コメント
2件
西崎洋平の顔色が青くなった。
同僚の研究員、川崎稔と尊敬する科学者、田端真吉の密談を耳にしたからだ。
研究室を後にしてから2人の話し声が扉越しに聞こえた。
川崎稔
川崎稔
田端真吉
田端真吉
田端真吉
川崎稔
田端真吉
田端真吉
川崎稔
田端真吉
田端真吉
川崎稔
田端真吉
田端真吉
田端真吉
川崎稔
川崎稔
田端真吉
田端真吉
川崎稔
田端真吉
田端真吉
田端真吉
川崎稔
川崎稔
川崎稔
田端真吉
田端真吉
田端真吉
田端真吉
田端真吉
川崎稔
川崎稔
川崎稔
川崎稔
川崎稔
田端真吉
田端真吉
田端真吉
田端真吉
田端真吉
川崎稔
川崎稔
田端真吉
田端真吉
西崎の額を汗の玉が流れた。
田端博士が開発した「カプセルX」とやらは恐らく、
さっき博士が出してくれたコーヒーの中に入っていたのだろう。
西崎のショックは大きかった。
死のカプセルがこれからずっと胃に張り付いているという恐怖もあるが、
なにより仕事仲間の川崎と科学者の田端が共謀して自分をはめるなんて…。
西崎は所長に早退を申し出て、川崎たちに気付かれないよう自宅へ向かった。
とにかく、あらゆるサイレンの音を聞かないようにしなくては…。
研究所から自宅までは徒歩で約15分。
不幸なことにここ最近、救急車が走り回っているのをよく見掛ける。
当然ながらサイレンを鳴らしているので、いつもの西崎なら聞き流しているが、
今日は無意識に周囲に注意を向けながら足を進めていた。
田端博士は耳から音を拾わない限り反応は起こらないと言っていた。
が、西崎はイヤホンで音楽を聴きながらサイレンの音を遮ろうと閃いたときも、
額から流れる冷や汗は止まらなかった。
帰宅中の西崎の神経はピリピリしており、
とある歌手が歌う曲のバックでサイレンが引用されていると気付いたときも、
慌てて別の曲に切り替えるほどだった。
ようやく住み込みのアパートの部屋の前に辿り着いたときは胸を撫で下ろした。
西崎洋平
ドアを開けようとしたとき、横から声を掛けられた。
隣人の野村広道がコンビニの買い物袋をぶら下げ、人の好さそうな笑みを浮かべていた。
野村広道
野村広道
西崎洋平
野村広道
野村広道
野村広道
半ば強引に野村に連れられ西崎は彼の部屋にお邪魔した。
野村が意気揚々とテレビを点けると、落ち着いたアナウンスに混じって、
白いユニホームを着た童顔の選手たちが守備に付くところだった。
スポーツに関心のない西崎だが、今画面に広がる球技には昔夢中だった。
野村は既に買ってきたつまみと缶ビールを2人分用意して拍手していた。
西崎はいい気晴らしになるだろうと思い、野村の横でテレビに見入った。
刑事
野村広道
野村は憤懣やる方なかった。
刑事の質問がもろ自分に疑いの目を向けているからだ。
野村広道
刑事
野村広道
刑事
野村広道
野村広道
野村広道
野村広道
野村広道
野村広道
野村のいう通り缶ビールからは毒物反応がなく、刑事は唸った。
帰宅した西崎が元気そうではなかったという野村の証言もあり、
結局、刑事たちは西崎が死亡した原因が、
甲子園のゲームセットを告げるサイレンだと気付くことなく事件は自殺と断定された。
2019.12.01 作