私の泥を落として

一瞬、全身が痺れた。

やはり他の女にもやってる手口だったのだと怒りが湧いてくる。

私は絶対あなたを追わないことにした

もう騙されて時間を無駄にしたくない

そしてこの日以降、私達は仕事関連の話以外は一切しなくなった。

僕は幼い頃

母親の愛を受けずに育った。

そのせいか大人になった今でも愛に飢え、理由もなくたくさんの女性に囲まれて構われる事でしか愛を感じる事がなくなってしまった。

だから最初はただ僕に構う女が1人減っただけだと思った。そんなの慣れっこだった。

けど先輩と話さない日々が続くたび、他の男と絡むたび、笑うたび、照れるたび、どんどんその顔や感情を独り占めしたくなっていった。

もう先輩以外の女などどうでもよくなっていた。僕の視線は完全に菊池先輩に奪われていた。

でもあの時の傷ついた先輩の顔が忘れられなくて

それであの日以降、俺たちは仕事関連の話以外は一切しなくなった。

知りたい

今日、確かめよう。 すべての決着をつけよう。