暴風域は、ハナも知っている。 行ったことはないが。
そういえば、ジフは出会った当初暴風域に行こうとしていた。
行く予定が遅くなっただけで、行くのをやめたわけではないのかもしれない。
ハナ
なんで…?行かなくても大丈夫でしょ…?
急な決心にハナの感情は追いついていない。
ジフ
俺も星の子だ。久しぶりに使命を果たそうと思ってね。それと腕前を試したいんだ
ハナ
私も行きます
ジフ
ごめん、それはやめて欲しいんだ
初めての拒絶に、ハナの心臓がドクンと跳ねる。
それはキラキラしたものではなく、心配や不安からきた心音だ。
優しい言い方に断固とした思いを感じ取った。
ハナ
そんな…
ジフ
いくら闇の花でできた身体でも、石は刺さるし、潰されてしまったらもう…
ハナ
で、でも
ジフ
お願い。俺が帰ってくるまで留守番しておいて欲しいんだ。
ハナ
…わかりました
ジフ
さっきも言ったけど使命を果たすのは命懸けなんだ
ハナ
…はい
震える唇を、ぎゅっと固く閉じる
ハナ
(もしかしたら、ジフは死ぬのかもしれない…でも帰って来るかもしれない…)
ジフ
ハナ
口を抑えられる。
ハナ
!?
その上から、ジフは口付けをした。
ハナは動揺した。キスではない…でも、キスと捉えてもいいかもしれない。
ジフ
ふふ、ごめんね、最初の約束を破って…いや、だいぶ前から破ってるか…
脳裏に蘇る、ジフとの会話。
ジフ
じゃ、君に触れないという条件で召使になって欲しい
ハナ
あの約束は…いいですよ、もう破っても
ジフ
ありがとう






