TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

#コスプレ

『またあったなぁ』

『“元”探偵さん♪』

左は白に右は黒

対象の画面越しの笑顔

シルクハットに長いマント

白手袋を包むまた黒く長い袖

重く広がる衣装を纏った彼は

美しい1人の怪盗だ

彼は突然屋上に現れた

華奢な体にひらひらした服

絶妙なバランスで柵の上を歩く

怪盗R

おや

怪盗R

名も無き探偵さん

少年のような青年のような

初めて聞いたような綺麗な音

怪盗R

探偵さんは、

怪盗R

僕を捕まえられる?

人差し指を立て顔の前にやる

その動きだけでさへも

思わず見惚れるほど美しく綺麗

怪盗R

あレ、もしかして

怪盗R

声も出ないのかな?

怪盗R

なら、御預けだね

怪盗はくるりと背を向ける

裏地の真っ赤なマントが舞う

怪盗R

また会おう

怪盗R

名の無い探偵さん

怪盗R

次に出会う時は

怪盗R

名前があるといいね

声も出せないほど美しい

怪盗は柵からリズムを外す

と同時に地上へ真っ逆さま

慌てて柵の向こうを覗く

そこには何時もの闇が広がる

名をも持たない無名の探偵は

彼の真似をする

柵の上全くバランスが取れない

直ぐに落ちてしまう

怪盗の『また会おう』という言

探偵K

絶対

探偵K

見つけ出してやる

情報屋R

それが出会い?

探偵K

そう!

探偵K

まだまだ無名だけど

探偵K

いつか見つけ出す…!

情報屋R

はぁ…

怪盗と話してから1週間

誰に何を言えるわけでもなく

今やっと目の前にいる友人、

そして優秀な情報屋に告げた

情報屋R

ま、その怪盗さんに出会うためなら

情報屋R

まずは俺くらい有名にでもならないとな?

探偵K

む…

探偵K

レトさんは俺より前からやってるからだろ!

情報屋R

たった一年前ですけど?

情報屋R

ま、俺は変装得意だし、聞き出すのは朝飯前だし?

探偵K

あーうぜ

探偵K

はいはい、コスプレね

情報屋R

は!?

情報屋R

コスプレじゃなくて変装…!

探偵K

覚えとこ、レトさんはコスプレが趣味…っと

情報屋R

やめーや!

探偵K

やめませーんっ

情報屋R

ちょっ!ホンマに!

確かにレトさんの変装は

俺でもわからなくなってしまう

あの怪盗も、変装してこの街に

探偵K

ぜってぇ捕まえる!

情報屋R

ふぁ?…わっ

ドッターン

情報屋R

いっつ…

情報屋R

あ、ごめんキヨくん

取っ組み合い中に立ったからか

バランスを崩したレトさんが

俺ごと床に倒れてきた

その瞬間

なぜかあの怪盗を見た気がした

探偵K

あ、大丈夫

情報屋R

もー…キヨくんのせーやからね?

探偵K

はいはい、俺ちょっと考え事

探偵K

ゲームでもしてて?

情報屋R

ん?りょーかい

レトさんと怪盗が

少し重なって見えた気がした

かといって、怪盗なわけない

確かに情報屋としては凄いけど

運動神経とかは格別じゃないし

情報屋R

んぁっ!や、へ!?

情報屋R

むー…ココどーするん

こんなふわふわしてる人に

盗みは無理無理

…レトさんって情報屋だよな

探偵K

レトさん

情報屋R

むー…

情報屋R

ん?あ、なに?

コントローラーを床に置いて

くるりとこちらを向く

探偵K

レトさんの情報で、怪盗の事分かんねぇの?

情報屋R

…そんなこと?

明らかに『うわぁ』という目で

俺を見たあと、溜息をつかれた

情報屋R

なに、キヨくんは俺の力で怪盗見つけ出そうとしとるん?

情報屋R

あんな言ってたのに

探偵K

や、ちょっと知ってるかなぁ…って?

探偵K

だってさ、流石に手掛かりなしじゃ辛いだろ?

情報屋R

うわぁ…非道

情報屋R

まー、俺も怪盗のことはからっきしだから

情報屋R

キヨくんに教えれることはなんにもありませーんっ!

探偵K

は?

探偵K

え、マジで?

大きく頷いたレトさんは

俺の方に少し近づいて、止まる

情報屋R

せやから…

情報屋R

キヨくんがその怪盗捕まえられたら、ちょー有名になれるんよ

情報屋R

だから頑張りやぁ?

探偵K

おう!

レトさんが肩をぽんと叩く

我ながら単純なやつだとも思う

ま、尊敬してる人からの応援だ

やる気出すしかない

探偵K

やってやるぞ!

情報屋R

うん、それでこそ北ヤンキヨくんだよ

少し弄ってきた気もするが

今日のとこは見逃してあげる

まだまだ時間はあるんだ

次の盗み決行の日をまず知る!

怪盗R

頑張っとるなぁ…

真っ黒な世界に光る黄色の瞳

ぽつり、と呟かれたその言葉は

近くにいた黒猫すらも気づかず

ただただ闇夜に溶けていった

怪盗R

いつ見つけてくれる?

怪盗R

ボクノコト

怪盗は1人の探偵を見ていた

風に揺られる分厚いマント

白黒のピエロのような仮面

華奢な体には似つかない

沢山の装飾品のある重そうな服

余りすぎているベルトの先から

謎の妖艶さも醸し出している

怪盗R

ま、ゆっくり待ちましょか

怪盗R

お宝はこーんなに

怪盗R

盗めるんだから♪

軽いステップで柵の上を歩く

少し底の高い革靴が

鉄と当たってカツンと音を成す

その怪盗の姿は

まるで黒猫だったと

見たものは語ったらしい

この作品はいかがでしたか?

2,762

コメント

8

ユーザー

こうゆうストーリー大好きです!

ユーザー

表現の仕方が好きです

ユーザー

2人の会話が好きすぎてにやけてた(^ω^)怪盗Rは…レトさんかしら

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚