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kty
とある春の話。
とある4月…
この満開の桜全てが
姿を消す時
君の姿はありますか?
1年前… kty side
僕たちがもうすぐ 中3になる3月のある日。
いつも誰よりも早く登校する 君の姿が無かった。
kty
彼は授業が始まっても、 学校には来なかった。
そのまま帰宅時間になり、 彼が学校に来ることは無かった。
普通に休みだと思うが、 僕にはそう思えなかった。
何かただの風邪でもないような、 ただの用事でもないような。
何も根拠は無いが、 僕にはそう思えた。
僕は、彼以外に友達が居ないので
独りで帰ることにした。
彼といつも帰ってる道でも、 彼が居ないと 何もかもが変わって見えた。
kty
独りで帰ることに、 こんなに寂しさや刹那さを感じるとは 思ってもなかった。
家に帰ると、 いつもは遅く帰ってくるお母さんが 先に帰宅していた。
「ただいま」という前に、 お母さんから、 信じたくない真実を告げられた
「あっとくんが入院した。」 と。
お母さんは、 続けて何か話していたが
昼間の学校での嫌な予感。
唯一の友の居ない これからの生活への恐怖。
自分は元気でいる事の罪悪感。
色んな感情が入り交じって、
頭が真っ白になった。
数日後、僕は唯一の友… あっちゃんことあっと君へ お見舞いに行った。
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kty
彼は、 元気そうで少し安心した。
だが、 彼が次に発した事実で、 僕の心の痛みは限界に達した。
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kty
そう、彼は余命宣告されてたのだ。
kty
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kty
この世界は本当に最低で 理不尽で残酷で不平等だ。
kty
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kty
嘘つきが得をし 正直者が損をする
生きたい人が死んでしまい 死にたい人が生きてしまう
この世界は本当に意味が分からない。
今だってきっとそうだ
本当に泣きたいのはあっちゃんで 泣いたのは僕
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泣きながらあっちゃんは 涙でぐちゃぐちゃな顔で やさしく微笑んだ
kty
僕は何も言えずに泣いていた。
でも、そんな僕に 彼はこう言った
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優しい人…
僕は優しくなんてない
それでも、 褒めてくれたから それを否定する訳には行かない。
なので、とりあえず、
kty
と、だけ返しておいた。
今年の5月…
あっちゃんは余命宣告通り、 今年の3月に亡くなった。
5月になり、 桜の木のピンクは無くなり、 新たな緑が生まれてきた。
ただ、そんな中
たったひとつだけ、 桜の花が残っていた。
そして、その花を見て
あの日のことを思い出した。
つづく…
らいあ
kty