線をそらして、 ぽつりと小さな声で。

大森元貴

……ちょっとだけ、な

滉斗はやさしく笑って、 ベッドの上で元貴を後ろから抱きしめる。

若井滉斗

じゃあ、制服は俺が着せるから

若井滉斗

その代わり、元貴は俺のこと、ちょっとでも好きって言って?

大森元貴

…うざ、でも……
お前のことは、ずっと好きに決まってんだろ

制服を着てく時間さえ、ふたりにとっては甘い朝の延長だった。

制服をどうにか着せられて、 ベッドから渋々出た元貴。 でもそのまま、玄関でぴとっと滉斗にくっつく。

大森元貴

……なあ
駅まで、手ぇ、繋いでもいい?

若井滉斗

は!?えっ、やば、今なんて言った!

大森元貴

うるせぇ……恥ずかしいから一回だけ言ったんだろ……

ふたりの手は、制服の袖の下でそっと絡む。 人通りの少ない道、

ちょっと距離を縮めて歩きながら、 誰にも見られないように手のひらをしっかり重ねて。

若井滉斗

……ねぇ、これ、超幸せなんだけど
駅まであと5回くらい往復しない?

大森元貴

バカか
一回で充分だろ……
……でも、あと少しだけ

——そして学校に到着。 校門をくぐった瞬間。

若井滉斗

なぁ元貴〜、今日の昼どうする?一緒に——

大森元貴

……暑苦しい
離れろ

若井滉斗

えっっっっ!?!

周りの友達たちの前で、 一瞬で塩対応になる元貴。 滉斗はショックのあまり膝をつきそうになる。

友達A(軽音部

うわ〜、また振られてる若井〜
どんまいどんまい〜笑

若井滉斗

ち、違うんだって!これは……アレだよ!
ツン9割のデレ1割的なアレだよ!たぶん!

でもその日の放課後—— 誰もいない音楽室でふたりきりになると。

大森元貴

……さっきは、その、ごめん

若井滉斗

……ん? どれ?

大森元貴

……校門で、お前に冷たくしたやつほんとは、朝の続き、ずっとしたかった

若井滉斗

(にっこり)
じゃあ、続きする?

そのまま、元貴がそっと滉斗の袖を引いて——

大森元貴

……こっち、来いよ
俺が“ツン”してた分、取り返させろ

大森元貴

…またさ、今日の夜……
お前んちじゃなくて、
……俺んち、来てもいいぞ?

若井滉斗

えっ!!!まじで!!!

大森元貴

……うるせぇ
声でかい

大森元貴

別に……“続き”、したいとか、そういうんじゃねぇし

若井滉斗

うわ〜〜〜〜〜〜〜〜
ツンデレ出たぁぁぁぁぁああ!!!!!!

若井滉斗

好きすぎるううううううううううう!!!!!!!

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