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とある午後の自習の時間。

比較的真面目な真希ちゃん達は 黙ってペンを動かしている。

私も出された課題を 進めていたんだけど、

高専は国数理社英以外に 呪術に関する教科もあり、

それに躓いて 手が止まってしまった。

禪院真希

どうした恋姫

それに気付いた真希ちゃんが 声をかけてくれる。

漆間恋姫

『この呪術論の問題がよく分かんなくて…』

禪院真希

あー、それな、確かに分かりにくい

禪院真希

ここの部分を…

と、真希ちゃんが 席から立とうとした時、

ちょうど終わりのチャイムが 鳴ってしまった。

パンダ

呪術論なら棘が1番得意だろ

狗巻棘

おかか?

パンダ

棘に教えてもらえ

漆間恋姫

『そうなの?』

漆間恋姫

『狗巻くん…いい?』

狗巻棘

しゃけ

パンダ

真希、憂太、帰るぞ〜

乙骨憂太

え、うん?

禪院真希

おい引っ張るなパンダ!

そんなこんなでパンダくん達 3人が退出してしまう。

というか 真希ちゃんと乙骨くんは、

パンダくんに誘拐された ようにも見えたけど。

私と狗巻くんは、

夕日が差し込む教室に 取り残されてしまった。

漆間恋姫

『なんだったんだろう』

狗巻棘

いくらしゃけ?

漆間恋姫

『そうなのかな』

颯爽と立ち去った3人に 首を傾げる私。

"用事でもあったんじゃない?" と狗巻くん。

と、狗巻くんが自分のイスを 私の向かいに移動させ、

狗巻棘

こんぶ?

"どれ?"とレポートを 指さした。

本当に教えてくれるんだと 理解した私は、

気を取り直して レポートに目をやった。

漆間恋姫

『この問題なんだけど…』

私が分からない問題を 指さすと、

狗巻くんは少し身を乗り出して 資料を覗き込んだ。

漆間恋姫

( ちっ、近い… )

資料を見るために 伏せられた長い睫毛は

くるんと上に向いていて、

銀色がかった白髪が 夕日色に染まっている。

改めて見る端正な顔立ちに 胸がドキリと弾んだ。

愛 と い う 名 の 呪 詛 を 吐 く

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