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瑠愛
どうですか？
潔世一
なんだろうな……
潔世一
ドアが壊れてるわけじゃないんだよ
蜂楽廻
それで外側から鍵かけられないって考えたら……
瑠愛
出られない？
潔世一
自決しようとすんなよ
瑠愛
だって中結構詰め詰めでさ
蜂楽廻
あれ？
潔世一
どうした蜂楽
蜂楽廻
ドアの下になんか挟まってない？
瑠愛
マジで！？
瑠愛
それ抜けば行けるよ！
蜂楽廻
俺に任せて♪
潔世一
おい瑠愛
瑠愛
何？
潔世一
何があったんだよ
瑠愛
……
閉じ込められた……なんて物騒過ぎやしないだろうか
でも故意でされたことは確かだ
瑠愛
（あんま、大事にしたくない）
そうだ
直接何か言われたわけでも、暴力を奮われたわけでもない
瑠愛
（現に私、あんまり傷ついてないし）
瑠愛
なんか千切探してたのよ
蜂楽廻
そういや、千切ん瑠愛っちのこと探してたよね
潔世一
帰ったんじゃないかってことに終わったけどな
瑠愛
こん中にワンチャンいると思って入って探してたのよね
瑠愛
そしたら知らないうちに扉しまってたのよ
潔世一
かなり謎だな
瑠愛
ほんとだよね
蜂楽廻
お、なんか取れたよ！
潔世一
なんだそれ……
瑠愛
あ、じゃあ開くかな
瑠愛
開いた！
蜂楽廻
とりあえず瑠愛っち救出成功！
潔世一
大丈夫か？
瑠愛
特になんも
瑠愛
挟まってたのって何？
蜂楽廻
これこれ！
蜂楽廻
ちょっと表面がでこぼこしてるやつ！
潔世一
なんだろうな、それ
蜂楽が見せてくれたのは、黒い長方形の物体だった
瑠愛
（なんだこれ……）
あまりそれには見覚えがなかった
瑠愛
まだ職員室に先生いるかな
潔世一
うちの顧問の先生なら、まだ外にいると思う
瑠愛
何先生だっけ
蜂楽廻
女の子の先生！
瑠愛
あ、帝襟先生か
帝襟先生は今年この学園に就任した新人の先生
ちょっと初々しいけれど、すごいサッカーが好きな先生って噂
瑠愛
じゃあ聞いてみるか
潔世一
何かわかるといいな
蜂楽廻
そうだね！
瑠愛
（なんか外には見当たらなかった……）
瑠愛
って、あ！
瑠愛
帝襟先生！
帝襟アンリ
はい？
帝襟アンリ
（えっと……瑠愛ちゃんだっけ）
帝襟アンリ
（珍しいな……）
瑠愛
ちょっと聞いてください！
帝襟アンリ
どうしたの？みんなで集まって
蜂楽廻
これ何なのか知りたくて突撃！って感じ♪
潔世一
俺達じゃよくわかんなくて
帝襟アンリ
どれどれ？
帝襟先生にその黒い物体を見せてみる
帝襟アンリ
これ、どこにあったの？
蜂楽廻
ドアの下に挟まってた！
瑠愛
何なんですかね、それ
帝襟アンリ
う〜ん
帝襟アンリ
ドアの下にあったなら、ストッパーとかだと思うよ
潔世一
ストッパーって、ドアの？
帝襟アンリ
そうそう
帝襟アンリ
小さい子とか、ペットとかがいる家庭によく使われるかな
瑠愛
内側から外に出さないためにですか？
帝襟アンリ
大体そんな感じに使われるんじゃないかな
私はその言葉に動揺しかけた
普通にこれがドアのストッパーと称して売られていたとするなら
確実に今日私を閉じ込めようとしていたことが伺える
瑠愛
（今日あの場所じゃなかったとしても……）
瑠愛
（近いうちにやろうと思ってたってことだよね）
瑠愛
怖っ
帝襟アンリ
え？
瑠愛
いや！なんでもないですよ
蜂楽廻
ありがと！教えてくれて
潔世一
ドアのストッパーだったのか……
帝襟アンリ
あ、そういえば瑠愛ちゃん
瑠愛
はい、何でしょう
帝襟アンリ
実は今日の放課後に瑠愛ちゃん探してたんだ
瑠愛
マジですか
帝襟アンリ
ちょっと相談があって
帝襟アンリ
この後時間ある？
瑠愛
大丈夫です
帝襟アンリ
じゃあちょっと来てくれる？
瑠愛
わかりました
帝襟アンリ
じゃあ二人は最終下校過ぎてるから帰りなね
瑠愛
また明日〜
潔世一
じゃあな
蜂楽廻
バイバイ瑠愛っち！
まさかあれがドアのストッパーだとは思わなかった
少なくとも閉じ込められていた間不安だったのは事実で
私はこのときやっと
歯車が狂い始めていることに気がついたのだった
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