テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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傀儡

第6話 - 4話

2024年03月08日

#ミステリー

#一次創作

#ドラマ

アクヤ

アマーリア

(真っ暗……)

急ごう、時間がない。

アマーリア

ここ、本当に保健所、
何ですよね？

営業時間外のな。

地下に隔離室があるのは？

アマーリア

……姉の日記に
ありました。
少しは知ってます。

……そうか。
少しショッキング
だから気をつけて。

地下に広がるのは信じられない光景だった。

痛めつけられたDollが牢屋に隔離状態で、あるDollは牢屋で完全に息を引き取っている。

アマーリア

酷い……

そんな言葉しか出ない程。

……来たよ。

香保

……目の前にいるの？

……あぁ、

─君の妹と一緒に。

その言葉に絶句した。

アマーリア

お姉ちゃん……なの？

香保

香？そこにいるの？

……アマーリア。
彼女は完全に
目が見えてない
そして、闇に
染まりかけてる。

香保

逃げられたのね、
良かった……

アマーリア

お姉ちゃん……嘘……嫌‼︎

……。

アマーリア

お姉ちゃんが……何を
したって言うのよ‼︎

アマーリア

こんなの……理不尽だよ……

……覚えておいて、
アマーリア。

この世界は、
理不尽な事ばかりだ

今までの努力も、
Dollになって仕舞えば
全てが無駄になる。

香保

……アマーリア。

アマーリア

お姉ちゃん……ごめん、
私のせいで……！

アマーリア

こんな事になるなら……

私が、犠牲になるべきだった……

……。

……ねぇ、アマーリア？

突然名前を呼ばれた私は、袖で涙を拭って彼の方を向いた。

アマーリア

はいっ……！

もしも目の前に、
救える命があるとしたら、
アマーリアはどうする？

たとえそれが、
君を傷つける者だとしても、
君は、救いたいと思う？

アマーリア

……難しい質問ですね。

アマーリア

私は……

アマーリア

……分かりません。

アマーリア

その人が救いの手を、
求めていないかもしれない。

アマーリア

むしろ迷惑だと、
思われてしまうかも
しれない。

アマーリア

だから、答えを出すのは
まだ先になりそうです。

……そっか。

さあ、もう入って。
今日は寝よう。

アマーリア

……はい。

……そこの少年。

大輝

……！

大輝

(バレてる……。)

あぁ、怒りたいわけ
じゃないんだ。

名前は？

大輝

土方……大輝。

どうしたの？
僕らの方真剣に見て。

大輝

……あのっ！

大輝

僕みたいな無力な
人間でも、
Dollを、救えますか？

ヒーローにっ……なれますか？

……親が心配したりしない？

大輝

今日は人間の友達の家に
泊めてもらうって
話してます。

じゃあ、
入って話をしよう。

お待たせ。

大輝

あ……さっきの子は？

疲れていたのか、
もうぐっすり。

大輝

そう、ですか。

アマーリアに見覚えが？

大輝

神社で、必死に何かを
願っているようでした。

大輝

話しかけて、
Dollの味方ですって
訴えかけたんですけど、

大輝

同情も優しさも、
建前も必要ないって
怒られちゃって……。

彼女は自分より、
姉がDollになった事が
許せないんだ。

今は、放って
おいた方がいい。

大輝

そう、ですか。

それで、君はどうして
Dollを救おうと？

大輝

……昔、居たんです。

大輝

Dollになって、
苦しんだ人が。

大輝

友にも見捨てられ、
僕の母も、彼を“怪物”と捉え
近寄っては
いけないと言った。

大輝

あの時のあの人の
悲しくて優しい笑顔が、
今でも忘れられなくて。

大輝

“誰かを救えるヒーローに”
って、思ったんです。

でも、人間さんの
やってることは
間違ってないかもしれない。

これはあくまで異能力だ。

人を襲う力がある。

大輝

でも彼は！襲わないって、
言ってくれたんです……
確かに襲わない保証は
無いですけど……。

大輝

それでも、アマーリアさん
みたいに、呪いみたいな力に
苦しんでる人を
助けたいんです……！

大輝

僕に！僕にできることは
ありませんか？

……約束して欲しい事が、
何点かあるんだ。

大輝

は、はいっ！

まず一つ、補導時間に
なる前に親元には帰る事。

二つ、Doll達に
危害を加えない事。

三つ……

Dollの能力を知っても、
拒絶しない事。

全て守れるかい？

大輝

……はい！勿論です！

よし、いい子だ。

布団を用意するから、
今日は休んで
明日からにしよう。

大輝

は、はい！

お母さん

大輝

今日、友達の家に泊まる。

お母さん

人間なのね？
Dollの子じゃ無いのね？

大輝

うん、ちゃんと一緒に
学校に通ってる友達。

お母さん

分かった。
明日はちゃんと
帰ってくるのよ。

大輝

分かった。

大輝

(やっぱりDollかどうか
確認してきた……。)

大輝

(あの人も、人間では
なさそうな
雰囲気だったな……。)

アマーリア

……何しにきたんですか？

大輝

起きてたんですか？

アマーリア

ぐっすりなんて
嘘ついて……
ほんとは寝れなくて
困ってます。

大輝

……僕のこと、
まだ信用できませんか？

アマーリア

……完全に信用し切った
訳ではありませんが、

アマーリア

さっきの話を聞いて、
貴方の優しさは十分に
分かりました。

アマーリア

……お名前は。

大輝

だ、大輝です……！

アマーリア

よろしくお願いします。
大輝さん。

アマーリア

さっきあの人から
聞いたっでしょうけど、
アマーリアです。

大輝

よろしくお願いします……。

傀儡

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1件

大輝くんみたいな子多分沢山いるんだろうな特に小さい子お母様も不安ね

アクヤ

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