リヴァイ
…っ!?【ここは、どこだ!?】

リヴァイ[目が覚めると、目の前には記憶にない天井が広がっていた。今の状況を確認するために、すぐに体を起こし周りを見渡す。すると、木製の扉から人が現れた。]
レイール
あっ!まだ起きちゃダメです!

リヴァイ
…。【っ!?こ、子供だ…と!?マントで面が見えねぇから、男か女か分かんねぇ。声的に女か?】

レイール
お兄さん?ほらっ横になって…

リヴァイ
…っ?【コイツは一体何をしているんだ…っ!?】

リヴァイ[俺はコイツのことをずっと見ていたため、自分の姿を確認せずにいた。俺が初めて自分の姿を認識した時に、コイツの目的を理解した。]
リヴァイ
俺をここまで運んだのは、お前、か?【コイツの目的は俺を助けるため…。こんなに丁寧に包帯を巻いて、あの気持ちわりぃ血も汚れが少しも体についていない。】

レイール
うんっ!あのね、僕が裏路地を歩いてたらお兄さんが倒れてたの!血も出てたし、すっごく顔色悪かったから…。

リヴァイ
…っ!?一体なんのために俺を助けたんだ!?【助けてくれたとはいえ、これを借りにしてなにか要求するつもりか!?】

レイール
…人を助けるのに、理由なんて必要ないでしょ?

リヴァイ
お、お前…【コイツは…本当にそんな事を?メリットなんて、ハナから求めてない…と?】

レイール
あっ、お兄さんお腹減ってますよね?今持ってきますので待っててください!

リヴァイ
…は?【なんなんだコイツは…傷の手当だけではなく、メシも与えてくれるってのか?】

リヴァイ
…。【このベッド、 見た目は質素だが、シーツの肌触り、枕の柔らかさは悪くない…。貴族ぐらいしか手に入れられない上等な代物じゃねぇか…。】

リヴァイ
【それにここが地下街じゃないと思わせる程のこの部屋の、清潔感。ただ…俺と同じ潔癖症なだけ、かもしれねぇが…】

レイール
おまたせしましたぁ!

リヴァイ
っ…!?【それは、なん…だ?】

リヴァイ
おいっ、お前が持ってるそれはなんだ?

レイール
えっと…これはシチューでこっちはパンですよ!

リヴァイ
シチュー、だと?

レイール
うんっ!お兄さんっ僕が食べさせてあげます!

リヴァイ
っ!?俺は食うなんて…言ってねぇ

レイール
えっー!?せっかく作ったのに…。それに食べないと怪我治らないですよ?

リヴァイ
…っ。【怪我はもう治っている、気がする…だが、正直腹は減った…。】

リヴァイ
グゥ〜【腹の虫が鳴りやがった!仕方ない、ここは、コイツの言うことを聞いてやろうじゃないか…。】

レイール
フフっさぁ、冷めないうちに食べましょ!

リヴァイ[それから俺はひたすらに、口に運ばれるパンやシチュー?を咀嚼していた。シチューは熱かったため、コイツがフーフーと冷ましていた。その味は控えめに言って美味かった。パンは信じられねぇくらい柔らかく、シチュー?と一緒に食べると最高だった。]
リヴァイ
悪くなかった…。

レイール
?…あ〜、それは良かったです!

レイール
あっそうだ!自己紹介まだでしたね!

レイール
僕の名前は、レイールといいます!お兄さんは?

リヴァイ
…リヴァイ。【っ!?コイツに教えてよかったのか?今更後悔しても遅い、がな。】

レイール
じゃあっリヴァイお兄さん、ですねっ!よろしくお願いします!( *´꒳`*)

リヴァイ
あぁ…。【フードを取ってくれないの、か?なぜ、顔を隠す必要があるんだ?バレてはいけない理由…。もしかしたら、貴族?クソッコイツは俺の事を奴隷にするつもりなの、か?】

リヴァイ
お前…貴族じゃ…ねぇだろうなぁ?【貴族だとしたら、俺は何をするか…分からない…。】

レイール
ううんっ違いますよ?

リヴァイ
っそう、か…。【何故か…コイツが嘘をついていないと思った。それと同時に、今までとは違った低音の声に少しビビってしまった。】

リヴァイ
レイール…

レイール
どう、しっ!?

リヴァイ[俺は気づいたらレイールの名前を呼び、その瞬間レイールが深く被ったフードに手を伸ばしていた。]
レイール
リ、リヴァイお兄さん??

リヴァイ
…っ!?
呼び捨てで、いい…。【なんて、綺麗なんだ…。水色の艶やかな髪や、宝石の様な大きな水色の瞳、白い肌、地下街に住んでいたら当たり前だが傷一つなく触れてしまったら最後ガラスのように壊れてしまいそうだ。レイール…レイ、そうだこれからは、レイと呼ぼう。特別な感じでいいだろ?】

レイール
リヴァイ兄(//∇//)?

リヴァイ
ほぅ…悪くない…。【呼び捨てではなかったが…正直気分は悪くない。】

リヴァイ[上目遣いで見つめてくるレイはとても魅力的だと思った。]
レイール
えっへへ!

リヴァイ
レイ…タメ口で、いい。

レイール
っ!?分かりm…じゃなかった!分かった!よろしくね!リヴァイ兄!( *´꒳`*)

リヴァイ
あぁ、よろしく、なっレイ。【レイが俺だけを見て俺の名前を呼ぶ。これが幸せ、なのか…。レイ、お前は絶対に離さない。】

レイール
はいっ!^^*

リヴァイ[この時、俺の中で初めての感情が芽生えた。レイの笑顔を見ると心臓の鼓動が早くなる…。あぁ、俺はレイに…]
リヴァイ
【惹かれている、のか?】
