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コーヒー時間

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コーヒー時間

1 - コーヒー時間

♥

170

2020年06月11日

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私は昔から少々変わり者で だけれども妻と出会ったことで

私の人生は大きく変わった

私の妻はとてもほのぼのしている だがそれがまた愛おしいのだ

そんな古くさい言い回しをするが 私もまだ35歳の若造だ

だけれどもゆったりした暮らしと アナログな生活を望んでいるのだ

奈緒

おはようございます
コーヒーが入りました

智徳

ありがとう

私の朝はとても早い 幾分か売れ始めた作家だ

いや訂正しよう

妻の朝はとても早い コーヒー豆の栽培指導を生業とし

世界各国を飛び回っている

智徳

今日はどこだ?

奈緒

いつ帰るか分かりませんがホンジュラスで美味しい豆があるとのことで

奈緒

行ってきますね

智徳

あぁそうか

智徳

素敵な旅になるといいな

奈緒

きっとなりますよ

奈緒

行ったことのない国ですから

奈緒

ワクワクしています

妻と私はそれぞれの領域で 働く生活を選んだ

それでも分からないなりにも 妻の仕事は楽しそうだし立派だと思う

何より妻の話し方が好きだ ゆっくりとそれでいて強さのある人だ

そしていつも前向きだ

奈緒

智さんは執筆活動はいかがですか?

智徳

うーん
筆が進まぬ

奈緒

ゆっくりでいいんですよ

奈緒

少し止まってみることも必要ですね

奈緒

歩くっていう字は少し止まると書くでしょう?

奈緒

少し止まっていてもきちんと歩いているんです

智徳

いつもありがとう

智徳

そうすることにするよ

智徳

気をつけて行ってらっしゃい

奈緒

帰ってきたら美味しいコーヒーを入れますね

智徳

あぁ、楽しみにしてる

優希(編集兼アシスタント)

あれ?奈緒さんはお仕事?

智徳

あぁもう出たよ

優希(編集兼アシスタント)

そうか
じゃあ書けないな

智徳

その通り

編集兼アシスタント担当の優希とは 学生時代からの仲間だ

住み込みで働いてくれている

優希の言う通り私は妻がいないと 作品が進まなくなる

智徳

オセロでもするか?

優希(編集兼アシスタント)

あぁそうしよう

智徳

奈緒がいないと美味しいコーヒーもないな

優希(編集兼アシスタント)

そうだね
やっぱり智徳の人生には奈緒さんが必須だな

智徳

あぁ心の支えだよ

優希(編集兼アシスタント)

今回はどこに行ってるの?

智徳

ホンジュラスとかなんとか

優希(編集兼アシスタント)

ほうー
聞いたことないところだけど

優希(編集兼アシスタント)

随分とまあ遠そうだな

智徳

毎日待ち遠しいよ

優希(編集兼アシスタント)

ところで次の小説のネタはどうする?

優希(編集兼アシスタント)

締め切り間もなくだぞ

智徳

はい、角とった
俺の勝ちだな

優希(編集兼アシスタント)

気を抜くとこうなるのだよ

智徳

あ!
角全部取ったのに負けた

優希(編集兼アシスタント)

オセロって奥が深いよな
角全部取っても負けることもある

智徳

奈緒のコーヒーがないせいだな

優希(編集兼アシスタント)

それは否めないな

優希(編集兼アシスタント)

そういえば奈緒さんはなんでお前を選んだんだ?

優希(編集兼アシスタント)

あんなに素敵な奥さんなかなか人気者だったろう

智徳

確かにそうなんだよな

智徳

俺にとっても人生最大の疑問だよ

そんなこんなで日々は流れ 5日後にようやく奈緒が帰ってきた

奈緒

ただいま戻りました

智徳

おかえり

奈緒が帰ってきた時の私は まるで家主を待つ犬のようだ

智徳

コーヒー豆のいい香りだな

奈緒

はい
ホンジュラスはとても良いところでしたよ

奈緒

この豆でコーヒーをいれてゆっくりお話しましょう

私の最も楽しみな時間だ

奈緒の選んできた新鮮なコーヒーと 素敵な旅のお土産話

そんな中から小説のネタが 浮かんできたりする

奈緒

今回は優希さんにオセロで勝ちましたか?

智徳

ダメだったよ
角は取れたのに

奈緒

残念でしたね

奈緒

智さんは優しいからきっとわざと負けてあげたんでしょうね

智徳

そうなんだよ
よく分かってるね

こうやっていつも私を 慰めてくれる

智徳

それはいいとして今回はどうだった?

優希(編集兼アシスタント)

あ!おかえりなさい奈緒さん

優希(編集兼アシスタント)

コーヒーのいい香りがしたと思ったら

奈緒

ただいま戻りました

奈緒

ご一緒にコーヒーいかがですか?

優希(編集兼アシスタント)

ありがとうございます

このように水を差す者もいるが・・・

優希(編集兼アシスタント)

ホンジュラスはどうでした?

奈緒

コーヒー栽培にとても適した環境でした

奈緒

コーヒー豆も独特で甘みが引き立ち日本人向けかなと思います

智徳

確かにすごく飲みやすいよ

智徳

それにコーヒーが苦手な人でも大丈夫そうだ

奈緒

そうなんです
なのでここのコーヒーも今後とも使わせてもらおうと思っています

優希(編集兼アシスタント)

奈緒さんまた忙しくなりますね

優希(編集兼アシスタント)

奈緒さんがいないと智徳がサボって仕方ないんです

奈緒

智さんはきっと頭の中では小説が出来ているんですよ

奈緒

優希さんもいつもオセロに付き合って頂いてありがとうございます

奈緒

智さんは優希さんとのオセロも楽しみにしてるんですよ

優希(編集兼アシスタント)

へへっ
照れますね

智徳

奈緒は本当に人がいいなぁ

こんな風に誰の心もコーヒーのように ホッと溶かしてしまう人

その温かさが好きで 私は奈緒といる時間が落ち着くのだ

智徳

しばらくは日本にいるのか?

奈緒

はい
ホンジュラスが長かったものですから

奈緒

少しお休みを頂きました

智徳

そうか
では出かけるか

優希(編集兼アシスタント)

締め切り迫ってるんだぞ

優希(編集兼アシスタント)

奈緒さん帰ってきたら奈緒さんにベッタリだもんな

智徳

小説は何とかするよ

智徳

出かける許可をくれ

優希(編集兼アシスタント)

間に合うのなら

奈緒

智さんはきっと大丈夫ですよ

奈緒

歩みはゆっくりでもいつもきちんと辿り着きます

奈緒

気分転換にお出かけもいいかもしれませんね

奈緒

オセロのように急に頭が黒から白になるかもしれませんから

優希(編集兼アシスタント)

はぁー
奈緒さんにはやられっぱなしだな

優希(編集兼アシスタント)

智徳、奈緒さんに感謝するんだな

智徳

あぁ、感謝してもしきれないよ

少しの休暇は大事なものだ

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