また君と

昔、俺と君が出会った日

よく晴れた日の木陰のベンチ

泣いていた俺に君はそっと 話しかけてくれた

そう言って君は俺の額にキスをする

その瞬間太陽みたいに笑う 君に恋をした

それからは君と沢山遊んだ

俺の手を引っ張り何処かへ向かう君

どこに行っているのか 分からず戸惑う俺

君が指を指す花を見る

そう言いへにゃっと笑う顔に 胸がどきっとする

あれからも君とは沢山遊んで

ある運命の日

言葉が出なかった 脳が追いつかなくて

頬を伝う涙 涙で滲む視界

そのせいで君の顔がよく見えなかった

君の手から出てきた物は花

淡い紫色の綺麗な花

ずっと一緒やで

涙が出そうになった でも最後くらい君の前では 笑顔で居たい

ふっ と微笑む君 小さくなっていく背中

君が見えなくなってすぐ

抑えていたものが全て 溢れ出した

頬を伝って下に落ちる涙 君がくれた花に落ち

夕焼けの空を映した

あれから何度も君と出会った 公園に来ている

すっと空に手を伸ばす

聞こえるはずのない独り言 指の隙間から見える雲ひとつない快晴

明日の日付の下に 『高校 入学式！』と一言

ﾁｭﾝﾁｭﾝ((朝だよ早くないよ

バンッ

そんな他愛のない話をする

その瞬間 目に映ったのは

黒と黄色のグラデーションの髪の君

振り返った君の顔を見て 昔の気持ちが蘇る

ここでもう一度

この広い宇宙の1つ 青い地球の中で

新たな恋が始まる