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その中で―― コンコン。 病室のドアがノックされた。
ナナセさん
そう言いながら顔を覗かせたのは ナナセさんとメグリさんだった。 そして二人はベッドの方を見た瞬間――
ナナセさん
三途川メグリ
ナナセさん
三途川メグリ
二人は慌てて駆け寄る。 星奈ちゃんはびっくりして 目をぱちぱちさせた。
浅薙星奈(あさなぎせな)
メグリさんは今にも泣きそうな顔になる。
三途川メグリ
三途川メグリ
ナナセさんも珍しく目を潤ませていた。
ナナセさん
ナナセさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナナセさん
三途川メグリ
三途川メグリ
二人の勢いに星奈ちゃんは 少しだけ笑顔になる。 そんな様子を見ていたリカさんも 安心したように微笑んだ。
星奈ちゃんは布団の下で、そっと足を動かそうとした。 ――けれど。
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんの顔から 少しずつ笑顔が消えていく。
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんは必死に力を入れる。 だが、自分の思ったようには動かない。 感覚もどこか鈍い。
浅薙星奈(あさなぎせな)
その時だった。 病室に入ってきた医師が様子に気付く。
お医者さん
浅薙星奈(あさなぎせな)
お医者さん
お医者さん
夜。 面会時間も終わりに近づき、病院の廊下は静かになっていた。 病室で少し疲れた星奈ちゃんは、
浅薙星奈(あさなぎせな)
と看護師さんにお願いし、車椅子で病院の中庭へ出ていた。 夜風が優しく頬をなでる。 空には星が見えていた。
すると後ろから聞き慣れた声がした。
アラタさん
アラタさんだった。 隣にはリカさんもいる。
リカさん
リカさんが少し困ったように笑う。
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんも苦笑した。 しばらく三人は夜空を見上げていた。 やがて星奈ちゃんが小さく尋ねる。
浅薙星奈(あさなぎせな)
アラタさん
リカさん
リカさんがベンチに腰掛けながら言った。
リカさん
リカさん
その後ーー。 夜風が静かに吹いている。 車椅子に座る星奈ちゃんは、ぼんやりと空を見上げていた。 アラタさんが隣に立つ。
アラタさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
アラタさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
アラタさん
アラタさん
アラタさん
星奈ちゃんは言葉を失う。 九州災害。 自分にとっては遠い昔の出来事。 だけど周りの大人たちは、 ずっと覚えていた。
浅薙星奈(あさなぎせな)
アラタさん
星奈ちゃんは膝の上の手を見つめた。 小さかった自分。 怖かったはずの自分。 なのに必死だった自分。 するとリカさんがそっと肩に手を置く。
アラタさん
アラタさん
アラタさん
アラタさん
アラタさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
アラタさん
星奈ちゃんはしばらく黙っていた。 やがて震える声で答える。
浅薙星奈(あさなぎせな)
アラタさん
アラタさん
アラタさん
アラタさん
リカさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
アラタさん
リカさん
アラタさん
後天的に異能力者として目覚めるパターンのことです。本来は霊感が強い人にだけ稀に発生する超レアケースで、 ある特定の言葉や条件(契約)を トリガーにして能力が解放される。
リカさんの声が少し震える。
リカさん
リカさん
リカさん
星奈ちゃんは膝の上の手を見つめた。 するとリカさんがしゃがみ込み、 目線を合わせる。
リカさん
優しい声だった。
リカさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
リカさん
その言葉に、星奈ちゃんの目から 一筋の涙がこぼれた。 今まで何度も人を助けてきた。 でも―― 自分が助けられることには、 まだ慣れていなかったのだった。
星奈ちゃんはリカさんの言葉を聞きながら、静かに涙を拭った。 その時――
ナギさんとハルトさん
聞き慣れた声がした。 振り返ると、そこにはハルトさんと ナギさんが立っていた。
するとハルトさんが車椅子の後ろに回る。
ハルトさん
いつもの落ち着いた声だった。 星奈ちゃんは少しだけ笑う。
浅薙星奈(あさなぎせな)
するとハルトさんはアラタさん とリカさんを見る。
ハルトさん
アラタさん
ハルトさん
ナギさん
ナギさん
リカさん
アラタさん
そう言いながら星奈ちゃんを見る。
アラタさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
アラタさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
リカさんも優しく笑う。
リカさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
二人は手を振りながら中庭を後にした。 その背中が見えなくなると、 ハルトさんが車椅子を押し始める。 ガラガラと静かな音が響く。 病院の廊下を進みながら、 誰もすぐには口を開かなかった。 やがてナギさんがぽつりと言う。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
星奈ちゃんは少し考える。 足のこと。 九災の刻印のこと。 これからのこと。 たくさんの不安が頭をよぎる。 そして正直に答えた。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさんは静かに頷いた。 するとハルトさんが前を向いたまま言う。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
ハルトさん
病室の前に到着する。 ハルトさんは車椅子を止めた。 そして少しだけ笑う。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
星奈ちゃんは思わず吹き出した。
浅薙星奈(あさなぎせな)
久しぶりに自然な笑顔だった。 それを見て、ハルトさんとナギさんも 少しだけ安心したのだった。
病室のドアが開く。 ハルトさんが車椅子を ゆっくり押して中へ入った。 ナギさんが先にベッドの周りを確認する。
ナギさん
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさんはベッドの横に 車椅子を止める。
ハルトさん
看護師さんの手も借りながら、 星奈ちゃんはゆっくりベッドへ戻った。 体勢を整えると、さすがに疲れが 出たのか小さく息を吐く。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
ナギさんが椅子に腰掛ける。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんは布団を少し引き上げた。 そんな様子を見てハルトさんは苦笑する。 しばらく静かな時間が流れた。 病室には心電図の 規則正しい音だけが響く。 やがて星奈ちゃんがぽつりと呟いた。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
その言葉に部屋の空気が少し変わる。 星奈ちゃんは不安そうに 布団を握っていた。 ハルトさんはすぐには答えなかった。 代わりにナギさんが口を開く。
ナギさん
正直な答えだった。 星奈ちゃんは少し俯く。 だがナギさんは続けた。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
ナギさん
ハルトさんも頷く。
ナギさん
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
ハルトさんは少し笑った。
ハルトさん
星奈ちゃんの目に涙が浮かぶ。 怖い。 不安だ。 でも――
目の前には支えてくれる人がいる。 するとナギさんがふと真面目な顔になる。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
その瞬間。 三人とも笑ってしまった。 事故のことも。 九災の刻印のことも。 不安はまだ消えない。 それでもその夜の病室には、 少しだけ穏やかな空気が戻っていた。
星奈ちゃんはベッドに横になっていたが、 なかなか眠れずにいた。 するとハルトさんが時計を見て言う。
ハルトさん
ナギさんもちらりと時計を見る。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
その言葉にハルトさんは首を傾げる。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
さらっと言った。
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんが目をぱちぱちさせる。 ナギさんも当然のように頷いた。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
ハルトさんは椅子に深く座り直した。
ハルトさん
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんが抗議する。 するとナギさんが真顔で言った。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
反論できない。 ハルトさんが吹き出した。
ハルトさん
星奈ちゃんは布団を頭まで引き上げる。
浅薙星奈(あさなぎせな)
その様子に二人は 少し安心したようだった。 しばらくすると病室の照明が落とされ、 柔らかな明かりだけになる。 星奈ちゃんは目を閉じた。
けれど不安が消えない。 足のこと。 九災の刻印のこと。 これからのこと。 考え始めると止まらなくなる。 すると。
ハルトさん
ハルトさんの声がした。
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
星奈ちゃんは小さく頷く。
浅薙星奈(あさなぎせな)
病室が静かになる。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
ハルトさんも頷く。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
ナギさんが完璧に再現する。
浅薙星奈(あさなぎせな)
星奈ちゃんはクッションを投げた。 ナギさんは難なく受け止める。
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ナギさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハルトさんは涙が出るほど笑っていた。
ハルトさん
浅薙星奈(あさなぎせな)
病室でのこと。 星奈ちゃんが眠っているベッドの横で、 ハルトさんとナギさんが話していた。
ナギさん
ハルトさん
ハルトさん
ナギさん
ハルトさん
ナギさん
ハルトさん
ハルトさん
ナギさん
ナギさん
ナギさん
ハルトさん
ナギさん
ハルトさん
ナギさん
ハルトさん
ナギさん
ハルトさん
ナギさん
回想シーン
ハカちゃんとユウマくん とミレイさんと星奈ちゃん(分身)は 旅行に来ていた
マキちゃんとコウくんと ナナセさんとメグリさんは家で お留守番をしていた。
ハカちゃん
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ユウマくん
黒神ミレイ
黒神ミレイ
黒神ミレイ
ハカちゃん
ユウマくん
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハカちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
ミレイさんとハカちゃんが中に入った後、
五木田
五木田
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
五木田
ドゴっバキッ
浅薙星奈(あさなぎせな)
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
ガランッ!! 勢いよく扉が開いた。
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
ハカちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハカちゃん
浅薙星奈(あさなぎせな)
浅薙星奈(あさなぎせな)
五木田――通称憑从影。 異能力者を狩る異能力者。
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
シュッ! 鋭い痛みが頬を走る。
ユウマくん
五木田
五木田
五木田
ユウマくん
ユウマくん
五木田
五木田
五木田
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
ユウマくん
五木田
五木田
五木田
その頃、ゴォォォッ!! 東。 西。 南。 北。 そして中央。 五つの位置に黒い霊体が現れていた。
浅薙星奈(あさなぎせな)
黒神ミレイ
浅薙星奈(あさなぎせな)
ハカちゃん
ハカちゃん
ルアちゃん
ルアちゃん
ハカちゃん
黒神ミレイ
ハカちゃん、ミレイさん
コメント
2件
いつも見てくれてありがとうございます!!ほんとに星奈ちゃん目覚めて良かったですよね。ハルトさんやナギさんのような存在は星奈ちゃんにとって必要な存在だと思う。ぜひ次も見ていただけると嬉しいです☺️
第22話、読み終えました……。 星奈ちゃんが目を覚ました安心と、足の感覚がないという現実が重なって、胸がぎゅっとなりました。それでも「諦めるには早い」って言ってくれるハルトさんとナギさんの存在が、すごく温かかったです。あと、過去の九州災害と誓約覚醒の話が深くて、星奈ちゃんの強さと脆さの両方が伝わってきました……! 次もちゃんと読ませていただきますね🌙🤍