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うん 平和だね うっしー 思い出せてよかったね レトさん大事にしてね もし泣かせたりなんかしたら……ね?
実習期間、最終日
朝、朝礼をしに担任と教室に入る。
真っ先にレトルトの席を見る。
いない…
先生達
あぁ…よかった…
やっと、会える。
会えることが何よりも嬉しくて、 頬が綻びそうになるのを必死で抑えた。
先生達
担任の声にみんなが一斉に俺の方を向く。
🐮
パチパチパチ
みんなが俺に拍手をくれた。
レトルト…早く来てくれ…
俺はただそれを願うばかりだった。
昼休憩
俺はまたコンビニで買ったものを持って、
学校の屋上に来ていた。
レトルトは、
まだ来ていない。
あいつ…いつになったらくんだよ…
買ってきたおにぎりを食べながら、空を見上げる。
🦀「いつもコンビニだと体壊すよ〜?」
いつもお昼に俺を見つけては真っ先に来て、 俺の昼飯に文句をつけるレトルトを思い出す。
…自炊、するか。
めんどくさいけど…
自炊したらあいつびっくりすっかな。
些細なことまで頭はレトルトでいっぱいだった。
しょうがない、ずっと会えなかったから。
好きだと気づいて、
会いたい気持ちが募って、
あいつを見つけてやりたくて 連絡したことない人にまで連絡した。
あまり話したことない人まで呼び出して、
時間を割いた。
男子生徒達
🐮
生徒の声に思わず振り向く。
しかしそこにはレトルトはいなくて、 生徒が携帯で電話をしていた。
ここの学校は授業中に触らなければ 携帯は自由に持ち運べるとこだった。
男子生徒達
じっと、その生徒を見つめる。
男子生徒達
視線に気づいたのか俺の方へ寄る生徒。
やべっ…見すぎた…
男子生徒達
🐮
男子生徒達
🐮
やっと…会える。
頬が緩みまくって制御できない。
男子生徒達
🐮
生徒の声で我に返り、そそくさと屋上を出た。
次の授業は俺は参加しない。
職員室で待機の時間。
でも
その次の授業が俺が参加する授業だ。
ドクンッドクンッ!
いつもより鼓動が早く大きくなる。
これじゃあ俺、高校生みたいだな…
そう思いながら職員室へ向かった。
終礼
あの後、確かにレトルトは登校していた。
久しぶりの再会に、 この歳で胸が躍ったのは俺だけだった。
授業中もたまにチラチラ見てはいたが、 目も合わない。
いつもなら目が合ってニコッと笑ってくれてた。
授業中のことはまだ、 3年生なのでとそこまで気にならなかったが
授業が終わった後も話しかけに行ったが、 返事は一言で会話が続かなかった。
あの可愛らしい笑顔も、 一つも向けてくれることもなく。
まるで今までは嘘だったかのように、 知らないレトルトになっていた。
何があったんだ…
先生達
いつもの終礼とは違い、 担任はそう話を切り出した。
それは俺も聞いていない内容だった。
先生達
………は?
担任の言葉に息が詰まる。
今…なんて…?
ザワザワ…
周りの生徒もザワつき始める。
先生達
名前を呼ばれたレトルトは、 その場で立ち上がる。
🦀
言葉が…でない。
🦀
俺も見たことがない、 俺には向けられたことがない、
悲しげな作られた笑顔をみんなに向ける。
いきなりなんで……
驚きのあまり、息も上手くできないでいた。
🦀
🐮
レトルトの声に反応し肩を揺らす。
久しぶりに聞いた「せんせー」なのに、 嬉しくない…
🦀
そう言って深く頭を下げる。
やめてくれ…
聞き慣れないレトルトからの敬語。
壁を置かれているみたいだった。
俺は何も言えず、 ただレトルトに向かって頭を下げた。
🦀
頭を上げ、そう言って椅子に座るレトルトの背中を ただただ見つめるだけだった。
放課後
あの後レトルトに話しかけに行こうとしたが、 周りの生徒がレトルトを囲い話せずにいた。
それでもこの想いと、 見つけたレトルトが言ってたことを伝えたくて
必死に追いかけて
やっと1人になってくれたが、 もう校門の前で帰るところを引き止めていた。
🐮
レトルトの足は止まるが、 こちらを振り向いてくれない。
もう構わない。 伝えないと気がすまない。
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🦀
いつもの喋り方で、 ただそれだけでほっとする。
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🦀
そう言ってやっとこちらを振り向く。
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🦀
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🦀
🐮
🦀
レトルトはそう言うと、 下を向いてしまった。
仕方のない理由かもしれない。
俺にはどうすることもできない。
でも…
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🦀
下を向いてた顔を上げるレトルト。
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🦀
言葉を遮られた。
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🦀
不器用に笑うレトルト。
嘘だ…
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🦀
🐮
🦀
聞いたことのない、 レトルトの大声に言葉を詰まらせた。
なんで…そんな事言うんだよ…
🦀
そんなわけねーだろ絶対…
じゃあ…なんで…
そんな今にも泣きそうな顔すんだよ……
🦀
レトルトはそのまま、 振り返ることもなく帰ってしまった。
あれから数日後
実習期間が終わってから、 もうレトルトの事は忘れようとした。
もうあの学校に行くこともない。
行かなければ、 レトルトに会うこともない。
本当に全部レトルトの嘘で、 俺は子供に騙されていたと思おうとしていた。
しかし、 そう上手くはいかなかった。
忘れようとすればする程、 思い出してしまう。
俺の様子がおかしいのを見かねたガッチマンが、
家に飲みに来ていた。
🥷
🐮
🥷
🐮
🥷
それもそうだなと苦笑いを浮かべ、 お酒を飲む。
🥷
🐮
回想
連絡がつく高校時代の知り合いに連絡をして、
電話をしたり会いにまで行ったが 結局何の成果も得られなかった。
半ば諦めかけていたが、
最後に高校の頃よく通っていた帰り道を辿っていた。
ん…?ここって…
1つの建物の前に足が止まる。
そこはもうテナント募集の張り紙がしてあり、 どうやらお店はなくなっているようだった。
でも…なんか…
なぜかとても懐かしい気持ちになり、 ずっと張り紙を眺めていた。
元お店の孫娘
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怪しまれたのか声をかけられ焦る。
元お店の孫娘
🐮
元お店の孫娘
最初何のことかわからずポカンとしていたが、 徐々に思い出す記憶。
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ここは俺が高校生の頃、 よく通っていた小さな定食屋さんだった。
お店がなくなってから、 この時の記憶が薄れていっていたんだ。
ここの定食屋さんは、 老夫婦が営んでおり夫婦が亡くなってから
継ぐ人もおらず店をたたんでしまっていた。
🐮
元お店の孫娘
🐮
俺と同い年くらいの女性は、
以前定食屋さんに行くたびにいた子だった。
元お店の孫娘
🐮
ありがとうございますと笑顔で頭を下げる女性。
懐かしい気持ちが更に膨らむ。
元お店の孫娘
🐮
男の子…?いつも一緒に…?
元お店の孫娘
そう言われその当時を思い出す。
いた、そんな子。
動物好きなのかって話して、 とても内気ででも笑顔が可愛くて…
いつしか俺にべったりくっついて、 俺とよく勉強してたっけ…
元お店の孫娘
そうだ…
思い出した…
🥷
俺の話を聞いて、 絵に描いたように驚くガッチマン。
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🥷
🐮
2人でうんうんと頭を縦に振りながら、 お酒を数口飲む。
俺も思い出した時、驚きを隠せなかった。
それに、思い出すとますます似てることにも気づいた。
あの時は弟みたいな感覚だったから、 余計に分からなかったんだろう。
でもそれも…嘘だと言われて何も言えなかったから、 もう、何も起こらない。
🥷
🐮
あの時の子だと分かった後、 また弟みたいな感覚に戻ると思っていた。
でも一瞬でも抱いた感情は、 そう簡単には変わらなかった。
寧ろあの時のあの子が、あんなにも青年に、 あんなにも俺の心を揺さぶる存在だと知って、
余計に誰にも渡したくなくなった。
多分あの時のことは、 あの時関わった人にしか知らない。
俺とレトルトの思い出の場所だったんだ。
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🥷
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急いで顔を隠す。
でも気付かされた涙は、 もう引っ込んでくれなかった。
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🥷
そう言って優しく背中をさすってくれた。
嬉しかったんだ。
本当に接点があるってことも、 2人だけの秘密の思い出みたいで、
思い出したと伝えれば レトルトも満面の可愛い笑顔で喜んでくれると
密かに信じていたから…
俺らの出会いは全て嘘だと言われたみたいで、 心はあの時からボロボロだった。
🥷
ガッチマンに言われて思い出す。
そうだ…
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🥷
🐮
冗談も言い合って、泣いて、笑ってスッキリした。
あの時遮られた言葉は、 ずっと宙に浮いて行き場を失っている。
思い出したことだけじゃない。
ちゃんと、伝えないと。
その日ガッチマンはそのまま俺の家に泊まった。
卒業式当日
待ちに待った卒業式。
俺は担任だった先生に連絡をして、 学校に入れてもらえることになった。
自分が見た生徒の卒業していく姿を見たいと。
嘘じゃない。
何日振りだろうか。
レトルトに会えるのは…
俺は辺りを見回した。
そこには母親と、 あの時話してくれた新しい父親と一緒に
笑顔で話しているレトルトがいた。
少し泣きそうになったのを堪え、 3人に近づいた。
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🦀
俺の姿を見て驚くレトルト。
🦀父親
無理もない、息子が驚いてんだもんな…
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焦って父親に話すレトルト。
🦀母親
🦀父親
両親に頭を下げられ、 こちらも慌てて頭を下げる。
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🦀母親
そう言って母親がレトルトの背中を強引に押す。
🦀
あ、母ちゃん呼びなんだ…可愛い。
不覚にも微笑んでしまった。
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キリッと睨むレトルト。
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ガシッ
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そう言ってレトルトの手を繋いだ。
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そのまま大人しくついてきてくれていて、 とりあえずホッとする。
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レトルトの手を急いで離す。
顔が少し赤くなってるのもまた可愛らしかった。
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🦀
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🦀
否定はしないのね…
ずっと見ていたかったけど、 俺は想いを伝えに来たんだ。
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真っ直ぐ、レトルトだけを見つめる。
それに負けたのか、頷いた。
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🦀
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🦀
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🦀
そう言われると思ってなかったのか、 キョトンとしている。
実はもう1つ、思い出したことがある。
それは…
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ポトッ…ポトッ…
レトルトの目から大粒の涙があふれていた。
🦀
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ぎゅっ
泣いているレトルトを優しく抱きしめる。
やっと…掴んだ。
🦀
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優しく頭を撫でる。
🐮
🦀
溢れて止まらない涙と一緒に、 レトルトの首が縦に振られるのを確認して、
もう一度強く強く抱きしめた。
そしてあの時を思い出す。
俺の高校の卒業式。
同じくらい桜が満開の木の下で、
顔を赤らめ恥ずかしそうに告白してくれた。
🦀「"誰よりも大好きになりました、俺と付き合ってください。"」
もう1度、やり直せるなんて思わなかった。
もう離さないと心に誓った。
数日後
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玄関で俺を呼ぶ声がした。
駆け足で向かい、レトルトに抱きつく。
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🐮
優しくレトルトの頭を撫でる。
🦀
あの後、俺らはレトルトの両親に頭を下げ、 レトルトを俺の家に住まわせると交渉した。
父親は複雑な顔をしていたが、 レトルトを応援すると最後は言っていた。
母親はなぜか快く了承してくれた。
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🦀
🐮
本当はレトルトが母親にずっと あの時から俺の話をしていて、
こうなることが少しだけ予想できていた、
なんて俺には知る由もない。
なにはともあれ、 レトルトは成人して社会人になった。
それもあり、独り立ちを了承してくれたのだと
俺は勝手に思っている。
桜の木の下で、
告白しあった俺ら二人は、
もう2度と離れることはないようにと 強く強く願って…
end.
るぅり
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