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汗と血の匂いが混ざる中、 四季は一人で歩いていた。
足元には水たまり、 空はまだ薄暗い。 無人は、いつも通り無傷で、 無表情で、 遠くに立っている。
___なんで、 いつも平気なんだ。
拳を握りしめても、苛立ちだけが胸に残る。
でも同時に、どこかで安心している自分にも 気づく。
守られている。 冷静で、強くて、 何も失わない人に。
一ノ瀬 四季
ため息混じりに呟く。
苛立ちも嫉妬も、 全部ひっくるめて、 胸の奥に渦巻く感情。
言葉にならないことに気づく。
これ、......なんだ。
頭の中で、無人の姿が何度も浮かぶ。
一ノ瀬 四季
胸の奥がぎゅっと締めつけられる。 息が詰まるほど、 心臓が速くなる。
__俺、 むだ先のこと、好きなのかも。
その事実を認めると、 世界が一瞬だけ揺れた気がした。
言葉にする勇気も、 声にする度胸もない。 ただ、胸の中で確かに響く熱。
無人は、 相変わらず遠くに立っている。
強く、冷たく、完璧で、 でも自分だけには 少しだけ優しい人。 四季はその姿を、無意識に追っていた。
好きだ。 もう逃げられない。
区域を見渡す。
四季は今日も血の異能を使いすぎ 肩が揺れている。
腕や肩が赤く染まっても、顔には決して痛みを出さない。
その姿を見て、 無人の胸の奥に、 わずかなざわつきが生まれる。
___無駄だ。
理性がすぐに言う。
余計な感情は切り離す。 だが、目の端に映る四季の顔は、 いつもより少し強張っている。
無蛇野 無人
口には出さない。 言えば、四季が意地を張るだけだ。
余計な言葉は無駄。 だから黙って見守る。 傍に行けば守れる。
けれど、それは余計な介入になる。
四季は自分の力で立ち上がるべきだ。 それが、 生徒の生存率を上げる最も合理的な 方法だから。
ーだが。
胸の奥がわずかに締めつけられる。 守る対象にするわけにはいかない。 この距離が、命を守るための唯一の線だ。
四季が肩を震わせ、 息を整えるのを見て、 思わず目を細めそうになる。
いや、違う。
目を細める暇はない。 感情を出せば、 理性がすぐに後悔に変わる。
―だが、確かに、 特別だ。
四季だけは、いつも違う。 強がっているのに、力を使いすぎる。 無傷で、合理的で、 冷静な自分に挑む かのように。
書いていてよくわかんなくなってきた笑