嫌潔
特に蜂楽は...
愛潔
...(すごい悲しそうな目してる...)
愛潔
(喧嘩か?)
愛潔
(にしては雰囲気が重い...)
悲しそうな目で斜め下を見るもう1人の俺を
何とかしないとって
そう思った
愛潔
なぁ、お前のとこの蜂楽、何かしたのか?
蜂楽
....
俺と蜂楽は黙ってもう1人の俺の返事を待つ
嫌潔
....
するともう1人の俺はしばらく黙ったあと
嫌潔
...別に話すような事じゃないし
嫌潔
扉探すぞ
そう言ってそっぽを向き壁に歩いていく
愛潔
あっ....
『なんだよケチ〜言ってくれたっていいじゃん!』って言える感じじゃなくて
もう1人の俺の身に何かあったんだなって
確信を持った
もう1人の俺は壁を触りつつドアを探していて
俺と蜂楽はその様子を見ながら小声で話していた
蜂楽
〈ねね、どうする潔、〉
愛潔
〈どうするって何をだよ〉
蜂楽
〈だってあの潔、別世界の俺と絶対なにかあったって!〉
蜂楽
〈俺あの潔のコト助けたい!〉
愛潔
〈俺も俺のあんな顔見てていい気はしないから助けたいけど...〉
愛潔
〈あいつから何も話してくれないんじゃ何に悩んでるか分かりようもないし...〉
愛潔
〈何とかして聞き出せればいいんだけど....〉
蜂楽
〈だね〜...〉
蜂楽と俺の意見が合ってほっと胸を撫で下ろす
蜂楽
〈あ、そうだ!〉
蜂楽
〈聞き出すのってさ、あの潔本人からじゃなくても良くない?〉
愛潔
〈え?それってどういうこと?〉
蜂楽
〈ここに潔2人だけじゃなくて俺もいるってことはさ〉
蜂楽
〈俺がもう1人居ても不思議じゃなくない!?〉
愛潔
〈...!!〉
愛潔
〈なるほど!そいつから聞き出せば〉
愛潔
〈もう1人の俺に何があったかって言うのと〉
愛潔
〈喧嘩中...?の蜂楽の意見も聞けるってことだな!〉
蜂楽
〈そゆこと!!〉
蜂楽がビッと俺の方を指さしながら頷く
確かに俺が2人いるんだから蜂楽が二人いても何ら不思議じゃない
蜂楽
〈なんなら俺じゃなくても、別世界の人、誰でもいいから聞き出せばわかると思うんだっ〉
事情は何とか聞き出せそうと判断した俺らは安心して顔を見合わせた
そうしてる間にもう1人の俺が壁と同じ色のドアを見つけて
嫌潔
....??
中から声が聞こえるのかドアに耳を当てる
愛潔
...?
蜂楽
潔、俺らも行こ、
愛潔
おう
俺らも近づいて耳を澄ます
すると ━━━
???
潔がそんなことするわけないじゃん。馬鹿なの?考えなくても分かることじゃん
???
は?馬鹿なのはそっちだよ。なんな涙で顔ぐしゃぐしゃにするほど泣いてる女の子見捨てて最低野郎に付くって頭湧いてるでしょ
全く同じ声の人物が
言い争っていた