(コンコン)───
ドアをノックされた
神志那未怜
なに
ドアを開けて入ってきたのは
同じ学校に通う2個上の兄の怜哉(れいや)だった──
神志那怜哉
今日外食だって
神志那未怜
お兄ちゃん行くの?
神志那怜哉
話あるからって強制だって
神志那未怜
めんどくさ──
神志那怜哉
早く準備して降りてこい
めんどくさいとしか思わなかった
私は制服から私服に着替え、
下に降りた──
両親は何も言わずに車に乗り
私たち兄妹も乗り込んだ
家族揃って外食なんて何年ぶりだろうと思いながら外を見ていた──
着いた場所は如何にも高級そうなレストランだった──
私たち兄妹は目を合わせた───
父
予約していた神志那です
「「お待ちしておりました」」
と、席に案内される。
店員に椅子を引かれ腰掛ける
テレビなので見るような高級レストランだった───
しばらくして料理が運ばれてきた
神志那怜哉
うまそ!!
母
本当に!!美味しそう
なんか変だと思った
いつも喧嘩ばかりの両親が私たちを連れて外食なんて───
料理も全て運び終えた後
食事中ずっと喋らなかった父親が口を開いた───
父
実は、お父さんとお母さん
父
離婚することにしたんだ
やっぱりそんなことだろうと思った───
何年も顔合わせれば喧嘩
そんな二人が仲良く外食なんて行くはずがない───
母
ごめんね。
母
あなたたち二人はお父さんが引き取るから
母
苗字は変わらないから
親が離婚することなんてどうでもよかった──
たぶんお兄ちゃんも
遅かれ早かれこうなることは予想していたから───
父
家は今のまま
父
お母さんが出ていくから何も心配いらない
神志那未怜
(何も?は?
母
これから家のことは未怜がやってね?
母
学校とバイトで忙しくなると思うけど
ある程度のことは出来るからその辺は平気だが、やっぱり急すぎて頭が付いていかない────