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訓練区域に、警告灯が戻る音が響いた。 終わった。
そう判断できる頃には、四季の 呼吸はもう荒れていた。
無蛇野 無人
振り向くと、 無人が立っていた。 服は濡れているが、血はない。 乱れも、傷も、ない。
___まただ。
この人だけ、いつも。
一ノ瀬 四季
思わず、口から零れた。
無蛇野 無人
無人は淡々と答える。 ローラースケートのまま、滑るように 距離を詰めてきた。
無蛇野 無人
一ノ瀬 四季
反論しかけて、言葉が詰まる。 助けたかった、なんて言い訳だ。
無人は四季の前で止まった。 傘を閉じ、肩に担ぐ。
無蛇野 無人
無蛇野 無人
その言い方が、 胸に刺さる。 効率。 いつもその言葉で、全部切り捨てるくせに。
一ノ瀬 四季
四季は視線を逸らしたまま、言った。
一ノ瀬 四季
無蛇野 無人
一ノ瀬 四季
一瞬の沈黙。 ほんの一瞬だけ、無人教官の視線が四季から外れた。
無蛇野 無人
答えになってない。
一ノ瀬 四季
声が、 少しだけ震えた。
一ノ瀬 四季
言ってしまった。 半分だけ、 本音。
無人は何も言わない。
無蛇野 無人
また、名前。
無蛇野 無人
一ノ瀬 四季
無蛇野 無人
胸の奥が、 ぎし、と音を立てる。
一ノ瀬 四季
無人教官は答えなかった。 代わりに、 四季の頭に手を置く。
一瞬。
本当に、一瞬だけ。
無蛇野 無人
それだけ言って、 手は離れた。
無傷のまま。 何も失っていない顔で。
無人教官は背を向ける。
四季は、その背中を睨みながら、 歯を食いしばった。
___ずるい。
こんなに強くて、こんなに優しくて、 なのに、自分だけ安全圏に立ってるみたいな顔をして。
好きだなんて、 ますます
言えなくなるじゃねぇか。___
next……?