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プロローグ
その日も確か 天気が 良い日だった気がする。
あれ ? 雨が降っていたっけ?
いや 曇りだった気がする。
せら
… やっぱり晴だったか。
晴
せら
せら。 少し前まで私の肩あたりの 身長だった彼女は
今では白く深い布団に包まれている。
晴
制服のまま病院に来た私を見て せらが眉を下げた。
せら
ふふふ と笑うのではなく
ははっと笑う彼女。
せら
せらは誰にでも頭を撫でる。
晴
ちなみに私はあははと笑う。
せらの白い手が私の頭からするりと 離れていって
せらは横になる。
せら
晴
体温計 点滴 癖のある薬品の匂い。
独特の雰囲気に既に慣れ始めている
せらが遠く感じて
リモコンを操作する手に力が入る。
せら
来る度に今日は、今日は、と 話してくれるせらが
とても愛おしかった。
せら
晴
せら
また さっきの白い手が私の方へ 伸びてくる。
ふわふわしていてさらさらしていて 心地が良かった。
せら
晴
せら
いたずらっ子の様な 笑みを浮かべるせら。
晴
白く 何も無い空間で私は 彼女と過ごした。
これは
彼女が確かに"今" を過ごした記録であり
"今"の彼女と"今"の私が 過ごした
最後の7日間の物語。