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私たちはひたすら走った。

日が沈み、暗くなった道。

灯りも少ない。

それでも、前だけを向いて走り続けた。

久しぶりに握ったリクの手は、 優しくて、力強く、温かい。

リク

この辺まで来れば大丈夫かな。

辿り着いたのは広い草原。

安心感からかその場に座り込む。

ライ

リク……会いたかった……!

リク

私も、ずっと会いたかったよ。

サラサラの髪の毛。

艶のある頬。

美しい瞳。

その全てが愛おしい。

リクに触れるたび、涙が溢れてくる。

ライ

ねえ、リク……。

リク

なに?

ライ

……。

 

ライ

一緒に死んじゃおうよ。

リク

……。

いつか親に見つかってしまう。

そうなったら、リクに会うことは 一生できないだろう。

もう、リクと離れたくない。

この温かい手を、離したくない。

リク

……いいよ。

ライ

本当に……いいの?

リク

ライがいない人生なんて耐えられない。

リク

一緒に眠ろう?

ライ

怖くない?

リク

怖くないよ。

リク

死ぬのも寝るのも、きっと一緒。

リク

目を閉じる長さが違うだけ。

リク

死んだ後ってどんな夢を見るんだろう。

リク

楽しい夢だといいな。

ライ

……。

リク

ねえ、先に見てきてもいい?

リク

夢の中で待ってるから。

リク

誰にも邪魔されない、2人だけの夢で。

ライ

うん、いいよ。

細い首にそっと触れる。

リク

じゃあ、

リク

“夢の奥底で逢いましょう”

堺 りく 1910年11月6日18時42分 死去

ライ

……。

ライ

おやすみ。

大島 來 1910年11月6日18時44分 死去

夢の奥底で逢いましょう

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