橙紫 短いです
紫side
目を覚ませばもぬけの殻になったダブルベット。そう言えば今日は彼はレコーディングがあり朝から居ないと言っていたような気がする。昨日はそのまま気を失ってしまったが肌にはしっかりと布の感覚がありこれも彼なりの優しさだろうなんて微笑ましく思う。俺は重たい体を起こしながらも腰をさする。痛みがいつもよりも弱い為俺が気を失った後はやらなかったのだろう。俺は彼をちゃんと満足さることができているかと不安になりながらもリビングへと向かった。
机の上には既に朝ごはんが用意されていた。温めて食べてねと小さなメモ用紙にしっかりと彼の文字で書かれていた。俺は温めた朝ごはんを口の中に入れる。一度冷めてしまっていると言うのに口の中いっぱいに味が広がってとても美味しかった。今日俺は仕事がない。少し作業を進めようかと思ったが気分ではなかった。リモコンのボタンを押せば画面がつき、ちょうど前まで見ていたアニメの続編だった。俺の目は瞬時にテレビに引き寄せられこれは終わるまで作業が出来ないななんて悟ってしまう程だった。
橙
紫
橙
紫
今日は早めに終わったからなんて言いながら隣に座る彼。何となくだけれど距離が異様に近い気がする。俺はそんな事お構い無しにアニメの続きを見始める。内容がしっかりしてて考えれば読めそうな所まで行くのに続きが読めない。俺の考えを遥かに超えていくアニメだ。俺はアニメに没頭していて彼の事なんて忘れかけていた。
ふー。
紫
橙
紫
橙
嫉妬したのだろう。本当に彼氏なのか疑いたくなってしまう位に可愛らしい。彼が頭をこてっとすれば俺は彼には逆らえない。俺がこれに弱いのを知っていて彼はわざとしてくるのだ。
紫
橙
紫
俺の唇に彼の唇が優しく触れる。何度も何度も角度も変えながら。少しでも口を開いてしまえば俺の負けだ。彼はオレの背中をなぞる。俺の耐えきれず口が開いてしまった。口の中には彼の下が侵入してくる口内を舐め回すようにくちゅくちゅと水音がなる。俺の口からはだらしない声が漏れる。息が吸えず彼の胸板を叩く。彼が離れれば口から透明な糸が張った。今にもとろけてしまいそうで頭が回らない。目の前には俺を押し倒したかのように上乗っている彼。ここで手首を掴まれてしまったらもう逃げる事など出来やしない。
紫
橙
紫
橙
紫
紫くんの甘い声は朝まで響いていたとか(
end