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ジミンは有言実行して俺の連絡先を手に入れた上に、スッキリした顔をして帰って行った。
ジミン
そんなジョングクが嫌厭しそうな言葉まで残して。 ジミンの連絡を無視する人がこの世にどれくらい存在するのだろうか。
この家にある家電に不備がある物は一個もない。
だから程なくして柔らかくホカホカと仕上がったシーツと枕カバーをワンセットずつしっかりと元に戻せた。 "証拠隠滅"完了だ。
それから1時間も経たないうちに玄関で音がして、少し落ち着かないまま落ち着いてる素振りでソファに寝そべる。
ホソク
グク
寝そべって眺める携帯の画面にはいつの間にかこれといって興味のない記事が表示されていた。 間に合わせで携帯をいじるからだ。
携帯を見てる俺の耳に、ジョングクが遠かったり近づいたりを繰り返す足音だけが聞こえる。
グク
グク
リビングに顔を覗かせたジョングクの目敏い質問に微量だがヒュッとお腹の下辺りが反応する。
ホソク
グク
グク
"ありがとう"だなんて。 良心の呵責。罪悪感。
そういえば少しお腹も空いたし、ソファで無駄に携帯の画面を見ていても気が漫ろで俺もいよいよ動き出す。 お腹が空いているのに腰がやたら重いのは、それなりに"運動"をしたからだ。
冷蔵庫を開けてさて何を作ろうかと、中身と睨めっこをする俺の背後に人の気配。 ジョングクがスンと鼻を鳴らしたかと思ったら、俺の頭に顔を突っ込んでいる
ホソク
ジョングクの癖だ。 癖だから放っておくのだけれど、スンスンと今日は無駄にしつこい。
それに顔を離すと俺の顔を後ろから覗き込んで、大きな目をよくよくまた大きくさせていて。
グク
グク
急に確信を突く。 開けっ放しの冷蔵庫から発せられるピーピーという警告音が、俺に対して鳴ってる様に感じた。
バレた。
この気付き力は自分が散々遊び回ってていて同じ様な事をやってるからなのだろうか。 嘘を突き通せそうにない。
ホソク
グク
ハッと鼻で笑ったジョングクが冷蔵庫のドアを閉めた事で警告音が止んだ。 俺の中ではまだ止んでない。
グク
案の定の質問がすかさず飛んでくる。
ホソク
ホソク
たったさっき良心の呵責だの罪悪感だの感じてたくせに、自分でも驚く程スムーズに嘘が出てくる。 何のせいで慌てているのかが、伝わらなければいい。
大きな目をわざと細めて物言いだげな表情のジョングクが眉間を寄せる。
グク
グク
ホソク
ジョングクは冷蔵庫に両手を付いていて所謂"壁ドン"な状態で俺を逃さまいとしている。
グク
グク
ホソク
相手は男だったし。
グク
ホソク
二度目の'やめてよ'がここでもスムーズに出た。 内心はというとかなり脈拍が早い感じだ。
ホソク
お絵描きだらけの方のジョングクの腕の下を潜り抜けて、開けられない冷蔵庫のかわりに戸棚を開けて。 そこからラーメンを一袋。
グク
同じ袋を取り出したジョングクの好奇心たっぷりの質問に
ホソク
呆れた顔を作ってそう答えたら、キャハハと鬼畜全開で大爆笑したジョングクの手からラーメンの袋を受け取った。
ジョングクには悪いけど何もかも嘘だ。 最後の事に関しては嘘だし何なら現実は真逆だった。 ジミンとのそれは"良かったしイくまで散々イかされた"だ。
ボロが出る前にジョングクとのこの会話を終わらせたくて
ホソク
と、袋を開けただけのラーメンと空の鍋を渡した。 逃げるが勝ち。
グク
満腹になってソファに寝転ぶ俺の頭の方に座ったジョングクは、深掘りを止める気がないらしい。 もう終わったと思い込んでいたから、少し身構えたものの
ホソク
頭の中に丁度良い素材になる人物がいたのを瞬時に思い出して、力まずに答えられた。 俺を見下ろすジョングクの目をしっかりと見て。
グク
溜息混じりのジョングクのその言葉は俺が初めて会った時にも聞いたやつ。
ホソク
グク
急にお説教モードだ。 自分は賢く素性の知れてる女と日替わりだか週替わりだかで遊んでるから賢いって、そう言いたいのか。 頭が悪くないって言いたいのか。
どちらにせよ頭が悪くて結構。 俺が誰と寝てもジョングクには関係ない。 ジョングクが誰と寝ても俺には関係ない。 それだけ。
だから何も答えずに真っ白な天井だけを見て"ジミンだから素性分かるし"なんて事を考えた。
グク
真っ白な天井が見えなくなってジョングクの顔がある。 こんな角度でも顔は良い。"顔は"。
ホソク
グク
言い方が下品。 可愛い顔して本当に口が悪い。 性的な方の性格もだいぶ歪んでるし。
ホソク
ジョングクの顎を手で押し退けようとしたが避けられてしまって。 逆にジョングクの歯が俺の指を噛んで捕まえた。
ホソク
と言うくらいには痛かった。 どれくらいかと言うと解放された指を見たら赤紫色に内出血して歯型が付いてるくらい。 薬指と小指の2本。
グク
目を細めて無邪気に笑うジョングクはその顔には到底適さないであろう言葉を軽率に言う。 説教だけじゃなく、噛み痕なんていう変態みたいなお仕置きまでして。