物心付いたときからいとこの
お兄ちゃんが好きだった…
いくつだろうか?
とても幼くて自分でもいくつから
好きだったか覚えてない…
優菜
ひろにーちゃーん
遊ぼー!!
博之
おー優菜かw
またきたのかよーw
優菜
うん!
おにーちゃんあそぼ!
博之
んー俺今学校のやつとゲームしてんだよー
優菜
えー…優菜もいれて?
博之
んー…なーこいつもいい?
俺のいとこなんだけど
博之の友人
んーいーよーw
でもゲームできんの?
博之
いや、できないw
優菜
こんにちわー
優菜
はじめまして
優菜
ゆうなっていいます
優菜
一緒に遊んで良いですか??
博之の友人
こんにちは。優菜ちゃんw
いくつなの?
優菜
うーんと…小学三年生です!
博之
はははっ優菜、年聞かれて学年答えんなよw
博之
まー入れよ。俺の部屋でゲームしてっから
優菜
お邪魔しまーす
優菜
ゆうなお兄ちゃんの膝のうえがいー
博之
わかってるよwいつもだろw
博之の友人
博之なつかれてんなーwもう高2なのに小3と遊ぶとはなw
博之
こいつしょっちゅうくんだよw
お兄ちゃんはもう高校二年生で
ほんとはきっと優菜みたいな子供の相手してもつまらなかっただろうに
いつも邪険にはせずあそんでくれた
博之の友人
やべーもうこんな時間かよ
博之の友人
俺そろそろ帰るわー
博之
おーきをつけてな
優菜もそろそろかえらないとおばさん心配するんじゃね?
優菜
うーもっとおにーちゃんといたい!
博之
んー…おばさんにはゆってきた?
優菜
うん!ママにはおにーちゃんとこいくっていってきた!
博之
んーじゃまぁいいか
優菜
やったー
博之のお母さん
博之?優菜来てるの?
博之
おぅ。きてるよ?
優菜
あ、おばさんこんにちは!
あ、もうこんばんわの時間かw
博之のお母さん
お母さんからでんわあったわよ。
もう夕飯だからかえってきなさいって
優菜
えー…
博之
えーじゃないw
もうかえんな。
またあそんでやるから
優菜
うーん
優菜
おにーちゃんが言うなら帰る…
優菜
またあしたきてもい?
博之
暇だったらなw
優菜
おみやげにおかしもってくるね😁✨✨
博之
お!楽しみにしてるわw
じゃーな
こんな日々が続いて私は中学、高校と進むにつれてお兄ちゃんとは遊ばなくなり普通に恋愛もしお兄ちゃんが初恋だって事すらわすれていった
優菜の父親
優菜、おばあちゃんが危篤だ
優菜の父親
今から面会いくぞ…
多分今夜がさいごだ
優菜
え!?
優菜の父親
はやくしなさい!
優菜
う、うん…
優菜
お、おばあちゃん?
そこにはたくさんの管につながれたみたこともないくらい衰弱しきったおばあちゃんがいた
博之のお母さん
あ、優菜
優菜
こんにちはおばさん
優菜
おばあちゃんどうしたの?
博之のお母さん
昨日いきなり倒れてね…
先生の話だともう今夜が山らしいわ
優菜
おばぁちゃん…
博之のお母さん
さぁちょっと下の売店でなにか食べましょ
優菜の父親
すいません。おねぇさん
いくぞ。優菜
優菜
うん…
優菜の父親
そろそろ帰るか…
優菜
うん…おばぁちゃんがんばってね。
またあしたもくるね
優菜
ん?なに?
優菜の父親
優菜、おばぁちゃんがもうやばい。
優菜
え!?
優菜の父親
お父さんは今から病院いくから
優菜
まって優菜も
優菜の父親
それどころじゃない
優菜の姉
優菜、仕方ないよ。実の母親が死に目なんだから私たちの用意待ってて死に目にあえないなんてお父さんがかわいそうでしょ
優菜
うん…
優菜の姉
あ、お父さん帰ってきたみたい
優菜の父親
ただいま…
優菜
ねぇおばあちゃんは?
優菜の父親
なくなったよ…
明日は通夜だからみんな用意しときなさい
優菜の姉
うぅ…(涙)おばあちゃん…
優菜
大丈夫?おねぇちゃん?
優菜の姉
……
博之
あ!優菜?
優菜
おにーちゃん!
博之
久しぶりだな
優菜
うん。久しぶり…
博之
こんな形で会うとはな…
優菜
うん…
優菜
お見舞いギリギリだったよ…
博之
俺なんてお前たちより後だぞ
優菜
そうなんだ…
優菜
おばあちゃんに全然あってないうちにこんなことになるなんて…
博之
まぁな。俺はたまには顔だしてたけど…
優菜
そっか。
優菜
なんか懐かしいね
優菜
お兄ちゃん結婚は?
博之
しない!しないw
優菜
(ドキン)
優菜
(あ、不謹慎だな…おばあちゃん亡くなったのに…)
優菜
なんか泣けないな…私って薄情なのかな?
博之
俺も泣けねーよ
優菜
お姉ちゃんなんかぼろ泣きだね
博之
あははw昔からだろ
優菜
そうだね
博之
優菜は結婚しないのか?
優菜
うーんw
優菜
いい人がいないw
優菜
お兄ちゃんはなんで結婚しないの?
博之
興味ねーもんw
博之のお母さん
二人ともおばあちゃんにちゃんと挨拶しなさい
優菜
あ、はい
博之
いくか。
優菜
うん
優菜
…おばあちゃん…
優菜
ごめんね
優菜
あんまり顔だしてあげなくて…
優菜
………
優菜
(あ、だめだ)
優菜
(涙)
博之
大丈夫か?
優菜
うん
博之
何だかんだでお前もないてんじゃんw
優菜
そんなことないよ(>_<)
博之
強がんなw
優菜
うん…
優菜
お兄ちゃん明日お葬式出るの?
博之
あーなんか手伝わされるなー
優菜
そうだよね
優菜
私はダメだなーお姉ちゃんも色々てつだうみたいだけど私はなんもw
優菜
いつまでたっても私だけ子供扱いw
博之
お前はガキだろw
優菜
失礼なw
優菜
ねぇ?お兄ちゃん?
博之
ん?
優菜
メアド教えてよ?
博之
いいけど今はまずいだろ
優菜
あ、そっか
博之
そーゆーとこが子供なのw
博之
後で紙に書いて渡すよ
優菜
うん!
博之
無駄にメールしてくんなよ
優菜
しまくるw
優菜
(なんか私不謹慎だな)
優菜
(お通夜なのにお兄ちゃんに会えてドキドキしてる…)
それからたわいもないことをメールしたりするようになったけど段々へんじがこなくなった…
お兄ちゃんは昔から優しいから私に構ってくれてただけなんだ…
こうして私の淡い初恋は静かにでも永遠に終わらない
だけど実らない初恋が
幕を閉じた…
優菜
……ばいばい。私の初恋…