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???

潔がそんなことするわけないじゃん。馬鹿なの?考えなくても分かることじゃん

???

は?馬鹿なのはそっちだよ。あんな涙で顔ぐしゃぐしゃにするほど泣いてる女の子見捨てて最低野郎に付くって頭湧いてるでしょ

愛潔

(全く同じ声...)

愛潔

(1人芝居みたいに思えるけど多分俺らの世界の誰かと別世界の誰かが言い争ってるんだな)

愛潔

(...ていうかこの声もしかして)

俺たち3人はドアに耳を当てながらドアを開けるかどうか悩んでいた

愛蜂

〈ねね、潔、なんか潔について言い争ってんね〉

蜂楽が小声で俺に話しかけてきた

愛潔

〈「潔はそんな事しない」って言うのと「潔は最低野郎」っていう意見のふたりが言い争ってるな〉

愛潔

〈なんか、内容が内容だから聞いてて凹むんだけど...〉

愛蜂

〈でも潔、片方はめっちゃ潔のこと信頼してるし庇ってくれてるじゃん〉

愛蜂

〈愛されてるね〜、潔っ〉

愛潔

〈そうか?〉

愛蜂

〈うん!〉

愛蜂

〈しかもこの声ってさ...〉

愛潔

〈嗚呼多分...〉

そうやって俺と蜂楽が喋ってると

覚悟を決めたような顔でもう1人の俺が勢いよくバンッッと扉を開けた

???

えっ?

愛潔

うわっ!?

愛蜂

おわわっ!?

扉に体重をかけてた俺ら2人は扉を開けると同時に床に倒れてしまった

愛潔

いったー...

愛蜂

にゃははっ!すごい勢いよく開けたね〜!潔!

蜂楽は倒れた状態のままもう1人の俺に声をかける

嫌潔

あ、ごめん

もう1人はやってしまったという顔をしていた

俺と蜂楽は怒ってないということを伝え立ち上がる

そして部屋にいた2人に目線をやる

愛潔

やっぱお前だったか

愛蜂

まあ、声で何となくわかってたけどね〜

嫌潔

...

嫌潔

やっほ、凪。

潔...!

...潔...

愛潔

190cm2人となると迫力がすごいな

愛蜂

んね!

嫌潔

.....

嫌潔

扉探してくる

2人いる凪に興味を示さずもう1人は壁に向かって歩いていく

愛潔

(でもそうか)

さっきドア越しに聞いた会話

「潔はそんな事しない」という意見と「潔は最低野郎」という意見に別れて言い合ってた

俺は凪に最低野郎って言われたこともなければ

嫌われるようなことした覚えもない

そして凪に対するもう1人の俺の態度

愛潔

(多分「潔は最低野郎」って意見の方が俺じゃない世一の世界からきた凪だ。)

となれば「國神と馬狼しか信用出来ない」って言葉の意図が何となくわかる気がする

多分喧嘩でもなければ蜂楽だけと仲悪い訳でもない

俺は2人の凪に目線を向ける

多分別世界の俺は

嫌凪

うわ、最低野郎の潔が2人もいるじゃん

嫌凪

最悪...

いじめられているのではないか...?

愛潔

(そう考えれば納得いく)

初めて会った時の怖い目も

凪に対する態度も

俺らに対する冷たい態度も

愛潔

(今の凪の言葉で確信をもてた)

愛潔

(潔世一は何かあっていじめられてるんだ)

そうやって考えてると蜂楽が1歩前に出て

愛蜂

ねぇ、なんで潔が最低野郎なの?

愛蜂

理由教えてよ

と凪に聞いた

嫌凪

なんで?分かるでしょ?言うのめんどくさいんだけど...

愛凪

....

2人の凪はじっとこちらを見てくる

愛潔

(俺らの世界の凪だと思ってる凪はずっと黙り込んでるし...)

嫌凪

ねえ、しかもなんで蜂楽が潔を庇ってるの?

愛蜂

俺は潔の相棒だから、

愛蜂

理由はそれだけでいいっしょ?

ギュッと蜂楽が俺に抱きついてきた

それを見た凪2人は目を丸める

愛凪

.....

片方の凪がムスッとした表情でこっちに向かって歩いてくる

愛蜂

わわっ

歩いてきた凪は蜂楽と俺を引き離して抱きついてきた

愛潔

な、凪?

愛凪

....何?

愛潔

いきなりどーしたんだ?

愛凪

2人の様子みててわかったよ、多分俺と同じとこから来た潔でしょ?

愛潔

え、多分そうかな

愛潔

こんな状況だから確信を持ってそうだって言えないけど

愛凪

うん...そうだね

凪は俺をギュゥゥっと強く抱きしめる

愛潔

凪...何かあったのか?

愛凪

.....ねぇ潔、潔って女の人襲える勇気ある?

愛潔

愛潔

は?

愛潔

ん???

愛凪

なんかあいつがさ、「潔が可愛いマネージャーさんを無理やり襲って泣かせた最低野郎」って言うんだけど

愛凪

そんな事してないよね?

愛潔

ぇっ...?

愛潔

(え、は、?いや、無理やり襲うって、そんなとしてないし!!俺ちゃんと同意もらうし、するなら付き合ってからって決めてるし!!!!!)

愛蜂

してるわけないじゃん〜

愛蜂

だって潔サッカーしか興味ないもん!

愛蜂

な!潔!

愛潔

え、まあしてないけど

愛凪

だよね、わかってたけど....良かった

ほっとしたのか凪が抱きしめる力を弱める

嫌凪

そっちの潔がしてなくてもあっちの潔はしてるかもじゃん

別世界の凪が扉を探している俺を指さす

もう1人の俺は一瞬手を止めるがすぐに扉探しを再開する

愛潔

(確かにあの俺は何も教えてくれないから本当のことはまだわかってない)

愛潔

(けど雰囲気でわかる)

愛潔

(多分してない)

愛潔

(してたなら「信用出来ない」なんて言葉は使わない。)

けど確信が持てず凪の言ってることが本当ならどうしようと言うのがずっとぐるぐる頭を回ってた

愛蜂

うーん、俺はしてないと思うけどなぁ...

愛蜂

少しあの潔と話してわかった、あの潔もちょっと冷たいとこあるけど優しいし、

愛蜂

それに俺の笑顔みてびっくりしてたけど嬉しそうだった
別世界の俺らの話してて悲しそうだった

愛蜂

そんなの女の子を無理やり襲ったやつはしない顔っしょっ?

愛蜂

あと俺が潔を信じたいって言うのがあるんだよね〜

愛潔

(蜂楽...!)

愛凪

俺もしてないと思う、お前の話し聞いててわかったんだけど別世界の俺ら潔の話し一個も聞こうとしてないし

愛潔

(凪...!)

嫌凪

じゃあ泣いてるマネージャーが嘘ついてるって言いたいの?

愛蜂

うん

愛蜂

だってそうとしか考えられないでしょ?

愛凪

俺、そのマネージャーが潔のこといじめようとしてるようにしか思えない

愛凪

潔を敵にして自分はヒロイン気取りする的なやつ

嫌凪

...そんなの状況みてないから言えるんだよ

嫌潔

....

そんなやり取りをしてる間にもう1人の俺が戻ってきた

嫌潔

この部屋に扉なかったから

嫌潔

戻ろ

 もう1人の俺は俯いたまま俺らに顔を見せようとしてくれなかった

愛潔

あ、うん

愛潔

(早く戻りたいって意思が伝わってくる...)

俺は頷き凪と蜂楽に「行くぞ」と伝えた

俺の世界の蜂楽と凪は着いてきたけど、別世界の凪は俺らを睨んだまま着いてこなかった

嫌われた世一と愛された世一

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コメント

3

ユーザー

今回の作品も面白かったです! 同じ声はやっぱり凪ですよね! 次は誰が出てくるんだろう?って楽しみにしてます! 続き頑張ってください!

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