コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
すいせい
窓辺から滑り込んだ陽光が、すいせいの錆びついて重い瞳孔を焼く。
すいせい
すいせい
スマホの待受を一瞥し、現在が午前七時であることを確認する。
すいせい
すいせい
すいせい
遡ること先刻の深夜。 脈拍を整えるための2杯目の水を完飲した後に、すいせいはみこの消え入りそうなほど儚い願いを思い出した。
すいせい
すいせい
慌てて駆けると、既に消灯され、月明かりだけが寝室に僅かな明度を与えていた。
すいせい
みこ
みこ
すいせい
私が居なくても大丈夫だったか、と思うと安堵もあり、少し悔しくもあった。
すいせい
すいせい
すいせい
赤く綺麗なボブカットを撫でてやると、ううんと返事をした。
それに心の深いところをくすぐられたすいせいは、写真撮って明日からかってやるかと悪巧みを企てたと思うと、それを即座に実行した。
すいせい
みこ
そして現在へ。
すいせい
すいせい
楽屋で仮眠するか、と脳を揺さぶりながら決意を固めると、寝室へ小走りで向かった。
すいせい
すいせい
みこの肩を掴んで揺さぶるも、うぅんと無意識の反応が返ってくるのみだった。
すいせい
それならば、とすいせいはみこの体の下に惹かれた薄い布団を掴み、テーブルクロスの要領で一気に引っ張った。
すいせい
みこ
みこ
ベッドからバネのようにはね起きると、慌てふためいた様子で、瞳をぱちぱちさせる。
すっかり困惑した様子で、仁王立ちのすいせいを見上げる。
すいせい
みこ
みこ
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせいの手料理では決して目撃することが出来ない緑黄色を指さして、みこは声高に述べた。
みこ
すいせい
野菜嫌いは今日で卒業するんです、と固い覚悟を訴えると、 僅かな躊躇いの後に、アボカドトーストを鷲掴みにし、一口齧った。
すいせい
すいせい
すいせい
みこ
みこ
すいせい
すいせい
みこ
みこ
すいせい
みこ
唇を尖らせて、上目遣いですいせいを睨む。
てかすいちゃん、とトーストを食む頬を膨らませて話題を切り出した。
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
みこ
すいせい
すいせい
すいせい
なんでそんなことすら考えつかなかったのか、と己の短絡さを呪った。
すいせい
みこ
みこ
すいせい
みこ
すいせい
どうしたものかとすいせいは口を噤んでしまう。
すいせい
昨晩のみこの発言の節々が、すいせいの脳裏をよぎる。
「大好き」「ずっと一緒にいたい」「生活面も精神面も支え合いたい」
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
すいせい
すいせいは、2人が「固執」が支える関係性に陥ることへの不安に、今は目を瞑ることにした。
すいせい
みこ
すいせい
みこ
みこの表情がぱあっと明るくなり、満面の笑みが溢れる。
みこ
すいせい
みこ
わーいと両手を上げて喜ぶみこ。その姿はまるで、ずっと欲しかったおもちゃを、サンタさんにもらった時の子供のようだと、すいせいは微笑んだ。
すいせい
みこ
すいせい
みこ
その夢は老後まで取っておきな、とはしゃぐみこを諌める。
すいせい
みこ
みこ
みこ
LINEに送るから見て、と促すと「同居♡のための提案書」というタイトルの数ページのPDFを送付した。
同居♡のための提案書 **1. プライバシー** 2LDKの物件がいいでしょう。それぞれの寝室を持つことで、深夜帯の配信活動も邪魔にならずに行えます。共通のリビング・ダイニング・キッチンを持つことで、共有の時間も確保できます♡ **2. アクセス** 都心からのアクセスを重視し、電車で20分の範囲内に位置する駅近のマンションを選びます。 **3. 設備** - バス・トイレ別 - システムキッチン - 2口以上のガスコンロ - 浴室乾燥機 **4. コスト** 家賃の上限を月々15万円とし、2人で折半して7.5万円ずつ支払う形を提案します。光熱費やインターネット料金も2人で均等に分担します。 **5. 配信関連の設備** 高速なインターネット環境は必須ですので、速度100Mbps以上の回線を契約します。深夜帯の配信を考慮し、部屋ごとに高度な防音対策を施します。また、遅くまでの活動を考慮して、住宅地よりも都市部の住まいを選ぶことで、周囲の騒音の影響を受けにくくします。 **6. 安全性** オートロック付きのマンションを選択します。24時間セキュリティ対応の物件を優先します。 **7. 近隣環境** - スーパーマーケット - コンビニ - 公園 - ジム(←運動しないとでぶち!!!) **8. 契約期間** 2年契約の物件を選び、その後の状況に応じて更新または移転を検討します。 **9. 同居ルール** - **掃除**:週1回、共同での掃除を行います。 - **料理**:日常の食事は各自の責任で行います。共同での食事を希望する場合は、事前に相談します。 - **買い物**:日常の買い物は週ごとに交代で行い、必要なものリストを共有します。 - **おやすみ時間**:配信時以外の時間、特に夜10時以降と早朝6時前は、音を極力抑えるルールを設定します。 --- 文責:みこ
すいせい
みこ
すいせい
感心しつつ、時々音読しながら提案書全体に丁寧に目を通す。
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせい
みこ
すいせい
これでおあいこだね、と言うとみこは首を少し傾げてウィンクをした。
すいせい
すいせい
すいせい
みこ
ごちそうさま、と同時に言って、2人は食器をシンクへ運んだ。
みこ
すいせい
みこ
すいせい
すいせい
みこ
すいせい
みこ
都内、スタジオ
すいせい
みこ
スタッフに挨拶をすると、今日は朝早いのにお2人とも元気そうですね、と返された。
みこ
同居の話を今するのか?と一瞬すいせいは身構えたが、スタッフは、何よりです、とそれ以上追求しなかった。
その代わり彼女は、肝心の共演者がまだ不在であることを2人に告げた。
いつ頃来るかなと卓上のお菓子をつまんで談話していると、ドタドタと慌ただしい音が廊下から響いてくる。
まつり
まつり
みこ
すいせい
まつり
まつり
まつり
まつり
大声で誠意の謝罪を叫ぶと、あまりにも慣れた所作で膝を折って、両手と頭頂部を地面に擦り付けた。
みこ
すいせい
まつりは首が取れるほどの勢いで、すいせいを見上げた。
まつり
まつり
ガンと音を立てて、まつりは額と地面を再び接触させた。
みこ
まつり
みこ
そろそろ本番です、というスタッフの呼び掛けに3人が向き直る。
まつり
みこ
すいせい
みこがまつりのひょうきんさに怒涛のツッコミをかます中、すいせいは飄々と立ち上がってレコーディングスタジオへ歩き出した。
本番までの準備が本格的に始まり、スタッフが大わらわになると、先程までの和気あいあいとした空気が一気に緊張し、刹那タレントたちの顔がプロのそれへと切り替わった。
スーツ姿に身を包んだ3人は、背丈ほどのテレビカメラを見つめる。
まつり
すいせい
すいせい
すいせい
滴る汗をハンカチで拭いつつ、俯いて台本を必死で読み込むまつりに、すいせいは親指を立てて頑張れと思念を送った。
みこもそれに気づいたようで、両手の親指をまつりへ突き出す。
三本のグッドサインを傍受したまつりは、軽くウィンクをして再び台本に顔を埋めた。
間もなくして、スタッフから本番コールが告げられる。 3秒のカウントの後に、カメラの赤い起動ランプが点滅を開始した。
まつり
みこ
すいせい
みこ
まつり
すいせい
すいせい
すいせい
まつり
みこ
すいせい
すいせい
みこ
みこ
まつり
みこ
すいせい
数時間後、楽屋
まつり
まつり
みこ
まつり
みこ
まつり
みこ
まつり
みこ
まつり
まつり
みこ
すいせい
まつり
みこ
すいせい
ちょっと、まつりのせいとか言わないでよと、みこを解放し、すいせいに詰め寄る。
みこ
まつり
ここが好機とばかりに、みこはバッグをもって部屋から退散して行った。
みこ
意図せぬゲームオーバーに気落ちしたすいせいは、はーい、と生返事を返した。
まつり
すいせい
まつり
すいせい
まつり
一瞬の沈黙が明けると、まつりちゃん、とすいせいが前のめりになって話題を切り出す。
すいせい
まつり
実はね、と言葉を選ぶようにゆっくりと口を開く。
すいせい
すいせい
まつり