綾斗
順番に過去を書いていく
紗綾
なんで過去を?
綾斗
人の過去を晒すなど良心に欠ける行為だが
綾斗
もし、お前達に里親ができてテラーをしていたら
綾斗
もう一度会いたいんだ
紗綾
そっか
綾斗
ああ、俺の話し方に覚えはないか?
綾斗
もし覚えがあるのなら、一度話さないか?
綾斗
里親に行って幸せになったか?
綾斗
お前達の安否が気になるんだ
綾斗
沙綾の過去に覚えがあるなら、話してくれないか?
紗綾
私は、物心つく前に両親を無くした
紗綾
だから、両親の顔も声も何も覚えていないの
紗綾
その結果、悲しくなることはなかった
紗綾
けれど、両親がいる家庭に憧れた
紗綾
物心ついた頃には養護施設の中にいて
紗綾
施設の人達に育てられた
紗綾
私に友達ができたのは4つの頃
紗綾
綾斗達と会って、よく遊んでいた
紗綾
私の里親は7つの頃に決まった
綾斗
俺は里親に行ったあとの沙綾は知らねぇ
綾斗
あれから約8年
綾斗
沙綾は俺たちの中では最年長で、一番最初に里親が見つかった
綾斗
またな、次は綾瀬だ