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その日はいつものように、行きつけのカフェで紅茶を飲んでいました。
イギリス
私はそこそこ名のしれたミステリー作家で、小説のアイデアを考えるときはいつもこのカフェを訪れていました。
家にこもるとどうも視野が狭くなってアイデアが思いつかないため、いつもこのお気に入りのカフェで好きな紅茶を飲みながらプロットを考えていました。
そんなときです。彼女が声をかけてきたのは。
フランス
どこか懐かしさのある、温かく柔らかい声でした。「ええ、どうぞ」と言うために、メモから彼女の方へ目をやりました。
藍色のつばの広い帽子に、同じく藍色のコート、そのしたに白いブラウスに暗いスカート、上品な容姿、しかしなにより優しくも凛とした彼女の表情を見て、確信しました。
イギリス
フランス
イギリス
私は取り乱した感情を抑えて、彼女に返事をしました。
フランス
メモのほうに顔を向け、作業を再開しつつ、彼女の方へ少し目をやりました。
肩を少し上げたまま下ろさず、呼吸が少し早いように思えました。私は彼女が今回が初の入店で緊張しているのだろう、そう推測しました。
これは、もう一度話す機会なのではないか。知識でいっぱいの散らかったおもちゃ箱のような頭で使える話題を探し、やっとの思いで思いついたことをとっさに彼女に言いました。
イギリス
フランス
イギリス
フランス
私が店員を呼んで紅茶を2杯注文し、淹れたての熱い紅茶が目の前に置かれると、彼女が私にこういいました。
フランス
イギリス
フランス
イギリス
フランス
イギリス
フランス
イギリス
うっとりとした彼女の表情を見て、私はあるかつての彼女との思い出を思い出しました。
フランス(過去)
イギリス(過去)
フランス(過去)
イギリス(過去)
フランス(過去)
イギリス(過去)
フランス(過去)
イギリス(過去)
フランス(過去)
フランス
それで会話は終わり、紅茶をほとんど飲まずに彼女は会計を済ませてその場を去ってしまいました。
覚えてますか?そう聞きたかった。でも今の彼女にとって赤の他人である私が、そんなことを聞けるわけもありませんでした。
今の彼女が私のファンだと言ったとき、嬉しい気持ちはありました。
ですが、それと同時に、彼女が知っていて、かつ好きなのは"人気作家のイギリス(私)"であって"彼女の友人であるイギリス(私)"ではないという、
同じ私なのに別の私を見られている気が晴れない気持ちになりました。
そして確信しました。彼女は前世の記憶がないと。したがって、私のことも覚えていないでしょう。
あのときみたいに、紅茶を出して待っていたら、いずれまた来てくれるかもしれない。
そんなことを思っているときには、私の紅茶は冷めてしまっていました。
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