タイムリープ
俺には誰にも言えない秘密がある。 それは、超能力を使えることだ。 というのも、気絶したときにしか使えないが。 気絶すると、1日前にタイムリープできるのだ。 そのおかげで、危ないことを回避できる…まぁまぁいい能力だ。
今日は、夜に実家に行く予定がある。
実家がある場所は、ここから2時間半くらいの田舎町だ。
午後7時頃、俺は準備をして家を出た。
家から出て車を走らせる。 しばらくすると大雨が降ってきた。
その雨は都合に悪かった。 ちょうど険しい山道にさしかかったときに降ったからだ。
慎重に道を走行する。
車に雨が打ち付ける音がうるさいほどに聞こえる。
その時、明らかに雨の音に混じって違う音が聞こえた。
ゴトッゴトッという音だった。
その音は次第に大きくなり、ドコッドコッという音に変わった。
俺は違和感を感じながらも走行し続けた。
またしばらくすると、音と共に助手席辺の天井が凹んだ。
異変が起こっていると思った俺は、外に出ようとした。
だが、ドアを半分開いた瞬間、上から何から大きな岩や土砂が降ってきて、車ごと俺を
潰した
悲鳴も上げることすらできない。 ただただ痛い__
気絶すれば、昨日に戻ることができる。
だが潰されたのは下半身。 すぐに気絶することはできない。
傷口を押さえた血まみれの手で、携帯を取ろうとする。
その手は色がだんだん白くなっていくのが分かった。
携帯を取ることはできないほど体は弱っていた。
ようやく視界が薄れてきた。
これで、昨日にタイムリープできる。
俺は瞼を閉じた