接客が苦手だ
必ず人と話す事になるし、時には枕仕事もある
俺の場合は半ば強制的に枕行き
まあ体の仕事をするだけあって、流石に給料は高い
客の満足分、金が入る
それも上位の遊男になればなるほど
俺らは上位じゃないがそこそこ、らしい
確かに2人は人気そうだ
きんときは元々整った顔立ちをしているし優しく聞き上手
Nakamuは可愛い顔立ちとあざとさが人気、よく枕仕事してるけど…
俺はといえば特にない
特別な何かを持っているわけでも容姿も普通
ただ2人にため、2人のためにこの仕事をしてるだけ
兄弟のように一緒に生きてきたから
2人がここで働くなら俺もここで働く
そう言って働き出した遊郭の仕事
話し上手でも聞き上手なわけでもない
できても酒を付き合うぐらいしか俺に出来ることはない
でも2人がいるから、2人だけを残しておくことはできないから
仕方なく、である
ふっと息をつき、相手にバレないようチラッと客を見る
金髪にメガネの奥に光る髪と同じ黄色い瞳
手に持つ酒瓶をこちらに向けて
きりやん
今回の客であるきりやん、さんにそう言われた
2回目の、酒付き合って
頷いたつもりだったが俺が返事をしなかったからかそう繰り返した
酒に付き合うぐらいしかできないのだ、もう一度頷き
俺は酒瓶を受け取りじっと相手を見る
俺がよそ見していたうちにもう飲んだのだろうか
頬は紅潮し耳も少し赤くなっているのがわかる
でも俺はさっき、同じようになっていた
前髪を触られた時、目を見られた時
初めてだった
俺の目を見て綺麗、と言った人は。
あ…この人は人の目を見て話す人だ
そう思った
今まで出会った客は大体瞳を揺らし逸らす
でもきりやんさんはまっすぐ目を見る
人の目を見ると何かを見透かされているようで嫌になる
だから今までは目を逸らされるのが楽だった
でも何故だろう
きりやんさんが俺の目を見た時、俺は
嫌じゃなかった
きりやんさんが俺の目を見て言ったように
俺もきりやんさんの瞳を見て綺麗、だと思った
希望に満ちた黄色い、琥珀色の宝石の瞳を持った
太陽のような人
いや太陽かも知れない
口にしてないとでも思っているのだろうか
先ほどから小さい声だが色々言っていて
素直な人、そして中身はすごく明るく元気な人
太陽のようだった
スマイル
酒をきりやんさんの猪口に注ぐと
グビッと効果音がしてもいいぐらいに飲み出す
飲むたびに少し赤くなって目元が優しくなっていく
そんな姿を少しだけ可愛いと思った
俺は話すのが苦手だから話を聞いて返す
表情にあまり出ないって客にも同僚にも言われる
けど今回は出てしまったらしい
自分でも自覚するぐらいにニコッと微笑んでしまった
きりやんさんに抱き付かれるまで
残り10秒
next_♡700
下手くそなってますね…すいません
次回キス表現あり…
コメント
7件
対戦ありがとうございました(?)
今回もめちゃめちゃ可愛かったです!! 続きが楽しみで眠れないです!笑
腐腐腐腐腐腐腐最高です……!楽しみにしてます!!