二話 可愛くて、
柴(しば)
そう言うと、何故か耳を下に向けて、しょぼんとしている。
――ちょっときつく言い過ぎたか?
そんな困っている姿も可愛いが、向かい合った時に出た肩が少し、エロい。真っ白としている。
その肩を直そうとするが、肌が当たってサラサラしていて、もっと触れたくなって肩の方から首へ滑るように、撫でた。
優しく、触ったから、耳がピクピクさせながら、しっぽをパタッパタッとさせていた。
犬は、顔を真っ赤にして、
犬(けん)
そう言った。あまりにも可愛いくて、
柴(しば)
と呟いた。
犬(けん)
少し言いずらそうに言った。
柴(しば)
犬(けん)
柴(しば)
犬(けん)
柴(しば)
聞き返すと真っ赤になって、怒っている。
犬(けん)
垂れていた耳が、ピーンと立って、犬が立ち上がった。
俺は、笑って、頭を撫でた。
柴(しば)
犬(けん)
ご飯と聞いて、さっきのことを忘れたかのようにしっぽをパタパタさせて、喜んでいる。
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