その日は大雨だった。
女性
寒い!!
ずぶ濡れの女性が叫んでいる。
そこへ声をかけようとする 少年が一人。
佐上 隻斗
あの――
女性
全く!
女性
近頃のニンゲンって
冷たいんだから
冷たいんだから
佐上 隻斗
無視された……
少年は肩を落として 行ってしまった。
佐上 隻斗
見て見ぬふり
しちゃったけど……
しちゃったけど……
佐上 隻斗
やっぱり心配だな
佐上 隻斗
戻ろう……!
佐上 隻斗
あれ?
佐上 隻斗
誰かいるな
佐上 隻斗
あれは確か
同じクラスの
露里さん?
同じクラスの
露里さん?
露里 麻華
あの、良かったら
この傘どうぞ
この傘どうぞ
女性
いいの?
女性
あなたが
濡れてしまうじゃない
濡れてしまうじゃない
露里 麻華
大丈夫です!
露里 麻華
学校この近くなので!
佐上 隻斗
堂々と嘘ついた!?
佐上 隻斗
少なくとも
30分はかかるのに!
30分はかかるのに!
女性
……
露里 麻華
どうしました?
女性
素晴らしいわ!
露里 麻華
え?
女性
近頃の
若いニンゲンの中にも
善い心の持ち主は
いたのね!
若いニンゲンの中にも
善い心の持ち主は
いたのね!
佐上 隻斗
やっぱり
僕の存在には
気づいて
なかったのか……
僕の存在には
気づいて
なかったのか……
露里 麻華
えっと、
落ち着きましょ?
落ち着きましょ?
女性
決めたわ!
佐上 隻斗
何を?
女性
あなたには――
露里 麻華
ちょっと待って
ください!
ください!
佐上 隻斗
まだ何も
言ってないよ!?
言ってないよ!?
女性
何かしら?
露里 麻華
放課後まで
待ってもらっても
良いですか?
待ってもらっても
良いですか?
女性
理由は?
露里 麻華
これ以上
話し込むと学校に
遅刻するので
話し込むと学校に
遅刻するので
佐上 隻斗
確かに!
女性
それは大事ね
女性
じゃあ待っててあげる
露里 麻華
ありがとう
ございます!
ございます!
露里 麻華
それでは!
佐上 隻斗
あっ、
僕も行かないと
僕も行かないと
佐上 隻斗
っていうか
露里さん、
あの人の話
聞く気なんだ……
露里さん、
あの人の話
聞く気なんだ……
次回に続く!
次回予告
露里 麻華
次回は私が
アンブレラ使いに
変身!?
アンブレラ使いに
変身!?
女性
私の正体も
明らかになるわよ
明らかになるわよ
露里 麻華
お楽しみに!
佐上 隻斗
待って
アンブレラ使いって
何!?
アンブレラ使いって
何!?