スノ学園 - 短編 -

なんて大介と話してた時。

いつものように翔太が教室の入り口で 大声で私を呼ぶ。

尻尾振ってるかのように 私の元へ走ってくる翔太。

正直かわいい以外出てこない。

そう述べれば 隣にいた大介の腕を掴む。

思わずキョドる大介。

にゃはは！

と笑いながら蓮に連れ去られて行った。

思わず心の声が…

分かりやすくシュンとするじゃん。

てか君も犬だぞ！？

…かわいい尊い。

翔太とは幼馴染で

昔から一緒に帰るのが当たり前だった。

私のママが心配性だから

今日も雅をお願いね？ ってよく翔太に言ってた。

自分の気持ちに気付いたのは 中学2年の頃だっけ？

私は初めて彼氏ができた。

翔太に彼氏できたよって言ったら

喜んでくれた。

でもすぐに、あれ？なんか違うって。

一緒にいて 好きという感情が分からなくて。

すぐにお別れした。

しばらくして翔太に彼女ができて

凄く、凄くモヤモヤした。

ショックだった。

そこで、ああ…私は 翔太が好きなんだなって気付いた。

翔太は多分、自分から告白しない。

だからきっと

今までも告白されたから 付き合ってたんだろうな。

だとしたら結構な数だけど。

翔太は馬鹿だから

付き合ってからも私を家に送るのが 当たり前って感覚が抜けなくて

いつも私の教室に来てた。

断ってたけど 実際、何回かは一緒に帰った。

翔太が別れた理由も、 多分それかなぁ。と思う。

それで翔太の彼女(先輩)に意地悪されることもざらにあった。

私はあれから誰とも付き合ってない。

翔太の足が止まる。

全然私の話聞く気ないじゃん。

泣きそうなくらい弱々しく呟く翔太。

翔太のこんな本音を聞くのが初めてで

嬉しい気持ちと 愛おしさが込み上げた。

気付いたら抱き締めていた。

はぁー…

と、大きな溜め息をついて しゃがみ込む翔太。

翌日からも、あの大きな声が

教室中に響き渡りました。