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湊の病室を出たあと___

病院 屋上

今なら誰もいないね

うぅ…屋上寒い……🥶

そりゃ年の暮れだし

ごめん、手短に話すよ

焦らなくても大丈夫よ

そうでしょ?二人とも

はい!寒いですけど、話聞くくらいへっちゃらです!

私も

そっか

……何から話そっかな

静が話したいところから、がいいわ

うんうん

じゃ、AITOに入る前から

みんなももしかしたら察してるかもしれないけど、

ボクって親いないんだよね

えっ…?!

孤児だった…ってことかしら?

うん

だから彗星さんに拾われるまでは、施設にいたんだ

***

ボクがAITOに入ったのは、中1の3月。

親戚中をたらい回しにされて、それがようやく落ち着いた頃だったかな。

結局行く宛がなくて施設で過ごしてたんだけど……

4年前 施設

指導員

静ちゃん、ちょっといい?

静(13)

ん?

指導員

今ね、静ちゃんに紹介したい人が来ているの

指導員

貴女を引き取りたいんですって

指導員

少し会ってみない?

静(13)

(ボクを?)

静(13)

…判った、いま行く

***

応接間

指導員

あっ、宮代さんお待たせしました

指導員

静ちゃん、おいで

静(13)

〈中に入る〉

宮代

……こんにちは、静さん☺️

静(13)

どうも

静(13)

(美人…少しハスキーボイスだけどいい声)

静(13)

(クセになりそう)

指導員

こちら、宮代さん

指導員

さっきも云ったけれど、貴女を養子として引き取りたいそうよ

静(13)

ふぅん……

静(13)

(親戚…じゃないよね、宮代なんて苗字初めて聞いたし)

宮代

うん?
どうかしたかな?

静(13)

…何でボクを引き取ろうと思ったの?

宮代

それはね……

宮代

……すみません、少し彼女と二人で話がしたいので、中庭に出てもよろしいでしょうか

指導員

はい、敷地内でしたら構いませんよ

指導員

静ちゃん、いいかな?

静(13)

うん

***

中庭

宮代

……

静(13)

(なんか、気まず)

宮代

君は……

宮代

君はさっき、何で自分を引き取ろうとしたのか聞いたね

静(13)

……うん

宮代

それはね、君の力が必要だからだ

静(13)

え?

宮代

君のことを少し調べさせてもらったよ

宮代

運動が得意なようだね、身体能力が高い

宮代

それに君、よく人から忘れられたりしないかい?

静(13)

えっ

静(13)

……えっと、うん

静(13)

親戚からは『影が薄い』とか

静(13)

『いるのかいないのか判らない』って云われた

宮代

やっぱり

静(13)

(そのこととボクを引き取りたいことに何の関係が?)

宮代

私も、さっき指導員さんが君を呼ぶまで、

宮代

君が扉のそばにいることに気づけなかったよ

静(13)

はあ…

宮代

つまりね、私たちは君のその能力を買いたいんだ

静(13)

買う…?

宮代

潜伏に適した君の能力を、君自身を

静(13)

………どういう、こと?

宮代

ふふ🤭
ところで君、

宮代

この国は『平和すぎる』って思ったことない?

静(13)

それは……ある

静(13)

(例えば『宇宙ってどうできたんだろう』って思うのと同じくらい、個人で考えを広げるには不毛なことで、)

静(13)

(生きることには直結しないことだからそこまで気にしないもので、)

静(13)

(だからこそふと考えるといろいろ想像が膨らむ)

静(13)

(歴史の勉強とかちゃんとやってないから詳しくは判らないけど、)

静(13)

(最近は国際関係の争いが激しい)

静(13)

(場所によっては火花が散ってるし、)

静(13)

(そうじゃなくても貿易関係でもトラブってるらしい)

静(13)

(あとは内乱)

静(13)

(でも日本は争い事に巻き込まれることなく、至極平和にやっている…)

静(13)

(戦後の条約?のおかげと云えばそれまでだけど、)

静(13)

(そういうことを差し引いたとしても奇妙なくらい___)

宮代

……こうは考えなかった?

宮代

"何か大きな組織が水面下で平和のために動いている"とか

静(13)

水面下で組織が…?

静(13)

(それってアニメとかドラマでよく見る、スパイ組織的な?)

宮代

私はその組織の人間で、君を勧誘しに来たんだ

そうしてボクは宮代さんから…

コードネーム・彗星さんからAITOの話を聞かされ、

静(13)

……死ぬまで使ってくださいね

差し伸べられた手を取った。

***

それから8ヶ月後。

ボクは『小夜』という工作員と組むことになった。

AITO本部

白日(中2)

(別に一人でもいいんだけどな)

鬼灯

私はちょっと白菊に話があるから

鬼灯

白日は先に向かってて

白日(中2)

はーい

***

会議室D

白日(中2)

(ここの部屋か…ん?)

曲者?

〈挙動不審〉

白日(中2)

(誰?動きが怪しい…)

白日(中2)

(小夜って子は彗星さんと一緒にいるって話だったよね)

白日(中2)

〈アイスピックを持つ〉

白日(中2)

〈少女の背後に立つ〉

白日(中2)

曲者

曲者?

ちょ、っと!

曲者?

〈喉元を隠し、もう片方の腕で肘打ちをする〉

白日(中2)

〈曲者の肘を押さえる〉

曲者?

〈頭を振りかぶり、頭突きをする〉

白日(中2)

〈のけぞり、頭突きを避ける〉

曲者?

〈デスクに上がり、距離を取る〉

白日(中2)

曲者?

っ!

攻撃を回避され、また攻撃し、

また回避され、攻撃、回避……

曲者?

はぁ…っ、はぁ…っ

白日(中2)

ふぅ…

互いに距離をとった。

白日(中2)

(強い…一体何者___)

そうしてボクたちは、互いの顔を見た。

白日(中2)

…えっ?

曲者?

貴女は………宮代さん

白日(中2)

天沢湊…

曲者だと思っていた相手は、知り合いだった。

彗星

……君たち、何してるの?

いつの間にかドアのそばには彗星さんがいて、苦い顔をされた。

無理もない。

***

白日(中2)

じゃあ、君が小夜なの?

小夜(中2)

そうだよ

小夜(中2)

えっと、貴女が白日だったんだね…驚いたよ

鬼灯

もう、顔合わせ前から殺伐としすぎ

鬼灯

何してんの?

コードネーム・鬼灯 AITO構成員。白日の責任者。

彗星

緊張しすぎたのかな?

白日(中2)

ごめんなさい…

白日(中2)

小夜もごめん、急に武器向けて

小夜(中2)

ううん、こっちこそ

小夜(中2)

怪我してない?

白日(中2)

大丈夫

小夜(中2)

そっか
彗星さん、騒いですみませんでした

彗星

まぁまぁ、私が小夜と離れたのが悪かったんだし

彗星

じゃ、早速本題に入ろうか

出会いに一悶着あったけど、全員が揃ってからは早かった。

顔合わせと称した会議では任務の話をされ、

ボクらはその日のうちに仕事に取り掛かった。

***

同日 夜 C県N市

白日(中2)

部隊としての初任務が異国の諜報員の排除とか…

小夜(中2)

難易度高いね、大丈夫?

白日(中2)

うん。小夜は?

小夜(中2)

私も大丈夫。こんな仕事は慣れっこだし

白日(中2)

そっか、じゃあ後方支援よろしくね

小夜(中2)

えっ?

白日(中2)

〈駆け出す〉

小夜(中2)

ちょ、

白日(中2)

〈ナイフを飛ばす〉

敵1

うっ?!

小夜(中2)

白日、前に出過ぎ___

白日(中2)

〈敵を切り付ける〉

小夜(中2)

っ、もう…!
〈銃を構える〉

白日(中2)

(敵は…5…7…11人か)

白日(中2)

(小夜は私が守る)

敵2

くそっ、なんだコイツ…?!

敵3

消えたり出てきたり…でも動きは単調だ!

敵4

食らえ!
〈白日の背後で警棒を振り上げる〉

白日(中2)

パァン💥

敵4

うっああああ?!
〈腕を押さえる〉

小夜(中2)

暴れるともっと痛くなるよ!

白日(中2)

小夜……

白日(中2)

(敵の腕を撃って庇ってくれたんだ…)

小夜(中2)

白日、忘れないで

小夜(中2)

私は庇護対象なんかじゃない

小夜(中2)

仲間なんだから、もっと頼って

白日(中2)

(あ……)

白日(中2)

……そうだったね、ありがとう

小夜(中2)

ふふっ☺️

小夜(中2)

さぁとっとと蹴散らしちゃおう

白日(中2)

うん…!

その日、ボクらは背中を合わせて戦った。

きっかけは単純だったけど、

『仲間』を認識できた瞬間が、確かにあった。

***

敵2

あ……あぁ……

敵3

うぅ……

小夜(中2)

これだけやれば十分かな

白日(中2)

奴らの武器も回収できたし、これでもうこの国で暴れたりしないでしょ

小夜(中2)

だね。さ、帰ろう

小夜(中2)

本部に報告に行かなきゃ

白日(中2)

うん

***

帰り道

ねぇ、"天沢さん"


……なに?宮代さん

やっぱり、そうなんだよね

大会で会った、あの…

うん、覚えててくれたんだね

当たり前だよ、一緒に競ったもん

…天沢さんはさ、どうして"夜"に?

"先生"に誘われて

詳しい話を聞いて、それでこの仕事がしたいと思って入ったの

※先生…AITOの隠語。 意味は『彗星(司令官)』。

そっか…ボクと同じ感じだね

宮代さんも?

うん。っていうか、苗字呼びやめよ

よそよそしいから

えっ、じゃあ……静

うん、なに?湊

これからよろしくね

こちらこそ😌

ボクらは息ぴったりのスタートを切った。

それから水面下に潜む悪い奴らを蹴散らして、

みんなから見えない裏側から、平和な箱庭を維持した。

約一年間、新月の宵事件があるまで、ずっと___

Episode.35 白夜

***

現在 屋上

……って感じかな

お二人はとっても素敵な関係だったんですね

まぁね

これが、白夜時代の話…

でもまだこんなの一部に過ぎないよ?

その翌年の夏なんて海外で__

っくしゅん!

あら

ごめん、体冷えたみたい…

ずっと屋上にいれば当然ですよねぇ

長話になっちゃったね、寒いしもう戻ろう

そうしましょうか

***

湊の病室のある階

湊さん、早く目が覚めるといいですね

うん、本当に……

はぁ、はぁ…っ!

看護師

ちょっと、走らないでください!

っすみません!

あら?あの人……

えっ?知り合い?

そうじゃないんだけど……どこかで…


もしかして、

〈病室まで走る〉

え?!静さん?!

***

湊の病室

〈ドアを開ける〉

湊………

………やっぱり

静、急に走ってどうしたの?

ってあれ、この人…

あ!思い出した…!

鈴も気づいた?

え?何にです?

あの人、湊のお父さんだよ

えぇ?!湊さんの…?!

お父さん…!

To be continued

鬼灯 白夜編成前の白日の責任者。 元諜報員で、一時は白菊と組んでいた。 現在は事務部で働いている。白菊の直轄。 真面目で儚い雰囲気。 身長164cm。25歳。29世代構成員。

🌙空瑠璃

今回もこちらのメーカーさんを使わせていただきました!

🌙空瑠璃

ありがとうございました!

次回 Episode.36 父親

表と裏と裏の裏。

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