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取り敢えず目の前の道を指差し行き先を伝えた
真一郎は俺が選んだ逆の道を指差して伝えてくれた
ちょっぴり恋しくなった。俺に引っ付いてくる「あいつ」の体温が欲しくなった。嫌がる俺にしがみつく「あいつ」は温かいなと思いながらも邪魔、って押し退けてやりたい。意地悪したい。当たり前だったものが突然無くなると気持ち悪いくらいに穴が空いたんだと自覚する。 揺れる耳飾りもまるで 寂しい と嘆くようにカランと音を立てた。
ぼそり、呟いた。 手紙の内容は真っ黒な過去を塗り替えるような明るいものだったなと振り返る。マイキーが自分をどう思っているのかハッキリと分かる文章が僅かに俺の心を揺らしたような気がする。
背後から途轍も無いスピードで迫ってくる足音が聞こえ、反射的に振り返ろうとしたがそれより先に重い何かが背中にずっしりと乗っかってくる。 重さと匂いからして恐らく彼だと分かった故に踏ん張っておんぶしてやった。
気付けばペンを片手に。 その辺にあったメモ帳をちぎってバインダーに挟み、スラスラと「手紙」を綴り始めていた。
『生意気な弟へ お前に言う事なんて無い、まぁ手紙の返事くらい返してやる。八割嘘だけど、いつもありがと。 面倒くらいは見てやってもいい。ニィはお前の傍に居るよ。それもまたお前にとっての「特別」だ。 黒川イザナより』
扉の下の隙間から薄っぺらい紙が入ってくるのが見えた。俺は焦らずゆっくり体を起こし、立ち上がってそれに歩み寄り手に取る。
俺はドタドタと足音を立てて部屋を飛び出した。
!はっぴーえんど!