テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

VAL組の日常

第1話 - VAL組と男子会

154

2023年04月04日

#第5人格

#第五人格

#連載

かしえら

ルカ

2人とも、男子会を開かないかい？

アンドルー

いや、唐突だな…。

アンドルー

一体どうした？

ルカ

何やら、最近。

ルカ

女性達の間では、

ルカ

女子会が流行っているらしいと聞いてね。

ルカ

私達もその流行りに乗ってみないかと、ふと思ったのだよ。

ルカ

女子会ならぬ男子会をね！

ビクター

ん……。
「ほ、本当に突然ですね…。」

アンドルー

何で僕とビクターなんだ…。

アンドルー

そもそも、何するかわからないぞ…。

ルカ

私が聞いた話では、

ルカ

部屋に集まって楽しく話したり、遊べばいいそうだ。

ルカ

だから、2人とも。

ルカ

今から私の部屋で男子会を開かないかい？(目を輝かせて)

アンドルー

…僕は行かないぞ。

アンドルー

話す事なんて、特に無いからな。

ビクター

ん……。
「僕は…参加してみたいです。」

ビクター

「友達の部屋に遊びに行くのって、何だか楽しそうですし…。」

ルカ

ふふ、グランツ君もそう思うか！

アンドルー

お、おい…！ビクターもやめておけ。

ビクター

ん……？
「アンドルーさんも、一緒にどうですか？」

ビクター

「ルカさん、とてもわくわくしていますし…。」

アンドルー

……はぁ。

アンドルー

仕方ない、

アンドルー

僕も行ってやる。

アンドルー

ビクターを1人で行かせるのは危険だからな。

ルカ

おぉ！クレス君も来てくれるんだね。

ルカ

よし、

ルカ

善は急げだ。

ルカ

では早速、私の部屋に行くとしよう。

ビクター

ん……！
「そうですね、楽しみです…！」

アンドルー

あぁ、さっさと済ませるぞ…。

－ルカの自室－

ルカ

さぁさぁ、ここが私の部屋だよ。

ルカ

2人とも、まぁ座ってくれ。

ルカ

今、紅茶を出そう。(戸棚から探して)

ビクター

ん……。
「ここが、ルカさんの部屋…。」

アンドルー

……。

アンドルー

おいルカ、最近掃除した日はいつだ？

ルカ

さて、いつだったかねぇ…。(考え込み)

ルカ

一応、テーブルは綺麗にしておいたんだがね。

アンドルー

いや、それ以外も見てくれ。

アンドルー

床が紙くずばかりで散らかっているぞ…。

アンドルー

少しは掃除しておけ、足の踏み場にも困る。

ルカ

はは、まだこれは少ない方だよ。

ルカ

私が研究で部屋に引きこもったら、

ルカ

床なんてまず見えないからね。(自慢げに言い)

ビクター

ん……。
「でも、紙ばかりある部屋は何だか落ち着きます。」

ビクター

「僕の部屋も、手紙で溢れていますから…少し共感しますね。」

ルカ

おや、グランツ君もかい？

アンドルー

2人とも、掃除はきちんとしてくれ…。

ルカ

おっ、やっと茶葉を見つけたよ。(戸棚の奥から茶葉を取り出し)

アンドルー

……見事に埃まみれだな。

ルカ

じゃあ準備するから、

ルカ

もう少し待ってもらうよ。(作業台で紅茶の準備をしながら)

ビクター

ん……！
「はい、ゆっくりで大丈夫ですよ…！」

アンドルー

おい…さっきの茶葉、古そうだったが大丈夫なのか？

ビクター

ん……？
「そうですか…？確かに、奥から茶葉は出てきましたが…。」

アンドルー

だ、だろう…？

アンドルー

頻繁に紅茶を飲む性格ではなさそうだし。

アンドルー

まさか、今から毒味をさせられるとはな…。

ビクター

ん……！？
「ど、毒味ですか…！？」

ビクター

「ル、ルカさんはそんな事しないと思いますけど…。」

アンドルー

いや、ルカならやりかねないかもしれん。

ルカ

2人とも待たせたね。

ルカ

いや〜、他人に紅茶を入れるなんて久しぶりだねぇ。

ルカ

さぁどうぞ、冷めないうちに飲んでくれ。(2人に紅茶を渡して)

ビクター

ん……！
「ルカさんありがとうございます…！」

アンドルー

見た目は普通か、どれどれ…。(紅茶を受け取り)

アンドルー

……意外と、味は普通だな。(1口飲んでは)

ビクター

ん……。
「何だか紅茶を飲むと落ち着きます…。」

ルカ

ふふ、なら良かったよ。

アンドルー

少し警戒し過ぎたか？いやしかし…。

ビクター

ん……！
「変な味もしませんし、大丈夫だと思います…！」

アンドルー

そうだな…、一応聞いてみるか。

アンドルー

おい、ルカ。

ルカ

クレス君、どうしたんだい？

アンドルー

この紅茶……変な物とか入ってないよな？

ルカ

クレス君は疑い深いねぇ。

ルカ

そんなのどこにでもある普通の紅茶だよ？

ルカ

それとも、

ルカ

私が何か細工をしているとでも？

アンドルー

し、しかし…！

アンドルー

この紅茶…いや、この茶葉は棚の奥から出てきたぞ？

ルカ

えっと、それはね〜。

ルカ

……。

ルカ

…お、置く場所がそこしかなかったからだよ。

ルカ

だが、心配は無用さ。

アンドルー

…どういう事だ？

ルカ

何故なら、

ルカ

普段から私は紅茶を嗜んでいるからね！

ルカ

味はきっと大丈夫さ！

アンドルー

じゃあ何で棚の奥から茶葉が出てくるんだ…。

アンドルー

普段から飲んでいるだろう？

ルカ

んぐぐぐ…。そっ、それはね…。

ビクター

んっ…！
「2人とも、喧嘩はやめてください…！」

ビクター

「僕達は喧嘩をしに来たんじゃありませんよ…！」

ルカ

！す、すまない。グランツ君…。

アンドルー

ビ、ビクター…。

ビクター

ん……！
「ちなみに僕はこの紅茶、とても美味しかったです…！」

ビクター

「ルカさん、おかわりはありますか？」

ルカ

あ、あぁ…。勿論さ。(空のティーカップに紅茶を注ぎ)

ルカ

まだ少し熱いから、気をつけて飲むんだよ？

ビクター

ん……！
「ありがとうございます…！」

アンドルー

しかしビクター、よく飲むな…。

ビクター

ん……。
「じ、じつはここに来る前から喉が渇いていたので…。」

ビクター

「あっ！迷惑だったらすみません…。これで最後にします…。」
(そう言って、紅茶を飲み干し)

ルカ

いや、全然迷惑じゃないよ。

ルカ

むしろ、沢山飲んでくれてもいいからね。

ルカ

それより、私は2人に謝らなければならないね…。

アンドルー

？急にどうした…。

ルカ

先程、私は嘘をついてしまったのだよ…。

ルカ

普段、紅茶を嗜んでいると言いながら

ルカ

本当は全然飲まないんだ…。

アンドルー

あぁ、だろうな。

アンドルー

ルカは普段から紅茶を飲むタイプではなさそうだしな…。(部屋を見ては)

ルカ

まぁ昔はよく飲んでたんだけどね…。

ルカ

と言うか、クレス君も紅茶はあまり飲まなさそうだが…？

アンドルー

ふん…、どうせ僕には紅茶なんて似合わないさ。

ビクター

ん……！
「僕もそんなに飲まないので、気にしてませんよ！」

ルカ

おや、そうなのかい？

ルカ

何だか似ているね、私達は。(クスッと笑い)

アンドルー

まぁ僕は、

アンドルー

この紅茶を安心して飲めれるならそれでいいがな…。(1口飲もうとして)

ルカ

それに関しては多分…大丈夫だろう。

ルカ

この茶葉は、私が荘園に来る前からあった物だからね。

アンドルー

ごほっ！？(紅茶が喉に詰まりそうになって)

アンドルー

お、おいそれって…結構経ってるよな？

ルカ

だって、捨てるのは勿体ないじゃないか。

ビクター

ん……？
「前に住まれていた方の忘れ物ですかね？」

ルカ

さぁどうだろうね、私にも分からないよ。

アンドルー

と言うか、勝手に飲んで大丈夫なのか…？

ルカ

私が責任を取るから安心したまえ。

ルカ

もし持ち主が来たら、

ルカ

私の華麗な土下座で許してもらえるだろう。

アンドルー

…想像したらちょっと面白いな。

ルカ

それに、この紅茶も2人に飲んでもらえて嬉しいんじゃないかい？

ルカ

このまま、忘れられるよりさ。

アンドルー

まぁ捨てるよりかは良いと思うがな…。

ビクター

ん……。
「ルカさんは紅茶を飲まないんですか？」

ルカ

あぁ、そうだったね。

ルカ

私も頂こうかな。(紅茶を飲んで)

ルカ

…うん、味は大丈夫みたいだ。

アンドルー

はぁ…先に毒味をさせられた身にもなってくれ。

ルカ

それはすまなかったよ…。(頭を掻きながら)

ルカ

でも、私は今ある物を研究中だから…

ルカ

ここで体調を崩してはいけなかったんだ。

アンドルー

何か作ってたのか？

ルカ

ふふ…それはまだ秘密だ。(にやりと笑い)

ルカ

完成したら、2人にも見せてあげるよ。

ビクター

ん……。
「何でしょうか、気になりますね…。」

アンドルー

奥の方とかにあるんじゃないか？(身を乗り出して奥の部屋を見つめ)

アンドルー

ん？何かがシーツで覆われているな…。

ルカ

わわ、カンニングは駄目だよ！クレス君。(慌てて奥の部屋を閉めて)

ビクター

ん……？
「ルカさんは研究中だと、部屋にひきこもってるはずでは…？」

ルカ

確かにそうだよ。

ルカ

でもふと、最近流行っている女子会とやらが気になって…

ルカ

急遽開いたと言うわけだね。

アンドルー

ルカは突然、何かを始めるからな…。

ビクター

ん……！
「でも、そこがルカさんの良いところでもありますよね。」

ルカ

よし、という訳で気分転換にもなったし…。

ルカ

研究の続きでもしようかねぇ。(背伸びをして)

ルカ

ありがとう2人とも、今日はここでお開きだ。

ビクター

ん……。
「わかりました、研究中なのにお邪魔してすみません…。」

ルカ

とんでもない、今日は来てくれて楽しかったよ。(にこりと笑い)

ビクター

ん……！
「はい、僕も楽しかったです…！」

アンドルー

ん、もう終わりか…。

アンドルー

まだ何かすると思ったんだがな…。(時計を見ては)

ルカ

寂しいのかい、クレス君？

アンドルー

誰も寂しいとは言っていない…。

ルカ

まぁ安心してくれ。

ルカ

数日後、また誘うから楽しみにしておくといいよ。

ビクター

ん……！
「本当ですか？何だか楽しみです…！」

アンドルー

暇なのか暇じゃないのか…。

アンドルー

……。

アンドルー

…まぁ、僕も考えておいてやる。

ルカ

ふふ、じゃあ楽しみに待っていてくれ。

ビクター

ん……！
「はい！それでは僕は帰りますね。」

ビクター

「お邪魔しました…！」
(一礼して、廊下を出て行き)

アンドルー

僕も部屋に帰るか…、じゃあなルカ。(そう言って、廊下を出ては)

ルカ

あぁ、2人ともまたね。

ルカ

……。

ルカ

…さて、2人とも帰ったみたいだね。

ルカ

それじゃあ、研究の続きをしようか。

ルカ

ふむ、もう少しで完成と言ったところかな？(研究物を見つめて)

ルカ

あとは、強度の微調整ぐらいだろうか…。

ルカ

終わったら試験的に動かしてみたいけど、

ルカ

これは1人じゃ無理だな…。

ルカ

…よし、さっきの2人にも協力してもらおう。

ルカ

これは遠くないうちにまた集まれるね…！

VAL組の日常

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

154

1件

かしえら

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

VAL組の日常

第1話 - VAL組と男子会

#第5人格の新着小説
一覧

作者の他の作品すべて見る

関連するタグ

VAL組の日常

第1話 - VAL組と男子会

#第5人格の新着小説一覧

作者の他の作品すべて見る

関連するタグ

#第5人格の新着小説
一覧