君はそう言っていた

梅雨時ずぶ濡れのまんま

部屋の前で泣いていた

夏が始まったばかりというのに君は酷く

震えていた

そんな話で始まる

あの夏の日の記憶だ。

フリーアイコン使用 曲名/あの夏が飽和する。

自己中心的なあいつ。

もう嫌になって

肩を突き飛ばして

そんな君に僕は言った

財布を持って

ナイフを持って

携帯、ゲームも鞄に詰めて

いらない物は全部

壊していこう

あの写真も

あの日記も

人殺しと

ダメ人間の

君と僕の旅だ

そして僕らは逃げ出した

狭い狭いこの世界から

家族も

クラスの奴らも

何もかも全部捨てて

君と2人で

もうこの世界に価値などないよ

人殺しなんてそこらじゅう湧いてるじゃんか！

君は何も悪くないよ

結局僕ら誰にも愛された事など無かったんだ

そんな嫌な共通点で僕ら簡単に信じあってきた

君の手を握った時微かな震えも既になくなっていて

誰にも縛られないで2人

線路の上を歩いた

金を盗んで

2人で逃げて

何処でも逃げる気がしたんだ

今更怖いものは僕らにはなかったんだ

額の汗も

落ちた眼鏡も

今となっちゃどうでもいいさ！

あぶれ者の小さな逃避行の

旅だ

いつか夢見た

なら

汚くなった僕達もちゃんと見捨てずに救ってくれるのかな

自分は何も悪くないと

誰もがきっとそう思ってる

宛もなくさまよう蝉の群れに

水もなくなり揺れだす視界に

迫り来る鬼達の怒号に

はしゃぎあい

ふと君はナイフを取った

そして君は首を切った

まるで映画の何かのワンシーンだ

白昼夢を見ている気がした

気がつけば僕は捕まって

君がどこにも見つからなくて、

君だけがどこにもいなくなって、

そして時は過ぎていった

ただ暑い暑い日が過ぎてった

何故か君だけはどこにもいない

あの夏の日を思い出す

僕は今の今でも唄ってる、！

9月の終わりにクシャミして

6月の匂いを繰り返す

君の笑顔は

君の無邪気さは

頭の中を飽和している

誰も何も悪くないよ

なあ、