雛森〇〇
よし!決めました是にします!
他のお店も回った末、最終的に選んだのは 最初に寄ったお店のお菓子。
「横濱レンガ通り」という生キャラメルが挟まれた アーモンド香る焼き菓子だ。
雛森〇〇
お会計してくるので太宰さんは少し待っててくれますか?
太宰治
?、良いけど…私も一緒に行くよ?
雛森〇〇
良いんです、そこで待ってて!絶対ですからね!
太宰治
??、うん?
頑なに着いて行くことを拒む〇〇に 疑問を抱きつつ大人しく待つ事にした。
雛森〇〇
お待たせしました!
雛森〇〇
後日実家に送ります
雛森〇〇
喜んでくれると良いなぁ
太宰治
きっと喜んでくれるよ
雛森〇〇
ですかね?
太宰治
此の私が云っているんだ!
太宰治
信じ給えよ
雛森〇〇
ふふ、ですね
雛森〇〇
太宰さんが云うなら心配ないです
太宰の言葉に〇〇は、嬉しそうに微笑んだ。
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一通り店を回って、外はすっかり夕焼け空に染っていた。
買った物はあまりなくとも、 二人で店を回れたのが嬉しかったらしく、
〇〇は依然上機嫌で腕に下げた紙袋を振っていた。
太宰治
却説、次が私が一番見せたかったものだ
赤煉瓦倉庫を出て直ぐのところに、 大客船が停まっている。
雛森〇〇
え、是って運が良いと出会える大客船…
太宰治
さあお手をどうぞ、お姫様
船に乗るのに差し出された太宰の手に、 〇〇は照れくさそうに自分の手を添えた。