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今回はwotaku様のボカロ曲、「ジェヘナ」を基にストーリーを作ってみました!
注意⚠️
サムネの少女は登場しません
歌詞を聞いて感じたことと、自分の考えたオリジナル設定が数多く含まれています
何でも許せる方向けです
少し重い描写があります
それでも大丈夫な方はストーリーに進んでください!
水野慎一(みずの しんいち)はとある病で入院している
そんな彼の元に誰か見舞いに来る者がいたようだ...
慎一
慎一
慎一
慎一
嬉しいような、悲しいような感じだ。
だって僕は...
コンコン
看護師A
看護師A
看護師A
慎一
看護師A
慎一
日守大輝(ひもり だいき)
僕の大学時代の友人
友人....
そう呼んでもいいのだろうか
まあ、知り合いである
慎一
看護師A
僕の病室は僕の他誰もいない
個室というわけではなく、他にもベットはあるが、全員数ヶ月前に亡くなったらしい
特に入る人もいないので空きのベットができている
僕も、そろそろなのかな。
そう思ったとき、看護師が出ていき、別の人物のドアを開ける音がした。
大輝
大輝
大輝
大輝
良いわけないだろう...
大輝
だって入院しているわけだし
ああ、そういうノリあったなあ。
大学時代、互いに会うたびにハイタッチしてたっけ
本当に、あの頃の自分は....
慎一
大輝
大輝は空気が読めないが、決して悪気があるわけでは無いことは分かってる
慎一
大輝
僕の様子を見て驚くのも無理はない 僕の手が点滴で繋がれていた。
僕の今は「外からみた僕の雰囲気」が大学時代とは、まあ、僕の今までとはかけ離れたものだろうから。
それか、変な表情をしていた?
慎一
慎一
慎一
慎一
慎一
大輝
慎一
慎一
慎一
大輝
大輝
大輝
正直、何も質問しないでほしい
でも、突然友人がこれから死ぬかもしれないと言い出せば、いろいろ聞きたくなるのも無理はない。
慎一
大輝
大輝
慎一
大輝
大輝
慎一
慎一
慎一
大輝
慎一
大輝
大輝
そう言いながら大輝は僕の背中をさすってくれていた
ほんのり、あたたかかった。
僕の身体は冷えているのに
慎一
慎一
大輝
慎一
慎一
人生に対する、数多くの後悔
自分はこういう人間だと他人から決められ、残りの命さえ決めつけられてしまうこと
くだらない雑談、これからのこと、楽しいこと
全て投げ出してしまいたい。 何も考えたくない。
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
慎一
そこには花瓶にさされた白いアネモネの束があった
花言葉は「希望」だっけ.....
あいつ....
昔、花言葉の研究レポートを大輝と書いた時に白いアネモネについて調べたっけ。
「どんな時も俺たちは希望の持って生きていこうな!」って
ああ、馬鹿らしい。
どうせ、僕がこうなったのも、全部が
正真正銘、僕のせいなんだ。
きっと、よくあることなんだろうけど
慎一
大輝
大輝
大輝
慎一
慎一
大輝
慎一
慎一
慎一
大輝
大輝
慎一
大輝
慎一
慎一
大輝
大輝
大輝
慎一
慎一
慎一
慎一
慎一
大輝
慎一
慎一
大輝
大輝
慎一
慎一
大輝に、にっこりと笑って見せた
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
慎一
大輝
慎一
結局、僕の心の深くに触れたのは大輝だけかもしれない
両親にも愛されず、怯える日々。
いずれ、ムチでなくアメが貰えると期待した日々。
あの時の自分が嫌になる
今の自分も、もう嫌なのだけれど。
高校も、大学も、自分で学費を稼ぐしかなかった。
僕なんて、どうせすぐ見捨てられる
価値のない人間に僕は他人から映っていただろうな
だから、自分に嘘をつくしかなかった。
自分に居場所が欲しかった...
でも、もう、疲れた...
ああ、死にたいなぁ
世間的には
「最期の一瞬まで懸命に生きるべき」 と思われているだろう
そんな理想なんて捨てて
今すぐ消えてしまいたいと、思うけど
そんな勇気、僕にはなさそうだ。
僕は弱虫で、臆病なのかもしれない
病気が進んで、自分で苦しめずとも、勝手にもう二度と目覚めなければいいのに。
数日前...
医師
医師
医師
医師
慎一
医師
医師
医師
医師
医師
医師
医師
医師
慎一
医師
医師
医師
医師
でも
慎一
慎一
またか。
毎晩、喉の辺りが締め付けられる気がして、声が出なくなる
息が.....できない
僕の肺は虫に食べられたかのように穴が空き、機能しているか怪しい。
そして、そんな僕の心も、空っぽだ。
生まれた環境や境遇、心の奥底にある永遠の孤独。
そういうものを恨んだって、何も意味がない。
仕方のないことなんだ。
僕たちは、生きるしかないのかな。
僕の心も、身体も。
翌日
昨日はあまり眠れなかった。
大輝から言われた余命のこと。
命を引き延ばすかどうかの選択
考えるべきことが多すぎた
まだ分からない
僕はどうしたいんだろう?
2つの感情が僕の中で絡まっているようだ
大輝にはどこまで打ち明けるのが正解だった?
昨日は、本当のことを言い過ぎた?
傷つけてしまった?
どうしよう....
コンコンコン...
慎一
大輝
大輝
慎一
ああ、また嘘をついてしまった....
僕のことを気にかけてくれている唯一の人なのに。
大輝
大輝
慎一
慎一
慎一
慎一
大輝
慎一
慎一
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
慎一
慎一
大輝
大輝
慎一
慎一
大輝
慎一
大輝
大輝
大輝
もう、何も言わないでほしい
自分で聞いたことだけれど
大輝は未来に向かって、自身の幸せのため前に進んでいる
こんなにも上手く行っていて大輝が羨ましい。
僕と大輝は同い年だ
なのにこの違いは何なんだ
人生、社会というレースに完全に負けた気分だ
僕は敗北者だろう
もうすぐそのレースすら降りることになりそうだし
せいぜい、笑えばいいさ
僕の、この惨めさを。
大輝
慎一
慎一
慎一
はぁ、はぁ、はぁ......
呼吸が...
大輝
慎一
慎一
僕の口を覆ったハンカチには血がついていた
大輝
大輝もそれに気づいてしまったらしい
慎一
大輝
大輝
慎一
机の上には大輝のワイヤレスイヤホンがあった
僕もワイヤレスイヤホンを音楽を聴く用にもっている
紐がない...
首吊りで死ぬこともできそうにないな
有線の物を持ってくるべきだったか...
それとも、自分の覚悟が足りなかったのか?
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝
大輝は僕の両肩を優しく持った
慎一
慎一
慎一
慎一
これで満足?
結局、大輝のエゴでしかないんだよな
僕の身体は僕のものだし
まあ、今の事実を招いたのも僕なのだけれど。
大輝
大輝
慎一
大輝の言う「また」の時に僕はここにいるのだろうか?
一人になるといつも暗いことばかり考えてしまう。
他人の顔色を伺い、嫌われないように、見捨てられないようにあの頃は必死だった
皆んなの理想になりたかった
そうすることで社会からはみ出さないで済むから。
でも、それが僕の心に負担をかけ、真っ黒で、様々な周りからの圧力によってその繊細なガラスは割れてしまった
小学生から中学生まではそのストレスによるリストカットと両親からの虐待で僕の身体は傷だからけだった
自分を隠すため、どんな時も長袖の服を倒れるような暑い日でも着ていたな。
高校生からは家出し、生活補助を受けながら一人暮らしをしていた
その時の隣に住んでいた高校の先輩に酒とタバコについて教わり、早くもそれらに溺れ、リストカットの代わりとなり、身体を傷つけた。
その結果がこれだ。
苦しいときこそ、生きていることを実感できるのかもしれない
病気が進むと、肺に水が溜まるようになるらしい。
その水で、僕を、溺死させてください。
その日の夜...
慎一
いつも夜になると病気が悪化する
大輝が置いていってくれたゼリーも、バナナも、もう食べられならそうだ
繰り返す咳で食べられる状況ではない
ごめんなさい...
日中に食べておくべきだったかも
慎一
呼吸は浅く....なってきている。
身体中に空気が巡っていないような...
足の感覚が...
喉が、何かに握り潰されそうな感覚。
慎一
僕の残り人生もまた、喉のように、握り潰されているようだ
僕の身体にある害悪な、全ての元凶の塊も
幸せそうに、生きる、未来ある全ての人がきちんと生きられるか疑う必要はない
人のことを考えたってしょうがない
その人たちの未来は僕がどうなろうが変わらないし。
僕は関係ないし。
僕らは知らなくていいんだ。
慎一
何でだろう
もう何も、訳がわからない。
あれだけ解放されたかったのに
自分が望んできたことだったのに
実際にそれが間近に迫ると、恐怖で震えてしまう
死ぬって、どんな感覚だろう?
天国と地獄はあるだそうか
きっと僕は地獄に行くだろうな
他人を自分の保身のため欺き続けたのだから
あるいは果てのない虚無の世界が広がっているのか?
生きていることも、地獄だし 死んで行くさきも、地獄だ。
ずっと、地獄だ。
もう、生きたいという気持ちは遺伝子レベルで、身体に刻み込まれた、本能なのかもしれない
そんな本能、恐怖も恨まなくていい
どうせ...
願っても、もう叶わないのだから
慎一
慎一
また、血だ。
さっきより多いかもしれない
今日、が、最後、なのかな....
慎一
慎一
慎一
慎一
僕は震える手で書類に名前を書く。
持つだけで必死で、字は全く綺麗とは言えないし、読めるとも言えない。
全て書き切れるだろうか。
慎一
慎一
慎一
慎一
慎一
慎一
僕は胸に手を当ててみた
僕の心臓は暴れ回るように、身体の先までに全力で、身体の傷に抗うように脈をうっている。
生存本能は、赤く脈うつ。
鼓動は自分でも感じられるほど大きい。
もう一つの僕。
僕の身体も、僕を生かそうと頑張っているのかな。
でもっ......
慎一
それは初めて僕の口から出た後ろ向きな言葉だ。
僕の両目には大粒の涙が溢れでている
生きていたい、けど、生きていたくない。
ああ、僕は、なんて..........
わがままなんだろう
本能を前にして、人間は抗えない
残念だなぁ
生きるか、ないんだな。
慎一
リリリリリリリリ....!
病室に大きな音がなり響く。
ダダダダダッ...........
ガチャ
医師
医師
慎一
慎一
慎一の身体は、まだ微かに温かかった
看護師A
医師
医師
そこには震える手で慎一が書いた書類があった
途中で咳き込んだのか、書類には血が飛び散っていた
医師
医師
看護師B
看護師B
看護師A
慎一の口には酸素マスクが当てられ
ピ、ピ、ピという音が不規則に病院の廊下に響く。
医師
医師
長くないと伝えたとき、彼はとても冷静で私は驚いた
私が診てきた大体の人は、衝撃を受けた顔をしたり、取り乱す人が殆どだったのだから。
すぐ受け入れたのか。
すでに察していたのか。
あるいは、もう生きたくなかったのか
どうして書類を書いたのだろう
だがこれは彼の意思だ
彼を救えるように、急がねば。
解放されたかっただろう
僕の身体も、心も。
結局、まだ生かす道を選んでしまった
ごめんなさい......
ごめんな、さい.........
直接先生に延命の道を悩んだせいで伝えられなくて
僕の本心や周りの人に打ち明けるのが出来なかったこともすべて
言えなくて、ごめんなさい.......
まだ、頑張ってもらうしかない
ああ、残念だ。
本当に、残念だけど
昔から苦しむことで生を実感できた。
苦しむことだけが、この世界に、僕の魂と身体を繋ぎ止めておける唯一の方法だったから。