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第1話 - あ

2023年03月27日

#恋愛

結城真矢

悪美

スカ子さ～ん！今日も遊びに行くわね～

スカ子

悪美さん？

スカ子

え？今日もですか？

悪美

その言い方何よ

悪美

嫌なの？

スカ子

そうじゃないですけど、最近毎週末来てますよね？

悪美

それが何よ！A子が遊びたがってるんだからいいじゃない

悪美

それとも何？もうA子とは遊ばないって言うの？

スカ子

そうじゃないですけど、いつもA子ちゃんをうちにおいて

スカ子

悪美さんどこか行ってしまうじゃないですか

悪美

この前はちょうど用事ができちゃったんだから仕方ないじゃない

スカ子

この前だけじゃないですよね？毎週じゃないですか！

悪美

私色々とやることがあるのに、

悪美

A子がスカ子さんの娘ちゃんと遊びたがってるんだから

悪美

仕方ないでしょ

悪美

子供たちの仲を親が引き裂くのはどうかと思うわ～

スカ子

親が引き裂くだなんてそんなつもりじゃないですけど

スカ子

そんな人聞きの悪い言い方しないでください！

悪美

だって本当のことじゃない

悪美

A子は娘ちゃんと遊びたがってるのに可哀想だわ

スカ子

遊びに来るのは全然構わないですよ！

スカ子

その代わり、悪美さんも一緒に面倒見てくださいね！

悪美

大丈夫大丈夫！じゃ行くわ～

～数時間後～

スカ子

ちょっと悪美さん？どこに行ったんですか？

スカ子

ちょっとっていいながら何時間経ってると思ってるんですか？

スカ子

A子ちゃんがお腹すいたってママどこって言ってますけど！

悪美

もう何よ！私今忙しいんだけど！

スカ子

忙しいって…

スカ子

結局今日もさっきA子ちゃん連れてきて

スカ子

すぐに出て行ってしまって、一体どこに行ってるんですか？

悪美

だから銀行に行かなくちゃいけなくなったって言ったじゃない！

スカ子

それ先週も言ってたじゃないですか！

悪美

あぁ先週は郵便局ね～

スカ子

もうどっちでもいいですけど！

スカ子

そんな時間がかかる用事って何なんですか？

悪美

そんなのあなたに関係ないじゃない！

スカ子

いいから早く戻ってきて貰えますか？

悪美

それはちょっと難しいわね～

悪美

まだかかりそうだわ。混んでるのよ～

悪美

A子にはすぐ戻るからって伝えて何か適当に食べさせてちょうだい

スカ子

適当にって…

悪美

別にご飯なんてなんでもいいわよ

スカ子

そういうわけにはいかないでしょう

スカ子

最近、毎週うちでお昼食べてるじゃないですか

スカ子

A子ちゃんが可哀想だと思わないんですか？

悪美

可哀想って何よ

悪美

むしろお友達と遊べて楽しんでるわよ

悪美

お昼くらいいいじゃない。スカ子さんってケチよね

スカ子

ケチとかそういう問題じゃないですよね

悪美

そういう問題でしょ

悪美

どうせあんたは週末はすることなくて暇でしょ？

悪美

私はあなたと違って忙しいのよ！

悪美

もうそんなことで連絡してこないでちょうだい

スカ子

そんな。私だって色々やることはあるんですけど

スカ子

それにA子ちゃん寂しい思いをしているのに…

～数時間後～

悪美

スカ子さん！

悪美

そろそろ帰るのでA子に帰り支度させといてくださいね～

スカ子

そろそろ帰るって今何時だと思ってるんですか！

悪美

そんなのどうでもいいからよろしくね～

スカ子

もう！A子ちゃんはいい子なのに

スカ子

今日限りにしてくださいね！

悪美

はいはい。もう着くわよ～

～翌週～

悪美

ちょっと！なんで電話に出ないのよ！

悪美

スカ子さん！さっきから電話しているんだけど！

悪美

もう。どうせ居留守でも使っているんでしょう

悪美

いい加減にしなさいよ！

悪美

こっちも既読にもならないじゃない！

悪美

私もう行かなくちゃなのに

悪美

まぁもういいわ。出ないスカ子さんのせいだから

悪美

あなたの家の玄関にA子置いてきたから

悪美

あとよろしく頼むわね~

～数分後～

スカ子

え？ちょっと！悪美さん？

スカ子

A子ちゃんを家の玄関に置いたってどういうこと？

～その日の夕方～

スカ子

悪美さんどこに行っちゃったんですか？

スカ子

もうA子ちゃん帰りたがってますけど！

スカ子

早くお迎えに来てあげてください！

～その日の夜～

悪美

ちょっと遅くなっちゃたわ

悪美

今からA子を迎えに行くわね。

スカ子

あら。悪美さん、やっと連絡来た

スカ子

ちょっと遅くなったって。今何時だと思ってるんですか！

スカ子

A子ちゃんなうちにはいないですよ？

悪美

何時って、あぁもう23時ね～遅くなっちゃったw

悪美

ってA子がいないってどういうこと？

スカ子

そのままの意味ですよ。A子ちゃんはもううちにはいないです

悪美

は？あなたの家の玄関にA子を置いてきたんだから

悪美

いないわけないじゃない

スカ子

A子ちゃんとは夕方に解散しましたから。

悪美

はぁ？夕方に解散したですって？

悪美

あの子、まだ4歳よ？

悪美

一人で家に帰すってあなた一体どういう神経しているのよ！

悪美

あんたって鬼ね！

スカ子

はい？一人で帰してなんていないですよ

悪美

一人で帰してない？

悪美

じゃどういうことよ！

スカ子

悪美さんの元旦那さんに迎えに来てもらいました。

悪美

は？元旦那？

悪美

どうして元旦那が出てくるのよ！

スカ子

あなたに連絡しても繋がらなかったから

スカ子

困って元旦那さんに連絡させてもらったんです

悪美

あなたがどうして彼の連絡先を知ってるのよ！

スカ子

どうしてって

悪美

さてはあなた元旦那と浮気してるのね！

スカ子

どうしてそうなるんですか…

スカ子

そんなわけないじゃないですか。

悪美

だってあんたが彼の連絡先なんて知ってるはずないじゃない

悪美

この泥棒猫が！

スカ子

違いますよ！

悪美

何が違うって言うのよ！

悪美

それ以外考えられないじゃない！

スカ子

もうあなたの頭の中はどうなってるんですか

悪美

はぁ？あんた私のこと、馬鹿にしてるの？

悪美

許せない！あんたみたいなブスに馬鹿にされたくないわよ！

スカ子

ブスって、容姿関係ないですよね

スカ子

それに元旦那さんの連絡先は

スカ子

前に幼稚園の送り迎えの時にあなたが来なくて

スカ子

元旦那さんが来てくれたときに

スカ子

何かあったら連絡するようにって言って名刺をくれていたんです！

悪美

そんなの信じるわけないでしょ！

悪美

この浮気者！慰謝料払いなさいよ！

悪美

元旦那もあんたみたいなやつのどこがいいのかしら

スカ子

だから違うって言ってるじゃないですか

悪美

それにあんた！A子を勝手に元旦那に渡すなんて

悪美

それ誘拐よ！この浮気誘拐犯！

スカ子

はぁ？何言ってるんですか

悪美

元旦那も娘も私から奪う気なのね！

悪美

私に嫉妬するなんて100年早いのよ！

スカ子

もうあなたのそのわけの分からない妄想に

スカ子

付き合ってる暇はありません。

悪美

ちょっと待ちなさいよ！

悪美

それでA子は今どこにいるのよ！

スカ子

そんなの私は知りませんよ。

スカ子

元旦那さんに聞いてください。

悪美

このやろう！絶対に許さないから！

～数分後～

悪美

ちょっと！A子をどこにやったのよ！

元旦那

あぁ、悪美か。やっと連絡来た。

悪美

やっと連絡来た。じゃないわよ！

悪美

A子を返しなさいよ！

元旦那

よくもまぁそんなことが言えるな

悪美

何よ！何が言いたいのよ！

元旦那

お前、いつもA子をスカ子さんのところに放置してるらしいな

悪美

放置って、スカ子の家に遊びに行ってるだけよ！

元旦那

そんな言い訳が通用すると思ってるのか？

元旦那

今日、スカ子さんの家の玄関にA子を放置したって

元旦那

知ってるんだからな。

悪美

そんなのスカ子のでっち上げよ！

元旦那

それだけじゃない。

元旦那

俺のことをATMだって言ってるらしいじゃないか

悪美

え？は？何言ってるの？そんなわけないじゃない

元旦那

幼稚園の先生たちもお前が育児放棄してるんじゃないかって

元旦那

心配して児童相談所にも報告されてたんだぞ

悪美

なによそれ！失礼しちゃうわ！

悪美

あなた私よりもそんな他人の言うことを信じるのね！

元旦那

悪美、もういい加減にしないか

元旦那

往生際が悪いぞ

悪美

何よ！

元旦那

A子だってもうそれくらいはわかる歳なんだ

悪美

は？

元旦那

A子が悪美にいつもご飯も食べさせて貰えないって言ってるぞ

悪美

へ？

元旦那

それに夜もいつもいないってな。

悪美

あ、いや、その、それは

元旦那

それは何だよ。言ってみろよ

悪美

いや、だから

元旦那

言えないんだろ。

元旦那

A子は俺と暮らしたいって言ってる。

悪美

え、ちょっと待ってよ

悪美

それは困るわよ

元旦那

困ってんのはA子だよ！

元旦那

親権は俺が貰うから。

元旦那

これから養育費を払えよ。

悪美

へ？

元旦那

当然だろ。俺がA子を育てるんだから

悪美

無理よ。ちょっと待ってよ。

悪美

養育費なんて私払えないわよ

～数日後～

悪美

ねぇお願いよ。A子を返してちょうだい

元旦那

は？今更何を言ってるんだよ。

元旦那

お前なんかにA子を渡すわけがないだろう

悪美

お願いよ。

悪美

私ひとりぼっちなのよ

元旦那

そんなの俺には関係ないだろう

元旦那

実家にでも帰ればいいじゃないか

悪美

もう絶縁されてて帰れないのよ~

悪美

友達もいないし、誰も私のこと助けてくれないのよ

元旦那

それは自業自得じゃないか

悪美

もう私にはA子しかいないのよ

元旦那

いい加減にしろよ！

元旦那

A子は、お前におびえてるんだよ！

悪美

そんなはずないわよ。私たち実の親子なんだから！

元旦那

実の親子って…A子の気持ちにもなってみろ！

元旦那

毎日一人で放置されて、どんなに辛かったか！

元旦那

もう二度とA子に接触するんじゃないぞ！

元旦那

わかったな！

悪美

そんなぁ

～数日後～

悪美

ちょっとスカ子！

悪美

あんた責任取りなさいよね！

スカ子

悪美さん？一体何なんですか？

悪美

全部あんたのせいよ！

悪美

あんたがあの日、元旦那に連絡したせいで

悪美

あいつから養育費が貰えなくなっちゃったじゃない！

スカ子

あぁそうですか。

悪美

そうですかじゃないわよ！

悪美

あんたの責任よ！養育費分のお金、あんたが払いなさいよ！

スカ子

いや、そんな難癖付けられても…

悪美

難癖じゃないわよ！だってあなたのせいじゃない！

悪美

養育費払わないとどうなるか分かってるわよね！

スカ子

え？どうなるかってどういうことですか？

悪美

あんたって本当に馬鹿なのね

悪美

お金を払わないんだったら

悪美

あんたの旦那にも幼稚園にも

悪美

あることないこと全部いいふらすから！

スカ子

いや、悪美さん

スカ子

それって恐喝ですよ？

スカ子

え？ちょっと今家の前にいるんですか？

悪美

だから出てこいって言ってるじゃない！

スカ子

ちょっと近所迷惑なんで家の前で叫ばないでください。

悪美

それが嫌なら出てこいよ！

悪美

金払え！この泥棒猫が！

スカ子

いい加減にしてください。

スカ子

今、警察呼びましたから。

悪美

へ？

悪美

警察って何よ

スカ子

これはもう立派な犯罪です。

スカ子

警察に行って確りと反省してください。

悪美

ちょっと！待ってよ！

スカ子

このLINEのやり取りも警察に提出しますから。

スカ子

これで十分恐喝の証拠になりますから。

悪美

いやいや冗談じゃない！

悪美

真に受けないでよ

悪美

ねぇちょっと玄関開けてよ！

スカ子

警察が来るまで開けません。

スカ子

それに、あなたとのLINEには

スカ子

A子ちゃんを今まで放置していたってい証拠も

スカ子

ちゃんと残ってますから。

悪美

え、いやちょっと待って

悪美

悪かったわよ。

悪美

謝るから、警察には言わないで！

悪美

お願いよ！

悪美

あ、ちょっと警察来ちゃったじゃない！

悪美

お願い！開けてよ！

悪美

私を助けてよ！

スカ子

今更そんなこと言っても遅いですよ。

スカ子

反省してきてくださいね。

～後日談～

スカ子

警察に連行された悪美は初犯ということもありすぐに釈放されたらしい

スカ子

だが、住むところも頼れる人もおらず膨大な借金を抱えているらしい

スカ子

元々は美人だった悪美だが、容姿も衰え前科までついてしまい

スカ子

今は借金返済のため、人妻用のいかがわしいお店で働いているが

スカ子

お客さんも全くつかず、稼げなくて貧しい生活を送っているらしい

スカ子

私はようやく週末の急な来訪に怯えることもなく

スカ子

旦那と娘と穏やかに暮らすことができている。

スカ子

悪美を反面教師として相手の気持ちを考える事ができるように

スカ子

なったのでこれからも家族や周りの人を大切に生きていこうと思う

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結城真矢

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