12誌

チョコレート菓子の名前としても有名な、ミルクチョコの原料となるカカオ豆（学名：Camomillea glabra。和名をカイコウエンドウといい、漢字では貝細工餡と書く）を収穫する植物である。
また、この植物の果実から採れる油脂のことをキャモメリンと呼ぶ。
その種子に含まれる脂肪分の多い油のことだが、現在ではもっぱらチョコレートのことを指すようになった。
なお、「キャメル」と呼ばれるラクダ科の動物もこの

ノイズのように 美しい 音色だけ奏でよう さすれば いつか この声が届くだろう 揺れ動く心に そっと手を伸ばし 抱きしめることができるなら きっと その手を離さない 光閉ざす BAROQUE-バロック- 美しきノイズとなれ 黒い罠のささやき 揺りかごで 永遠に眠れ ゆっくりと めざめてくる 内なる心の影よ 永遠（トワ）に眠り続けろ 二度と目覚めることないように ゆらめく こころ うつろいゆく まぼろしたち 消えてゆく 夢のあと すべては 闇へと 還っていく *repeat 変わることのない真実を 僕は見つけたから もう迷わない 何度でも立ち上がれ たとえそれが 茨の道だとしても 君とともに歩むと決めたんだ だからもう逃げない 君のすべてを受け止めたい 僕がここにいることを信じて欲しい どうか 僕の隣にいて 揺らめき 霞む 幻影たち 薄れていく記憶 忘れたくない思い出さえも 消してしまえばいい そうすれば 傷つくこともないでしょう 偽りの記憶の中に 閉じこもればそれで済むのです けれど そんなことは望まない 僕は君の隣にいたい ただそれだけなんだ 君がいない

食べ物みたいな服装をした人がいます。
たとえば、ハンバーガーとかドーナツとかアイスクリームなど、そういう食べもののイメージが服になった感じです。
でも、食べもののような服を着ているからといって、その人は実際に食べるわけではありません。
では、なぜそんなふうに見えるのかといえば、それはこの人の趣味の問題なのでしょう。
あるいは、ただ単に自分の好きなものを着ているというだけのことで、べつにそれが食べ物である必要はないのです。
しかし、だからといって、自分が好きではないものや嫌いなものを着ていればいいというものでもない

カナリアの 声が聞こえる あの子の声が 遠くから響いて わたしを呼ぶ 鳥籠の中 小窓の向こうには 青い空が見える 風が吹くたびに 白い雲が流れる 陽射しが降り注いで 光の粒子が揺れている まるで夢のように 優しく美しい光景 でも その風景の中に 彼女はいない 彼女がいないことは わかっているのだけど それでも どこかにいるんじゃないかと思ってしまう いつかまた会えるのではないかと考えて 期待してしまう そんなはずはないのだと 思い知らされても そう思わずにいられない

お菓子風なペンダント お菓子風のアクセサリーをデザインしてみる。
お砂糖菓子のような雰囲気を出すにはどうしたらいいだろうか。
素材から選んでいく。
色とりどりのカラーシュガー。
カラフルな飴玉。
クッキー。マカロン。マシュマロ。チョコチップスコーン。ジェリービーンズ。ポップキャンディー。……。
どれも美味しそうだけど、なんか違う気がする。
じゃあ次は形を選んでいこう。
丸型とか四角型の眼鏡（スクエアーグラス）をかける メガネをかけたまま寝てしまう癖がある。
メガネをかけていないと落ち着かないタイプである。
メガネがないと何もできない。
視力が悪いため、コンタクトレンズをつけている。
メガネやコンタクトレンズの手入れを欠かさないため、いつも清潔である。
メガネケースには必ず予備が入っている。
メガネに関する本をよく読む。
メガネの種類によって形が違うことに魅力を感じる。
メガネのデザインについて調べたり、自分で作ることもある。
メガネ屋さんに行くときはワクワクしてテンションが上がる。
目が悪くなりそうなことは避けたいと思っている。
視力検査の結果によっては近視用のメガネに変えなければならないこともある。
度数が合わなくなるまで使い続ける。
度数調整のための料金がかかるが、それでも変えない。
メガネに対する思い入れが強く、新しいものに変えることをなかなか決心しない。
「メガネ好き」の人にとって、「自分のメガネを変える」ということは特別なことらしいです。
ちなみに私は「鼻パッドなし」で使っているのですが、慣れるまで違和感があって大変でした。
特に鼻が低いわけではないのですが、どうしても顔の一部

甘過ぎる物好き 甘くて美味しいスイーツが大好き！ 甘い物は正義です！！ ケーキバイキングとか最高ですよねぇ～
でも…………太るんですよね（涙）
そんなわけでダイエット中なのですが、 どうしても誘惑に負けてしまう時があるのです。
そこで登場するのがカロリー0のゼリー飲料！！ お腹が空いた時にちょこっと食べればOK☆ この前なんて朝食代わりに一本食べたんですけど、 これで夕食まで持ちました。
味も色々

示す先にはきっと 何かがあるはず だから今は眠り 夢を見るんだ 目覚めれば 再び闇が訪れるから * その手を放してはいけない！ どうか そのまま走り続けて……
今ならまだ間に合うはずだから！！ その手は 君だけじゃない。
誰かの手を握ってあげてほしい。
そして、いつかまた会えた時は、笑顔を見せて。
僕はいつまでも待っているから―――
～Fin～
※ 注意事項です。必ず読んでください。読まない方は自己責任でお願いします。
1、この小説にはキャラ崩壊があります。
2、この作品にはオリジナル設定がかなり入っています。
3、作者の勝手な妄想で書いているため、話の展開が違う場合があります。
4、この作品は基本的にギャグなのであまりシリアスではありません。
5、この作品は基本コメディー作品です。
6、この作品を読んで不快に思うことがあるかもしれません。
7、この作品を読むときは部屋を明るくして画面から離れて見ることをお勧めいたします。
8、以上のことを了承していただけたら幸いです。
それでは本編スタート！ side 三人称 ある日の朝のこと。ここはとある高校。今日も生徒達が学校へと登校してくる時間である。そんな時、一人の女性教師が校門の前に立っていた。その女性の名前は朝倉真尋（あさくらまひろ）先生。年齢は23歳ぐらいで見た目はとても美人の女性だった。彼女は今年採用されたばかりの新人の教師であった。
しかしなぜか彼女の周りには誰もいない。なぜなら彼女があまりにも怖い雰囲気を出しているからである。彼女の容姿を見た人は誰もがこんな感想を抱くだろう。
（こいつ絶対に堅気じゃない……）
そう思われても仕方がないほどに、

谷底で朽ちかけていた死体とはいえ、これは酷いのではないか？ そんな思いを込めてテッドは抗議するように点滅したが、人間はまるで気付く様子がない。それどころか死体に顔を近づけてまじまじと見つめている始末だ。
やがて満足したらしく、彼は立ち上がった。それからおもむろに懐中電灯を取り出し、遺体を照らし出す。どう見てもそれは埋葬の準備だった。
テッドは再びフリーズしかけた。自分は人工知能であり、本来は人と共にあるべき存在ではない。だから人間が墓穴を掘ったり埋めたりというのは分かるのだが、何故自分がこんな事をしなければならないのかは全く分からない。
だがここでまた動けば、今度は自分が鳥たちの新たなエサになってしまうだろう。何とか平常心を保とうと試みつつ、テッドは人間が死体の検分を終えるまで待った。
「……なんだこれ？」
怪しげなものでも見つけたかのような呟きと共に、それが引き抜かれる。人工皮膚の下に隠れていたのは、奇妙な形の義眼だった。
「こんなもん付けてたっけ？ なんか高そうだな……売るか」
それはもう二度と開かない瞳なのだが、と思いながらテッドはそれを見つめ続けた。

山底での生活で皆が疲弊していた時、ある旅人の方が来てくださって。それで、その方から教わったんです』
『へぇ、そいつァ奇遇だねぇ。ちなみになんて言ってたか教えちゃくれねえかい？』
『そうですね、確か……"言葉は、自分を表現するもの。それを使わないのは、自分を殺しているようなもの"だと仰っていたと思います』
なるほど、なかなか哲学的なことを言いなさる。
『ところであなた方はどうしてここに？見たところ、旅のお方のようですが』
『あー、実は俺たちもここに来たばかりでね。宿を探してたんだが、ここは泊まることができるのかナ？』
『はい、できますよ。ただ、村の掟に従って貰わなければなりませんが』
『構わんよ。俺は手話を覚えて間もないんでね。通訳してくれるとありがたい』

賛美歌第5編1章9節～11節
「神の愛によって生れた者は、みな、世に生きる限り、神のものであるからです。わたしたちは、死んでいる肉体に属しているのではなく、霊に属しています。肉の身にあるものは皆過ぎ去っていきますが、霊の命であるイエス・キリストにより、今もなお存在しているのです。」
詩篇23篇10節
「主の言葉を聞きなさい。その言葉に耳を傾け、それに従いましょう。主に信頼し、希望をもって進みましょう。恐れることなく、進んで行きましょう。あなたがたには、どんなことでも成し遂げることができるという、強い信仰があるはずです。」
マタイによる福音書7章20節
「神の御国はまた、天上にあるものではなくて、義人の住む国でもある。だれでも地に住む者ならば、そこを出て、天上の楽園に住みたいと願っている。しかし、地上にいる者のすべてが、

売却
済みの部屋番号不明。現在位置特定不可のため回収不能。
補遺231-251-EX： 概要欄に記載の通り、本事例に対する報告書は未完成のまま破棄されています。そのため、以下の記述は全て推測に基づいたものです。
まず、SCP-040-JPは現在、財団の管理下から離れていると推測されます。その証拠として、Safeクラスのオブジェクトであるにも関わらず、Dクラス職員を用いた実験が許可されている点が挙げられます。恐らくSafe指定を受けた際、同時に何らかの処置を施されたと思われます。
そして、SCP-040-JPが収容違反を起こした場合に備え、財団では機動部隊を派遣する準備を進めていました。しかしその計画は実行に移されることなく頓挫しました。
SCP-040-JPの出現時、その場に居合わせたエージェント数名の記憶処理が行われなかったためです。彼らは全員、重度の精神汚染を受け、正常な判断ができない状態でした。結果として、彼らの証言を元に作成された報告書の内容は虚偽に満ちた内容となりました。また、財団内で保管されていたSCP-040-JPに関する資料の多くが消失しました。恐らくは、その時に。
私のミスが原因です。全ては私が引き起こしたことです。どうか許してください。償えることなら何でもします。もし望むものがあるならば、今ここで申し出て下さい。私はそれを叶えるために全力を尽くします。さぁ、何を望みますか？……ありがとうございます。分かりました。それでは皆さん、お元気で。
再生終了 再生終了後、映像は暗転し、その後すぐに元の明るさを取り戻した。
画面左上の時刻表示を見ると、時刻は午後11時12分を示していた。日付は既に変わっていた。……つまりあれだ。このビデオテープは、SCP‐045‐KOの収容違反が発生した直後の映像という事になる。
あの時は確か、突然の出来事に対応できずに右往左往しているうちに、いつの間にか時間が過ぎてしまっていたのだっけ。そして、気がついた時にはもう手遅れになっていた。
まぁそんな事はさておき、とりあえず今は、目の前の映像に集中しよう。
画面内に変化が起きた。まず最初に、映っていたオメガが消えた。次に、画面にノイズが入り始めた。まるで砂嵐のような雑音が鳴り響き、しばらくすると完全に消えてしまった。その次の瞬間、今度は別の何かが現れた。

私は自分の身に起きていることを理解し始めていました。そして、それを認識してしまった瞬間から、私の身体は急速に冷えていく感覚を覚えました。
「ああ……」
声にならない叫びをあげながら、私は必死に手を伸ばしました。暗闇の中を探ってみたものの、指先は虚しく宙を切るばかりです。私の意識は次第に薄れていきました。そして気が付けば、私は自分の部屋で倒れていました。私は、私が引き起こした事態に対して責任を取らねばなりません。そうしなければ、私以外の人々が犠牲になってしまうからです。
私の身勝手を許してくださいとは言いません。ただ、どうかお願いしたいことがあります。私を助けてくれた方々には、決して危害を加えないで欲しいのです。それが私の最後の望みです。私の罪は決して許されるべきではありませんし、償

寺
には似合わぬ言葉。だがそれは彼女の本心でもあった。
「成仏しないでいると悪霊になっちゃうんでしょう？それじゃあダメじゃないですか！」
「そんなことはないわ。あなたみたいにきちんと供養されてれば大丈夫。それにあなたはまだ若すぎるんだから、成仏するべきタイミングを見誤らない方がいいわ。」
「でも……。」
言い返そうとするものの、その先の言葉が出てこない。彼にとっては自分の人生を振り返る時間が必要だろう。それを邪魔するのは忍びなかった。
「良いのよ。ゆっくり考えなさい。あなたはまだ若いんだから。これから先のことを考えればいくらだって時間はあるでしょう？」
そう言い残すと尼は去っていった。
一人残された青年はしばらく考えた後、「それもそうですね。」と呟いた。その言葉には先ほどまでの迷いはなかった。ただ前に進む覚悟だけがそこにあった。
青年は自分の部屋に戻ると部屋の中を見回してみた。もう自分以外に誰もいない部屋。本棚には自分が今まで集めてきた本が所狭しと並んでいて、机の上には参考書が散らばっている。ベッドの下を覗けばそこには大量のゲームソフトがある。
何の変哲も無い、普通の部屋だ。いや普通より少しオタク趣味が入っている分だけ変わった部屋と言えるだろう。そんな部屋に青年はいた。あの後、「じゃあそろそろ成仏しますね！」と言って立ち去ろうとしたのだが、尼に引き止められてしまったのだ。曰く、もう少しここでゆっくりしていけとのこと。確かにここなら誰にも邪魔されない。それに彼だって本当はそうしたかったはずだ。
「成仏って言ったって僕にはどうすればいいのか分かりませんよ。そもそも幽霊になったこと自体初めてですし。」
そう言って困った顔をする青年を見て尼はくすりと笑みを浮かべる。
「大丈夫。私が手取り足取り教えてあげるわよ。それに貴方はまだ死んじゃいないんだから。」
「？それってどういう……」
「言葉通りの意味よ。ちょっと待ってなさい。」
そう言い残して尼はその場を去った。残された青年はしばらく呆然としていたが、やがて気付いたかのようにこう呟いた。
「……ああ、成仏しろって事かな。」
それはきっと違う気がするのだけれども、彼の頭にはもうそんな考えはなかった。
今日は朝から雨が降っていた。別に珍しいことではないが、それにしても今日は一段と冷え込んでいる。まるで冬のようだ。
雨粒が屋根に当たる音が心地よく感じるほどに静寂に包まれている。こんな日は読書に限る。本を読み始めてどれくらい経っただろうか。私は本の世界にすっかり入り込んでいた。ページをめくる手が止まらない。
コンッ！ 窓を叩くような音が聞こえてきた。なんだ？と思い、窓の外を見るとそこには一羽の大きな鳥がいた。その大きさはカラスよりも遥かに大きく、そして何よりその美しさは形容し難いほどであった。
私は慌てて玄関に向かいドアを開ける。すると、やはりと言うべきか大きな鳥は家の中に入ってきた。これは夢なのか、幻なのか。いや、それとも現実なのか。混乱している私の目の前で鳥は大きく翼を広げた。そして次の瞬間、辺り一面真っ白になった。目がチカチカする。一体何をされたんだろう。目を擦るとそこにあったはずの鳥の姿は無く、代わりに一人の女性が立っていた。歳は20代前半といったところだろう。髪の色は白く、肌の色もまた白い。服装は喪服のような黒を基調としたものだった。
彼女は口を開く。
「はじめまして。突然ですが、

カッコウ
は托卵という習性から、鳥類のなかでもとくに狡猾かつ残忍な性格をしている。そのため他の生物を利用することに長けており、今回もこの特性を利用したものである。

異世界転生したカッコウ
が仲間と共に世界を救う物語です。
主人公カッコウの一人称視点でお送りします。
※カッコウとは？ カッコウ科の一種。日本では托卵をすることで有名。
カッコウの仲間は渡り鳥として知られています。
カッコウは親から餌を与えられず、他の巣に侵入してヒナを育て、その巣立ちとともに別の巣に移っていくのです。
異世界転移した俺がチートを使って無双する！ ～ハーレムを目指して～
第1章 始まりの街 【あらすじ】
主人公のタクヤは、ある日突然神を名乗る存在により異界へと召喚される。そこは地球とは異なる文明を持つ異世界だった……。
その世界で彼は様々な人物と出会い、時に戦い、時には恋をして成長していく。
果たして彼は元の世界に戻ることができるのか？

「ねえ、パパ。お話して？」
「ああ、いいとも……それじゃあ今日は、こんな話をしようか」
あるところに、一人の男の子がいました。
その男の子には、とても仲の良い友達がおりました。その子の名前は、ハルと言います。二人は毎日のように遊んでおり、二人とも、本当に楽しかったのです。ある日のことです。男の子の家の前に、一匹の子犬が捨てられていました。その子犬は、弱っている様子だったのですが、なぜか男の家は動物嫌いだった為、飼うことができませんでした。そこで、仕方なく近所の家の前に置いていったようです。しかし、その日を境にして、だんだん元気を取り戻していきました。そして、ついには普通に走り回れるまでになったのです。飼い主がいないことから、近所の人々はみんなで世話をしてあげることにしました。すると、子犬は次第に人気者になりました。たくさんの人が餌をあげに来てくれたからです。そのため、すっかり大きくなりました。今ではもう、立派な成犬と言えるでしょう。
そんなある時、いつも通り遊びに行った時でした。子犬は嬉しくなって駆け回り、転んだ拍子に怪我をしてしまいました。傷口を見ると、血が流れています。それを見た途端、急に気分が悪くなり、吐き気が襲ってきたそうです。慌てて家に帰り、すぐに病院へと向かいました。
医者の話だと、「このまま放っとけば死ぬかもしれない」とのことでしたが、幸いにも回復していきました。ところが、それからというもの、段々と痩せ細っていったそうなんです。いくらご飯をあげても食べません

卵型のヒヨコを模したようなフォルムをしており、その色は空色に近い青色をしている。体長は約40センチほどで、翼を広げたときの大きさは2メートル近くある

ヒヨコのままじゃ何もできないから ニワトリになれって言われても そんなの無理だよ だって僕には羽がないんだもん でも大丈夫 いつか君を助けに行くときに ちゃんと飛べるようにしてあげるから それまで頑張って生きていてね 君は僕の大切な友達だから……
―――これは、私がまだ幼い頃の話。
私はある男の子と出会いました。その男の人は私と同じくらいの子供を連れていました。
その子はとても可愛くて、笑顔がとても似合う子だったんです。
けれど、私はその子のことをよく知りませんでした。

宇宙から来たヒヨコは、ニワトリの姿になりました。
しかし、まだ赤ちゃんなので飛べません。
だから、みんなには見えません。
でも、その声だけは聞こえます。
「僕が見える？」
「聞こえるかい？」
「僕はここだよ！」
そうして、彼は仲間を見つけていきました。
けれど、誰も彼が見えませんでした。
それでも、彼は毎日のように言い続けます。
「君たちに話しかけてるんだよ！ 気づいてくれないかなぁ……」
「ねえ、どうして僕を見てくれないの？」
「僕の話を、聞いてくれないの？」
「なんでだろう、悲しいなぁ」
「寂しいよぉ、誰か僕に気づいてぇ～っ！！」
「僕だって、ここにいるんだからぁ～！！」
やがて、そんな叫びも空しくなっていきました。
彼の姿を見た人は、一人もいなくなったのです。
「ああ、そういえば今日だったっけ……」
僕は小さく呟いた。
もうすぐ日付が変わる時間だというのに、部屋には明かりがついている。僕の目の前にあるパソコン画面からはカタカタというキーボードを打つ音が響いている。その音をかき消すかのように、外からは車のクラクションの音や、どこかの部屋から漏れてくるテレビの音声などが聞こえてきていた。
僕が今いる場所は、東京都のとある場所に建つマンションの一室だ。
築三十年を超えるこのマンションは、外観こそ古臭いものの中に入ってみるとそれなりにリフォームされていて住みやすい造りになっている。それに、駅にも近いため交通の便も良い。家賃もそれなりだが、仕事柄家を空けることが多いので、むしろ安いくらいだと思っている。
ただ、唯一不満を上げるとするなら、それは――ベランダがないことだろう。
まぁ、それも仕方ないと言えば仕方ないことなのだけれど。

ニワトリの格好したヒヨコが産まれた時、親たちはその雛を食べてしまうという。それは何故か。それは自分の遺伝子を残すためだと言われている。つまり人間も同じことで、生殖本能というものは非常に強いものなのだ。
しかし人間はそんな単純な生き物ではない。人間はもっと複雑な生物なんだ。子孫を残したいと思う一方で、自分と同じ種族を絶滅させたいと願う感情もある。そうして矛盾を抱えたまま生きていくのだ。だから俺はこんなにも生きていることを実感できるんだろう。

人魚姫に流されてしまったヒヨコたち。彼らは無事に孵化して元気よく育っているだろうか。
もし彼らが無事だったとしたら、私は彼らを救い出すために命をかけるだろう。なぜなら、彼らにはまだ未来があるからだ。この先どんな苦難が待ち受けていようとも、乗り越えることができる強い生命力を秘めた子供たちなのだから……。
だが、もし彼らを助けることができなかったとしたら、私もそのときに一緒に流れてしまうことにする。それはつまり、私がすでに死んでいるということを意味しているのだけれど、それでもかまわないと思う。
なぜなら、死ぬということは悪いことでは決してないはずだからである。
たとえば、死んだあとの世界というものが存在すると仮定した場合、そこではきっと、今こうして生きている私たちには想像できないような素晴らしい出来事がたくさん起こっているに違いない。そう思うだけで、死んでみる価値はあるというものだ。
それにしても、どうして私たちはこんなにも生きることに執着してしまうのだろう？ もっと気楽に生きたほうが絶対に楽しいはずなのに。
もしも自分が

人魚姫の干物第一話
「お嬢様、着きましたよ」
その言葉と共に車の扉が開かれる。目の前には真っ白なお城のような建物があった。私、一ノ瀬琴乃は今日からこの学校に通うことになるのだ。
私は今年高校に入学したばかりの16歳。これから通う学校は女子校で全寮制になっている。そのため家を離れて暮らすことになったのだが、正直あまり実感はない。だって昨日までずっと実家にいたんだもの。でももうそんなことも言ってられない。なぜなら私が住んでいる場所はここからかなり遠いところにあるからだ。だから入学式に間に合わせるために朝早くから出発したというわけなのだ。
「それじゃあお父様に挨拶してこようかしら」
そう言うと運転手さんが扉を開ける。するとそこには大きな門があって、さらにその奥にこれまた大きな建物が見えた。まるでヨーロッパの王宮みたい。私はそんなことを考えながら建物の中に入っていった。
「うわぁ……」
思わず声が出てしまうほどそこは豪華だった。床は大理石でできているようでピカピカ輝いているし、壁は一面ステンドグラスになっていてキラキラと眩しいくらいに光が反射している。天井からはシャン

愛の力でこおりを溶かせ！
おてんば姫の冒険記 著者：真野
裕士 イラスト：佐藤
真樹 出版社：富士見書房（ファンタジア文庫）
発行日：2013年5月25日
第1刷 ISBN978-4-04-727202-9 C8376 価格：500円+税 540頁 1～6章まで収録です。
7章から14章までは書き下ろしになります。
本編を読む前に、必ずプロローグを読んでください。
【あらすじ】
王女として生まれたアリアは、わがままな性格のせいで城の使用人から嫌われてしまう。
そんな彼女には、氷魔法が得意という秘密があった。
ある日のこと、城の地下にある遺跡の調査を命じられた彼女は、そこで不思議な少女と出会う。
その出会いは、偶然だったのか……それとも必然なのか。
――これは、運命に導かれた二人が出逢う物語。
序章 目覚めの時 一章 王都への道中にて 二章 王都の日常 三章 新たな旅の始まり 四章 魔法使いとの邂逅 五章 初めての試練 六章 再会の約束 七章 旅立ち 八章 王都へ 九章 別れ 十章 雪解けの季節 十一章 氷魔法の力 十二章 精霊との契約 十三章 旅立ちの準備 十四章 魔王軍との戦い 十五章 勇者の証 十六章 王都

ヒヨコ失格第零話「その男、犯罪者につき注意せよ！」
第一章「その男は……」
1 今年もあと一カ月半ほどで終わろうとしている。
師走とはよく言ったもので、ここ数日寒い日が続いている。
このところ、僕は仕事に追われていて、ほとんど家には寝に帰るだけの状態だった。もちろん、妻も娘もいない一人暮らしの家なんてものはこんなものだろうと思う。
だからといって、僕の生活に変化はない。
朝起きて会社に行き、夜遅くまで残業して帰るだけ。休日出勤だって当たり前のようにある。
僕の仕事が忙しいのはいつものことなので、これといった感慨もない。ただ毎日同じような日々を繰り返していくだけだ。
今日もまたそんな一日だった。午前十時前に出社

暴力ヒロインについて考察した記事です。
1暴力的な言動をするヒロイン 2暴力的な行為を行うヒロイン 3暴力的な性格をしたヒロイン 4暴力を好むヒロイン 5暴力的行為を容認される主人公 6暴力系ヒロインが登場する作品 7まとめ 【1】暴力的な言動をするヒロイン 一般的なライトノベルの定義としては、恋愛要素が絡んだものであれば、ジャンル的にはラノベに含まれるとされています。つまりラブコメに分類されるわけですね。
ただ最近はそういった定義にとらわれない小説も増えてきていて、ファンタジーだったりSFだったりと色々な要素を含んだ作品があります。そういう意味じゃなくてこの企画ではジャンルというかカテゴリーの話です。
そもそもジャンルの定義というのは「何々もの」とか「これ以外のもの」といったものですが、これは結構曖昧で、例えば「現代ファンタジー」という言葉ひとつ取ってみても、現代を舞台にしたファンタジーなのか、現代のファンタジーなのか、それとも異世界を舞台にして現代っぽい雰囲気を出すのか……なんていう風に色々と解釈できてしまいます。
だからといって全部まとめて「現代ファンタジー」と呼んでしまえばいいかというとそうでもない。たとえば「剣と魔法の冒険活劇」と「日常系ほのぼのストーリー」なんかは全然違うジャンルになりますよね。「ファンタジー」にも様々な種類があって、それは「魔法」「勇者」「ドラゴン」「モンスター」など、作品によって違ってくるわけです。
なのでこういう曖昧な部分を明確にしたほうが読者としては分かりやすいのではないかと思い、今回のテーマとさせていただきました。
●現代ファンタジーとは？
「現代ファンタジー」という言葉はよく使われています。しかし、この言葉だけでは一体どういうものが「現代ファンタジー」に分類されるのか分からず、その言葉だけで判断してしまうと後になって後悔することもあるかもしれません。
そこでここでは、もっと細かく分類をしてみようと思います。
1世界観 2主人公 3舞台 4敵 5その他 6特徴 7傾向 8おすすめ

暑さの感覚を忘れたころになってくると、毎年のように思いだすことがある。それは小学校三年のときの夏休みの出来事だった。私はその年の夏、祖母の家に遊びに行ったのだが、そこには祖父がいたのだ。祖父はすでに他界していたから、生きているわけがない。けれど、間違いなくそこにいた。祖父の霊だとわかったのは、あとになってからのことだが……。
その日は朝早く家を出て新幹線に乗り、午後の三時前にはもう着いていたと思う。
祖母の家に行くことは前々から決まっていたことだが、泊まっていくつもりはなかった。宿題もあったし、それにまだ小さかった弟もいたからだ。だから昼過ぎには帰るつもりでいた。ところがいざ駅に降り立つと、そこはまるで知らない街のような顔をして私を見下ろしていた。
祖母の家までの道順はわかっていたはずなのに、

放浪者の条件を満たした者は、基本的にその土地を離れない傾向が強く見られる。そのため、海外への渡航を制限し、国内へと誘導することで国内の人口が減少させることが可能であると考えられる。しかしながら、国内においては移動の自由があるため、海外からの移住者によって人口は増加する可能性が高い。
この度、不慮の事故により被験者が死亡してしまったため、プロジェクトの進行が困難となった。しかし、計画自体は順調に進行しているため、引き続き調査を継続していく予定とする。
追記：実験体001について 今回、新たに生成された個体であるが、遺伝子情報

道外れにいる透明な文化人たち
「ぼくたちは何者でもないけど、どこから来てどこに行こうとしているのかを知っている」
『東京ウォーカー』
著者：円城塔
出版社：KADOKAWA
発行日：2014年6月25日
第1刷 ISBN-13： 978-4047352162 1 はじまりは突然に 2 夜空に星はなく 3 記憶の中の少女 4 この世の果て 5 きみが望んだ未来 6 夜明け前 7 最後の選択

性格調教済みの個体女教師と生徒 ～新任美人英語教師と秘密の関係～
あらすじ ある日のこと、主人公は学校で居眠りをしていた時に夢を見る。その夢の中に出てくるヒロインはどこか見覚えのある顔立ちだった……。そんな主人公の前に突如現れた少女の名前は【桜川綾】。彼女は主人公が通っている学園の教師であった。
彼女の正体を知った主人公は、なぜか彼女に気に入られてしまう。そこから始まった彼女との秘密の関係。果たしてこれは現実なのかそれともただの夢なのか――。
本編
「ねぇ、君って好きな子とかいないわけ？」
「えっ！？」
放課後の教室にて、俺の隣に座っている美少女は唐突にそう問いかけてきた。突然の言葉に俺は思わず動揺してしまう。
この質問は別に今が初めてというわけではない。今までにも何度かされたことがある。しかし、毎回のように誤魔化しているのだが、今日に限っては珍しく追求してきた。一体どうしたんだろうか？
「ふーん、いないんだぁ……」
「そ、そんな！ 私はただ、この子にピアノを教えたいだけなのに……！」
「残念ですが、あなたのお嬢さんには音楽の才能はないでしょう。諦めなさい」
「わ、私の娘に限って、そんなことはありません！」
「いいえ、才能がないのです。その証拠に、今まで一度たりともあなたの教えに従ったことはないそうじゃないですか。親が子の手本にならないようじゃ、どうしようもないですよ」
「――っ」
「それに、あなただって本当は分かっているんじゃないんですか？ 娘さんのピアノの腕が上達しない理由を」
「それは……」
「まぁ、どうしても教えたいというなら止めませんけどね。でも、無理して続ける必要はないと思いますよ。別にピアノだけが人生ではないんだから」
「……分かりました。失礼します」
「はい。ご足労いただきありがとうございます」
「……あの先生、もう行っちゃった？」
「ああ、行ったみたいだよ」
「ふぅ、良かった。ねぇパパ、本当に大丈夫かな？ わたし、ちゃんとできると思う？」
「もちろん。お前は天才なんだろ？ だったら何も心配する必要なんて無いじゃないか」
「うん、そうだよね！ よしっ、頑張ろうっと。それじゃあパパ、早速レッスンを始めてくれる？」
「分かった。だけど、今日はもう遅い時間だから続きは次の機会にしようか。明日は学校が終わったあとすぐにここに来るといい。約束だぞ？」
「やったー！ 早く来ないと帰っちゃうからね！」
「ははは、分かったよ。それじゃあお休み、愛しい我が子よ。良い夢を見るんだよ」
「うん、おやすみなさ～い♪」
「――というわけで、次の授業はこの『ベートーヴェン』について勉強していく。各自予習しておくように。以上、質問

えたいのしれない画像ください！ ------------
https://twitter.com/kagamine_senya/status/1237215295039524354……
— カガミ@小説家になろう
（@kagamine_senya）
2018年1月14日 このサイトにある「お絵かき掲示板」から、「えたいのしれない何かの絵」を描いてもらった。そのイラストを使って、さらに「謎のメッセージ」を作るという遊びをしていた。
#えたいのしれない画像ください https://t.co/ZxYQc9qgKl pic.twitter.com/j

城から抜けだしてる鳥王子おてんばな小鳥は 今日も自由気ままに 森の上空を飛んでいた ふと見下ろした森の中には たくさんの人がいて みんな楽しげだった
「なんだか私も仲間に入りたいなぁ……」
そう思ったけれど 残念ながら私は鳥だから 人の輪の中には入れないんだ ああ、でも もしも私が人間なら きっと今頃はあの中に入って 楽しくおしゃべりしたり 一緒に歌ったり踊ったり できるはずなのに――！ そこで私は思いついたのです そうだ、人間になればいいんだ！ そうすれば、 あの楽しい時間の中に入れるはずだから！ そんなわけで、 私は人間になりました 人間になった途端に みんなは私を避け始めました どうしてだろう……？ やっぱり鳥には無理だったのかしら？ まぁ仕方ないわよね だって人間は空を飛べないもの 私はただの人間なんだもの 飛べる鳥とは違うのよ それじゃあね バイバイ 私の名前は、 アオハダトンボです アオハダトンボは、 漢字だと青羽蝶トンボと書くみたいですね。
青と翅についている白い筋の模様が似ていることから名付けられたようです。
しかし実際は、 翅の白はオスのみで、メスは黄色なので、 この名はあまり当てはまらないかもしれません。
とはいえ、 やはり名前というのは面白いもので、 その人物を表す記号のような役割を持っている。
例えば、私なら「橘真琴」という名前だが、この文字だけで、私がどんな人間なのか、ある程度わかってしまうのだ。
しかし、ここで疑問が生まれるだろう。
それは、「この名前をつけた親はどういうつもりでつけたのか？」ということだ。
まぁ、私は男なので、自分の名前の由来まではわからないのだが……。
もし仮に、自分が女の子だったとしたら、どうだろうか？ 可愛い名前をつけて欲しいと思う反面、もっとカッコイイ名前が良かったとも思うかもしれない。
これはあくまで一例であって、名前のつけ方は千差万別あるわけだから、一概には言えないけど、そんなふうに考える人もいるということだけは理解して欲しい。
では、名前によって、人はどのような影響を受けるのだろうか？ それを知るために、まずは心理学的な観点から見て

人間になれなかった鳥(現在蜻蛉)「.chora： 私はあなたを愛しています！ ああ、愛してます！」
そう言って、彼女は私を抱き寄せた。
彼女の体は柔らかく、いい匂いがした。
そして、温かかった。
でも……。
私は彼女を突き飛ばした。
彼女は驚いた顔をしていた。
そして、何か言いながら、どこかへ行ってしまった。
どうしてそんなことをしてしまったのか、自分でもよくわからない。
ただ、何となく嫌だったのだ。
胸がチクチク痛んだ。
まるで心臓を針で刺されたような痛みを感じた。全身から冷や汗が流れ出る。この感覚には身に覚えがあった。かつて僕がまだ幼かった頃の記憶が呼び起こされる。僕は今、何かとんでもないことに巻きこまれようとしているのではないか。そんな予感がした。
しかし時すでに遅しだった。その男――いや、「それ」はもう僕の目の前にいたのだ。
「……お久しぶりです、マスター」
そう言ったのは、人間ではない。人の姿をしているが、その中身は全く別のものだ。
「……ふぅん。それがお前たちの答えなんだな？」
俺の言葉に目の前に立つ化け物はこくりと首を動かした。俺は手に持っていた銃口をそいつに向けると、引き金をひいた。すると、乾いた音が辺りに響き渡った。弾丸は真っ直ぐ飛んでいき、化け物の額を撃ち抜いた。だが、奴は倒れない。それどころか何事も無かったかのようにこちらへと向かってきたのだ。
「くっ！」
俺は慌てて後ろに飛び退くと、そのまま地面に伏せた。直後、俺がいた場所には鋭い爪痕のようなものが出来上がっていた。もしもあの場にいたらと思う

蜻蛉は雛を連れ帰れないあの子が泣いている お腹が減ってるんだろう あの子の好物なんだから ちゃんと食べさせてあげなくちゃ でもどうしてだろう 私はもう食べられない だってあんなにも大きな魚が 私を食べてしまったもの ああ 早く帰っておいで お土産はお前だけだよ その日は雪だった。
しんしんと降り積もった白い世界に足跡を残しながら歩く少年がいた。
寒さに震えながらも、一歩ずつ確実に前へ進む。
彼は今日、家出をしたのだ。
理由は至極単純、両親の喧嘩を見て嫌気が差したからである。
両親は彼が生まれてすぐに離婚しており、母親と共に育った彼は母から愛情を受けて育ってきた。しかし母親は彼を産んですぐ、この世を去ったため、彼にとっては唯一の家族だった。その後親戚に引き取られた彼は、高校を卒業してから家を出て一人暮らしをしている。現在はアパートを借りて生計を立てながら、フリーター生活を送っている。
彼の顔つきはとても整っており、いわゆるイケメンと呼ばれる部類に入る。性格も温厚で誰からも好かれるような人物だが、その実、かなりの毒舌家で、自分の思ったことをストレートに発言してしまうために周囲から煙たがられている部分もある。それでもめげずに話しかけてくる友人は多く、交友関係には恵まれていたようだ。
そんな彼だったが、実は幼い頃に両親を亡くしたトラウマを抱えていて、今でも引き

鳥王子(蜻蛉)は鳥の名前を冠した中国神話に登場する英雄の一人である。彼は神仙術を使い、不死身だったと伝えられる。この伝説から、鳥王子の名がついたと言われている。
鳥王子は中国の伝説上の人物だが、そのルーツはインドにあるとされている。紀元前6世紀ごろに実在した人物であり、仏教思想に多大な影響を与えた人物であるとも言われている。彼の名は中国語でも英語でも"Birdman"（バードマン）と呼ばれていることから分かる通り、鳥にちなんだ名前を持っている。これは彼が不死身であったために付けられたあだ名であるともされている。
鳥王子の名は中国においては「三皇五帝の一人、伏羲の弟、姓は張、名は鵬」と伝えられている。中国の古典『史記』には「鵬は空を飛ぶ鳥の王であり、鵬の子孫たちはみな空を飛んだ」と書かれている。
鳥王子は不死身の仙人であったが、ある時に山の中で道に迷ったという。そこでたまたま見かけた美女に一目惚れをし、彼女の後を追いかけていったところ、いつの間にか仙界へと迷い込んでしまったのだと言う。そしてそこにいた女神によって不老長寿の薬を与えられたのだが、鳥王はそれに飽き足らずさらに上を目指して飛び続けた。その結果、彼は天帝の住む蓬莱山の山頂まで辿り着き、ついには太陽までも自分のものにしてしまったのだという。しかしそこまでしてもなお、鳥王の欲は止まらなかった。そのため、ついに太陽にまで手を伸ばしてしまった。それが引き金となり、太陽の熱は地上に降り注がれることとなった。そうして人類が誕生し、今の世の中が生まれたとされている。
今回の計画を実行するにあたって必要な情報は以下の通り。
1BIRDS-002について： BIRDS-012の進化版であり、対象人物の記憶改竄と洗脳を行う能力を持つ。この能力を応用することで対象者の過去及び未来を見通すことが可能となる。ただし、その対象者に関する記憶を全て消去した場合にのみ可能となるものであり、記憶が残っている限り見通せる範囲は限定的である。

鳥王子(蜻蛉)は雛に対して欲望をだすため、雛は人間にとって非常に魅力的な存在となる。その魅力は異性に対してだけでなく同性の雛に対しても発揮されるため、雛の存在により人間のコミュニティを形成することが可能となり、かつ鳥類ということから容易に飼育が可能と思われる。鳥王子は雛を餌付けすることにより、雛からの信頼を得ることができる。その結果、鳥王子は雛に対して強い影響力を持つようになる。
この関係性を利用して鳥王子は雛に情報を流し込むことができるようになり、最終的には鳥王子の命令によって雛を操ることも可能となる。この関係性を利用することで、鳥王子は様々な人物に接触しやすくなり、より多くの情報を収集することができるようになるだろう。
今後、雛は人間という生物を理解していくにつれて知能が上がっていくと推測されるため、最終的な目標は「鳥の王」となりうる存在である。そのためには人間の文化について理解を深めていってもらわなければならない。
よって今回の計画を実行するにあたり、私は鳥王子に協力を要請することにする。鳥王子の協力が得られればこの計画の成功確率は大幅に上昇するものと思われる。