前世の恋人

食事が終わると怜は皿を全て取って行って流し台に向かった

目の前にいる彩花は顔の前で手を組んで私をジっと見つめた

彩花は私の手を触って握った

彩花は手を離して立ち上がった

立ち上がって怜の傍に行った

私の父親が、怜の両親を殺した、きっかけ

もしかして、前世…も…？

夏休みが明けて、学園に戻る色々と追加されていた

数個の決闘エリア、立会人専用の部屋

婚約者の証としての差別化 (体操服の色変更 一般生徒は黒、婚約者は白)

立会人専用の部屋には大きなモニターが設置され、そこにはHFS、2機が戦闘をしている

ﾋﾞﾋﾞｰｯ

試合終了の合図がして勝者の名前が表示される

「藤堂 怜」

夏樹は端末を取り出してマイクにしてスピーカーに繋げた

私の悪口を言いながら決闘を申し込まれた怜は笑顔で(目は笑ってなかった)決闘を受けていた

ｳｨｰﾝ

勝者の証を着ながら怜が帰ってきた

ふんっと褒めて欲しいと言わんばかりに私に笑顔を向ける怜

決闘が終わり、着替えを済ましてプランターへと向かう

コツ、コツ、コツ

いつもの日常、決闘が無いのは良いこと、だ

気にしない、気にしない

婚約者…弾除けになるっていうのはこうゆう事だ

何を言っているんだろう、何も出来ない？誰が？

澪さん？、僕？ 僕の事なら別にいい

でも、澪さんのことなら、別だ

澪さんの事になるとどうも理性が効かなくなりそうになる

これは前世よりも悪化してしまった

前世では、守れなかったから、最後まで

だから今世は、守らないと、例え、()してでも

男子生徒達は走って行ってしまった

プランターをいじりながら、最後の収穫を済ませる

前から少し引っかかっていた疑問

彼の多才な戦闘スタイル

僕のお父さんは宇宙警備隊の エースパイロット

HFSの操縦も、剣の腕も、銃も、全部が一流だった

そんなお父さんを尊敬しているし、僕もそうなりたいと思ってる

小さい頃からお父さんの職場に行ってはHFSの操縦の仕方や、剣の使い方、銃の使い方を見て、学んだ

毎日、僕はお父さんと叔父さんと稽古をしていた、あの事件が起きるまでは

僕を庇った両親

身体を押されて何mか飛んだんだろう、身体に痛みが走って上手く起き上がれない

ゆっくりと足を上げた機体に叫んでも、聞いてくれるはずもなく

ドシッ

最後に見たお父さんとお母さんの表情は 笑顔だった

言葉が出なかった

想像よりも重い怜の過去

夕陽に照らされた怜の横顔

不意に私を見つめて、ニコッと笑った

真実を聞こうとした時、後ろからの声に遮られた

何かが変わる、そんな一言だった