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淡水の人魚姫さま

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淡水の人魚姫さま

3 - 第3話 未知の世界

♥

579

2024年06月30日

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サカナ

どうも皆様、サカナです

サカナ

最終的に日本ちゃんに卵産ませようか迷ってます

サカナ

検索履歴が金魚や人魚の繁殖について、だらけに…

サカナ

皆様的にはどこまでいってほしいですかね?

サカナ

何もなかったら私の嗜好で決まります

わくわくする日本を尻目に、俺は鞄から図鑑を取り出す

ベラから許可を取り、濡らしても問題はないと言われている

ベラも高校生だしな、読む機会はほとんどないだろう

日本

たくさんあるんですね!

日本

見てもいいですか?

ロシア

もちろん

ロシア

だが濡れたままだと読みにくいかもしれないから、俺が読むよ

ページがふやけたりして読めなくなってしまえば、彼女はきっと落ち込むだろう

日本

じゃあ、お隣失礼しますね

ロシア

大丈夫なのか?水に浸かってないと、危ないんじゃ…

日本

尾鰭は浸からせているので、乾きは大丈夫ですよ

日本

もし苦しくなったら戻りますから

ロシア

それならいいが…

彼女の隣まで移り、図鑑を開く

これは花の図鑑である

日本

わっ、綺麗なお花です!

きゃっきゃとはしゃぎながら、写真に指を指す彼女が可愛らしい

ロシア

へぇ…これカスミソウっていうのか

意外と、興味深いな…

日本

あ、桜です!

日本

私も妹もお母様も、家族みんな大好きなお花なんですよ!

ロシア

確かに似合うな

ロシア

桜の花言葉は…

ロシア

「精神美」「優美な女性」「純潔」だってよ

日本

素敵な花言葉ですね!

日本

桜は春を教えてくれて、湖を綺麗に彩ってくれるんです

日本

すぐに散っちゃうけれど、そんなところも好きなんです

桜吹雪の中の日本は、きっと綺麗なのだろう

桜より、オーロラより、きっとこの世の何よりも綺麗だろう

日本

ロシアさんは、どんなお花が好きなんですか?

ロシア

え、俺?

日本

私は好きなお花を教えたんですから、ロシアさんも教えて欲しいです!

ロシア

花…花か…

俺の知っている花の種類など、たかが知れているが…

ロシア

…ひまわりだな

ロシア

太陽に向かって一直線に伸びてるところとか、結構好き

日本

ひまわり…

日本

あ、あの夏に咲くおっきなお花ですね!

ロシア

そうだ

ロシア

えーっと…

ロシア

あった、これがひまわりだな

図鑑には、大きく花が開いたひまわりの姿

夏の日差しに照らされているのか、とても明るい写真だ

日本

はわぁ…✨

日本

私、本物は見たことがないんですよね

ロシア

そうだと思った

ひまわりをあんな風に言うということは、本での知識しかないと言っているようなものだ

日本

いつかロシアさんの好きなお花を、間近で見てみたいです!

鏡を見せたら、もうそのまま見られる気がする

日本の笑顔は、ぱぁっと大きく咲くひまわりとよく似ているから

日本

ねえロシアさん、別の図鑑も見てみたいです!

ロシア

あぁ、いいぞ

ロシア

何がいい?

俺は鞄を引き寄せ、中の図鑑を数冊取り出した

陸の生き物、海の生き物、川の生き物、食べ物など、色々だ

日本

うーんと…えっと…

日本

海、海の生き物がいいです!

ロシア

海か、わかった

俺は花の図鑑を仕舞い、海の生き物図鑑を開いた

日本

わっ、これ美味しそうですね!

ロシア

お、美味しそう?

日本

普段は鯉さんとかザリガニさんですから、こういうお魚って食べたことないんですよね

そうだった、この子は人魚だった

まさかのポイントで感覚の違いを思い知り、また一つ興味が湧いた

そうして図鑑を読んでいると、あたりはだんだんと暗くなってきた

日本

あら、もうこんな時間ですね…

ロシア

日本と話しているとあっという間だ

日本

そろそろ帰らないといけませんね…

ロシア

…もう少し、ダメか

日本の冷たい手を握って、そう言ってみる

これでもし、彼女が留まってくれたら、そんな淡く甘い期待を込めて

日本

…ごめんなさい、ロシアさん

日本

これ以上は家族に心配をかけてしまうので…

ロシア

…そうだよな

ロシア

引き留めてすまない

俺は身長だけは高い男だからないが、彼女は人魚とはいえ女の子なのだ

湖でそんなことがあるのかは知らない

だが、日本が危険な目に遭うのは嫌だ

俺以外に彼女のことを知ってほしくもないし、引き留めるのはやりすぎたな

日本

そ、そんな顔をなさらないでください

日本

私も、ほんとはもっとお話ししていたいですから…

ロシア

慰めなくてもいい、リスクを考えたら当然だった

日本

ほ、ほんとですもん!

日本

ですから、また明日、同じくらいの時間に来てください

日本

私、待ってますから!

にこっと微笑んだ日本は、そのまま手を振って湖へと消えた

俺は小さく手を振り返して、重い鞄を持った

ロシア

…明日は、もっといいものも持ってきてやろう

静まり返った花畑の湖を後に、俺は家族の待つ家への帰路を辿る

ロシア

ただいま

ベラルーシ

おかえり兄さん!

ベラルーシ

もう、遅いわよ!

ロシア

ごめん

ロシア

図鑑、ありがとな

ベラルーシ

兄さんの為ならえんやこら!よ!

ベラルーシ

なんのために使ってたの?

ベラルーシ

そんなにいっぱい持って、重かったでしょ

ロシア

重かったが、別にいいんだ

ロシア

明日も借りていいか?

ベラルーシ

ええ、もちろん!

ベラの許可も降りたことなので、ひとまず図鑑は引き続き持っていけることになった

淡水の人魚姫さま

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コメント

3

ユーザー

日本が卵を産む?!!え…?! 最高じゃないッスか✨ 是非ともお願いしたく!!🙏

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