もう少しで
あとほんの少しで
届くのに
私はーー
女子
千里
千里
私がこの場面で言うべきセリフはこれだけだ。
女子
女子
女子
でも、
私はこの場面が嫌いだった
千里
千里
もし、私が、
この役の女の子本人であれば、
絶対に謝ったりはしない。
千里
こんなセリフなんて言わない。
女子
女子
もし私が彼女なら、
そんな提案には乗らない。
千里
絶対に言うわけがないのだ。
悪役は
悪役らしく
千里
突き通しましょう?
千里
女子
千里
千里
ああ、
そうだ
私は
嫌いだったのだ
目の前の彼女(ヒロイン)が。
千里
千里
女子
女子
千里
千里
女子
千里
この気持ちは
きっと
私(悪役)のものだ。
千里
ー終了後
舞台から降りた後、すっと身体の力が抜けた。
千里
私は一体何をしていたのか
記憶は確かにあるのだ。
でも
それが、本当に私なのか
分からなかった。
千里
まるで
私が
私で無かった
そう、
まさに
彼女(悪役)だった
女子
千里
女子
千里
千里
女子
千里
早くこの場から立ち去りたい。
きっとみんな思っただろう
「なんだアイツ」って
千里
千里
そもそもこの高校に来たのだって、中学の時にやらかしたからだ。
同じようなことを。
あの時も、せっかくの台本をぶち壊してしまった。
千里
千里
雪花
雪花
千里
千里
雪花
千里
雪花
千里
雪花
手を握られて迫られた。
過去にも、これからにも無い真剣な勧誘だった。
千里
雪花
千里
この時の私には不思議で仕方なかった。
雪花
雪花
雪花
初めてだった。
怒られることはあっても
褒められることはなかったから。
だから、
私はこう返そう。
千里
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