この作品はいかがでしたか?
902
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気付いたら自分の家におった。 どうやって来たかも、何を思って ここに来たのかも。
俺には分からなかった。
目の前には散乱した物。
写真立てのガラスが割れてた。 中に入った写真には幸せそうな俺と みっちーがおった。
みっちーが死ぬわけない...よな。
謙杜
謙杜
俺以外誰もいないくせに、 1人で話しかける。
何も返ってこない現実には 逆らえなかった。
謙杜
ふいにテーブルに置いてある手紙を 見つけた。
見たくない、でも...。
恐る恐る開けて見ると、 手が動かないのがよく分かる字体。
ガタガタで読むのがやっとな字。 震えた手で必死に。
謙杜へ。 謙杜を1人残してごめん。 傷つけるようなことをしてごめん。 でも、俺と一緒におったらきっと 謙杜は苦しい思いをするだろうから、 謙杜のことを振った。 でもね、本当は会いたくて 仕方なかった(笑) だから来てくれた時嬉しかってん。 俺、満足しとるよ。 人生、辛いこともあったけど 断然、楽しかったことの方が多かったから。 やからあとを追うとかせんといて。 今までありがとう。 愛しとる。 駿佑
謙杜
謙杜
所々、涙で滲んでた。 きっと泣きながら書いたんだろう。
でも、ごめん。
謙杜
俺はベランダに出た。
星がいっぱい出てて、綺麗やった。 凄く。
みっちーと行った最後のデートも こんな感じやった。
謙杜
ピンポーン
謙杜
メンバーや。
確認しなくてもわかる。 きっとあとを追ってきたんや。
俺は急いで、ベランダの柵を跨ぐ。
でも、遅かった。
大吾
そんな声と共に、ものすごい力で 部屋に引き戻された。
謙杜
謙杜
大吾
大吾
謙杜
バチン
鈍い音が響いて、片頬に 痛みを感じた。
謙杜
俯いて涙を流す謙杜を抱き締めた。
あまりにも、辛そうだったから。
大吾
大吾
謙杜
やっと現実を理解した謙杜の 頭を優しく撫でる。
今まで溜め込んどったものが 崩れたように泣き喚く謙杜。
大吾
謙杜
謙杜
謙杜
大吾
前、道枝が言っとった。 謙杜が駿くんって言う時は 甘えたい時なんやって、 嬉しそうに。
でも、今は違う。 甘えたいんやなくて、誰かの 慰めを求めてる、道枝の 温もりを。
謙杜
大吾
そう言っても、謙杜は ごめんごめんと続けるだけだった。
きっと道枝を救えなかった後悔から なのだろう。
謙杜
大吾
謙杜
泣き疲れて眠った謙杜をベットに 寝かせて夜空を見上げる。
大吾
大吾
謙杜、強く生きて。
なにわ男子としてデビューして。
それが最後の願い。
見守っとるから、空から。
コメント
5件
涙が止まらないです、 でもいいおはなしですね。
めっちゃ泣いたんですけどw
待ってくっそ泣いたんですけどどうしよう