コメント
2件
感動過ぎます....ඉ_ඉ 寝る前なのに号泣 ぐっすり寝れます ありがとうございます....!
そして——その日が来た。 外は雪。 白い空気が、窓の隙間から流れ込む。
宵瑠
誰に言うでもなく呟くと、 ドアが開き、梵天の男たちがひとりずつ入ってきた。
蘭が笑って言う
灰谷 蘭
竜胆がコートを脱いでかけてくれる。
灰谷 竜胆
万次郎が窓を開け空を見上げる
佐野 万次郎
春千夜は無言でベッドの横に立ち、 少女の手を握った。冷たい。けど、確かにまだ生きていた。
宵瑠
蘭が冗談っぽく言う。
灰谷 蘭
宵瑠
そして、 ——時計の針が止まる音がした。
白い光が窓から差し込み、 まるで彼女が光になったようだった。
エピローグ 夜に咲く椿
葬儀はなかった。 梵天のやり方で、静かに街の隅に白い椿が植えられた。 蘭は煙草を咥えながら言う。 「なぁ、あいつ絶対どっかで笑ってんぞ」 竜胆が「うるせぇ」と呟く。 万次郎は夜空を見上げた。 「……あいつの光、まだ見えるな」 春千夜は静かに目を閉じた。 ——誰も泣かなかった。 ただ、それぞれの心の中で、 「余命二ヶ月の少女」は今も、生きていた。