テラーノベル
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#人狼
#思わず笑ってしまうお話
16
春の朝、スクラッチャーズのシェアハウスには、まだ眠りの名残が漂っていた。
窓から差し込む日差しは明るいのに、リビングにいる者たちの空気は少し重い。今日はCREATIVE BASEの企画で使う会場の準備がある。集合時刻は午前八時。しかし、現在の時刻はまだ午前六時四十五分だった。
カキ
オレンジ色のヘルメットをかぶったカキが、リビングの中央で大声を張り上げる。手にはフライパンがあり、木べらで軽快に叩いていた。
カキ
マサカゲ
紫色のパーカーを着たマサカゲは、ソファに座ったまま腕時計を確認した。
カキ
マサカゲ
カキ
マサカゲ
カキ
カキがフライパンをマイク代わりに構える。
カキ
二階から、布団を蹴飛ばすような音が響いた。
メバル
階段の上にメバルが現れた。髪は乱れ、目は細く、足取りはふらふらしている。明らかに寝起きだった。
カキ
メバル
カキ
メバル
カキ
メバル
カキ
メバル
カキ
メバル
カキが笑顔のまま固まった。
マサカゲ
カキ
メバル
カキ
メバルが階段を下りてくる。カキは一歩後ずさったが、手に持ったフライパンをまだ離していなかった。
カキ
メバル
カキ
メバル
メバルがカキの腕をつかんだ。
カキ
メバル
カキ
メバル
カキ
メバル
カキ
メバルはカキの腕を引き、勢いよく体をひねった。
カキ
カキの体が宙に浮き、ソファの上へ投げ飛ばされた。オレンジ色のヘルメットが一瞬だけ天井を向き、カキはクッションの山に落下する。
アオノ
カキ
アオノ
マサカゲ
カキ
メバル
カキ
メバル
カキ
メバルは答えず、ソファから立ち上がろうとしているカキを見下ろしていた。
カキ
メバル
カキ
そのとき、階段の上からミステーが姿を見せた。頭には、いつものピラミッドの被り物がある。
ミステー
アオノ
ミステー
カキ
ミステー
マサカゲ
ミステーはゆっくりと階段を下り、リビングの隅に立った。カキが投げ飛ばされたことにも特に驚かず、ピラミッドの被り物をかぶったまま、静かにその場を眺めている。
ミステー
カキ
ミステー
カキ
メバルはまだ怒りが収まっていなかった。カキを投げた勢いのまま、今度はミステーのほうへ歩いていく。
マサカゲ
メバル
ミステー
メバル
ミステーが何か言う前に、メバルはピラミッドの被り物の側面をつかんだ。
ミステー
カキ
メバルはミステーの被り物を、勢いよく奪い取った。ミステーは抵抗せず、頭を少し傾ける。
ミステー
アオノ
ミステー
メバルは奪い取ったピラミッドを手にしたまま、まだ止まらなかった。
メバル
ミステー
メバル
メバルがピラミッドを持ち直す。その勢いで、被り物の角がK-Tのほうへ向いた。
玄関近くで全員の荷物を確認していたK-Tが、異変に気づく。
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
メバルが腕を下ろそうとした瞬間、カキがソファの上から声を上げた。
カキ
メバル
メバルがカキのほうを振り返った。その動きに引っ張られ、手にしたピラミッドが大きく横へ振られる。
被り物の先端が、K-Tの顔へ向かって飛んだ。
カキ
K-Tは一歩下がった。腰の特別仕様のガラケーを抜き、伸ばしたアンテナを横向きに構える。
硬い素材で作られたアンテナが、飛んできたピラミッドを正面から受け止めた。
ごんっ、と重い音が響く。
ピラミッドはアンテナに弾かれ、床を転がってミステーの足元で止まった。
アオノ
マサカゲ
カキ
ミステー
K-Tは伸ばしたアンテナを戻し、ガラケーを腰へしまった。
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
カキ
K-T
カキ
カキが珍しく素直に口を閉じた。
K-Tはメバルの前に歩み寄った。普段から責任感が強く、周囲の状況を冷静に見ているK-Tだが、仲間に危険が及ぶ可能性があるときだけは、抑えていた感情が表に出る。
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
マサカゲ
ミステー
カキ
ミステー
メバルはミステーの被り物を拾い上げ、K-Tのほうへ差し出した。
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
K-Tの声が低くなる。
マサカゲが立ち上がり、アオノが手にしていた工具を静かに机へ置いた。
マサカゲ
K-T
アオノ
カキ
ミステー
カキ
K-T
メバル
K-T
メバル
メバルがピラミッドを床へ置こうとした、その瞬間だった。
K-Tがメバルの腕をつかんだ。
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
カキ
マサカゲ
K-T
K-Tはメバルの動きを制止しようと、体勢を変えた。
そのまま投げ飛ばすつもりはなかった。しかし、本気になったK-Tの動きは素早く、メバルの足がわずかに浮きかける。
メバル
K-T
メバル
ぱんっ、と乾いた音が響いた。
メバルのビンタが、K-Tの頬に入った。
リビングが静まり返る。
カキはソファの上で口を開けたまま固まり、ミステーは目を見開いた。アオノは手にしていたスプーンを落とし、マサカゲだけが、状況を見ながらゆっくり息を吐いている。
カキ
マサカゲ
ミステー
アオノ
K-Tは、メバルの腕をすぐに離した。
頬に赤い跡が残っている。それでもK-Tは怒鳴らず、ただ黙ってメバルを見つめた。
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバルは少しだけ視線を逸らし、手にしていたピラミッドをミステーへ返した。
メバル
ミステー
カキ
ミステー
ミステーはピラミッドを受け取り、いつものように頭へかぶった。角度を調整することもなく、少し斜めのまま立っている。
アオノ
ミステー
アオノ
ミステー
アオノ
カキ
マサカゲ
カキ
メバル
カキ
マサカゲ
カキ
K-T
カキ
K-Tは頬をさすりながら、キッチンへ向かった。
K-T
メバル
K-T
カキ
マサカゲ
カキ
ミステー
アオノ
ミステー
メバル
朝食の準備が始まる。カキは先ほど投げ飛ばされたことなど忘れたようにパンを並べ、アオノは電気ケトルの配線を確認し、マサカゲは今日の予定表を読み上げる。
マサカゲ
カキ
マサカゲ
カキ
ミステー
カキ
ミステー
カキ
ミステー
カキ
アオノ
ミステーのピラミッドが、朝日に照らされて輝く。
カキはフライパンをマイクのように持ち、ミステーはその隣で微動だにせず立った。
カキ
マサカゲ
カキ
メバル
カキ
メバル
カキ
ミステー
カキ
ミステー
カキ
メバル
カキ
マサカゲ
カキは笑いながらパンを一枚持ち上げた。
カキ
メバル
K-T
カキ
カキの言葉に、全員が一瞬黙った。
マサカゲは呆れた顔をしている。アオノは小さく笑い、ミステーは相変わらず表情の見えないピラミッドのままだ。メバルは怒っているように見えたが、口元はわずかに緩んでいた。
K-Tは頬の痛みを感じながら、それでも静かに笑った。
K-T
カキ
メバル
マサカゲ
ミステー
アオノ
K-T
カキ
マサカゲ
六人は朝食を終え、会場へ向かう準備を始めた。
K-Tはガラケーの充電を確認し、アンテナを一度だけ伸ばして状態を確かめる。アオノは工具箱を持ち、マサカゲは予定表をしまう。カキはオレンジ色のヘルメットをかぶり直し、ミステーはピラミッドの被り物を丁寧に整えた。
メバルは玄関で靴ひもを結びながら、K-Tの頬をちらりと見る。
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
メバル
K-T
カキ
メバル
カキ
メバル
カキ
マサカゲ
ミステー
カキ
メバル
玄関の扉が開く。
春の風が吹き込み、六人の髪や服を揺らした。朝の騒動で眠気はすっかり消えている。
K-T
カキ
マサカゲ
メバル
カキ
ミステー
アオノ
マサカゲ
六人は並んで歩き出した。
誰かが騒ぎ、誰かが止め、誰かが笑い、誰かが冷静に状況を見ている。毎朝のように起こる小さな衝突も、言い合いも、最後にはいつの間にか同じ方向へ進む力になっていた。
春の空は青く、CREATIVE BASEの企画が待つ会場には、まだ誰もいない。
けれど、スクラッチャーズの一日は、もう十分すぎるほどにぎやかに始まっていた。
コメント
3件
第1話、めっちゃ好きです…!朝の賑やかさと、キャラたちの個性が一瞬で伝わってきて、もうこのシェアハウスに住みたくなりました(笑)カキの元気さにメバルがキレる流れ、毎朝同じ光景っていうマサカゲのツッコミがツボでした。最後にK-Tとメバルがちゃんと謝り合うところも、関係性の丁寧さが出てて良かったです。続き、気になります!