You
本当の私、知らないくせに…
小さく呟くと、隣にいた君は小さく首を傾げた
たかし
…?何か言ッたか?
You
…何も言ッてないよ、
そう答えれば、君は安心したように 歯を見せて笑いかけてくる
その笑顔が私には苦しくて堪らなかった
私とタカちゃんは所謂幼なじみで、いつも一緒にいる
まあ、勿論帰る家は違うけどほとんどの時を一緒に過ごしてきたと思う
だけど、東京卍會という不良グループに入ッてからのタカちゃんは知らない
東京卍會の人達の話ばッかりしてきて、正直ウザイ
東京卍會は私の知らない人達だから、どれだけ話されても分からないのに
毎日毎日同じような話をされると流石に腹が立ッてくる
でも、みんなに好かれるためにどうでもいい話もきちんと聞いていた
どんな人にも優しく接しておかないとみんなには好かれないから __
…私ッていつからこんな嫌な奴になッていたンだろ
You
本当の私を…
You
こんな私を愛してくれる人ッて
You
いるのかな…?
………。
[ タカちゃんとのLINE ]
You
ごめんいい子じゃなくて
たかし
急にどうしたんだ?
たかし
オレで良ければ、話聞くぞ?
You
ずるくて騙して壊れて
You
期待に答えられなくて
たかし
絶対そんなことはねぇよ
たかし
オマエはいつも頑張ってるだろ?
たかし
たかし
なあ、助けが必要ならオレが幾らでも話聞いて助けてやるから
You
ごめん 出来損ないで
たかし
出来損ないじゃなくて、オレの自慢の幼なじみだ
You
弱くてダサくて腐って
たかし
全くダサくねぇよ
たかし
オレの幼なじみは最高にカッケェんだ
You
萌ゆる葉 見せられなくて
たかし
そんなの見せなくたッていいんだ
たかし
そのままでいてくれ
You
それでも優しいのは何で?
たかし
たかし
たかし
オマエのことが大切だからに決まってんだろ
たかし
それ以外に優しい理由なんてねぇ
たかし
というか、人に優しくすることに理由なんていらねぇだろ
You
…………。
You
ホント意味分かんない