美咲
久美
真理
久美
真理
久美
奈々
裕子
久美
久美
それから私達は
麻袋に入っていた バールを使って、 ドアをこじ開けようとしたり…
試行錯誤を繰り返した
でも
脱出は出来なかった
皆の疲労が溜まってきて、 口数が減り
時間ばかりが過ぎて行く
尿意が限界に達して、 皆で災害用のトイレを 使用した際には、 悔しくて涙が出た
どうして私が? 何で私ばっかり…!
真理
久美
真理
美咲
裕子
奈々
久美
真理
久美
奈々
久美
久美
奈々
久美
真理
奈々
久美
美咲
裕子
久美
私達は 辺鄙な田舎町で育った
田舎のくせに 子供が多くて…
皆が顔馴染みくらい、 狭い世界で生きていた
だから
自然と感じてしまう
生まれながらの、 格差ってやつを
真理と奈々は お金持ちの家だった
真理は市長の娘で、 奈々は地主の娘
私みたいな凡人は、 逆らってはいけない
幼心に そう感じていた
奈々は秀才で クールな性格だったけれど
話しやすい雰囲気があった
問題は真理だ
美人で誰にでも優しいのに
敵になった瞬間に 豹変する
とても
恐ろしい性格だった
真理
久美
真理
久美
真理
久美
真理
久美
真理
久美
真理
久美
久美
言いなりだった 拒否権なんて無かった
真理にとって私は、 そこら辺の雑草と 変わらない存在
仲間はずれが怖くて、 私も友梨を虐めた
いや… 私が友梨を虐めたのは、 憂さ晴らしも あったのかもしれない
中学を卒業して
真理は東京の高校に進学した
正直、安心した
もう、 この町に真理はいないと思うと
緊張から 解放された気がした…
地元の高校を出た後、 私は上京して 東京の大学に通った
東京には色んな人間がいて、 色んな文化があって
何であんなに 真理が怖かったのか… 馬鹿馬鹿しく感じた
東京に出て良かった! 私の人生は変わった! そう思っていたのだ…
大学を卒業してすぐ、 就職先の上司と 結婚をするまでは…
久美
旦那
久美
旦那
久美
旦那
久美
旦那
久美
旦那
久美
旦那
久美
旦那
久美
旦那
こんな人と結婚したばかりに
私の人生はめちゃくちゃだ!
娘をお受験させて、 育ちの良い家庭を 作りたかった
私もブランド物の バッグやアクセサリーが 欲しかった
働かないで、 専業主婦でいたかった
賃貸じゃなくて、 大きな家が欲しい…
だから
あんな事をしてしまった
職場から少しだけ 貸してもらうつもりが、
積もり積もって…
横領なんて、 したかった訳じゃない
皆、旦那が悪い!
いや、 真理に出会ってから おかしくなった!
全部、真理のせいだ!
何で私ばっかり
私ばっかり!!!
久美
真理
奈々
裕子
美咲
久美
美咲
美咲
美咲
久美
裕子
奈々
久美
美咲
真理
裕子
久美
奈々
真理
久美
裕子
奈々
裕子
真理
久美
真理
久美
真理
久美
美咲
久美
私が自分で 友梨に酷い事をしたのは…
秋…だったかな? 朝礼の後で
友梨を体育倉庫に 閉じ込めた事がある
すぐに誰かに見つかると 思っていたのに
その日はたまたま 倉庫を使用してなくて…
結局、 部活の時間にサッカー部が 体育倉庫を開けて
ぐったりしている 友梨を見つけたの
脱水症状と… お漏らしもしていて
酷い有様だったらしい…
でも、 友梨は三日だけ休んで また登校したんだよね
ちょっと怖かった
私なら、 もう学校に 行けないと思うから
久美
奈々
裕子
美咲
久美
真理
美咲
真理
奈々
久美
真理
奈々
裕子
久美
美咲
久美
久美
久美
つづく
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