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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ、執事パロ
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18 君の“既読”が怖くなったんだ
春の夕暮れ。
オレンジ色に染まる屋敷のベランダで、こさめはひとり、スマホを握りしめていた。
表示されたままのトーク画面。
昨日のメッセージ──「今日、会えない?」には、いまだ既読がつかない。
こさめ
呟いた声は、自分に言い聞かせるようだった。
けれど、心の奥ではわかっている。
なつが“LINEを見ない”はずがない。
なつは、こさめにだけはいつもすぐ返してくれたから。
──それなのに、返事はない。
こさめ
こさめはスマホを胸に抱きしめたまま、ゆっくり目を伏せた。
やっと言えた言葉。
ずっと隠していた気持ち。
それが、“距離”を生んでしまったのだとしたら──
一方その頃、なつは図書室の隅で椅子に座り、本も読まずにスマホを見つめていた。
こさめからのメッセージは、何度も開いて、でも既読をつけずに閉じている。
なつ
自分でも理由はわかっていた。
──返したら、何かが決定的に変わってしまいそうで。
こさめの言葉が、あまりにまっすぐで。
だからこそ、自分の心がどこまで応えられるのか、まだわからなくて。
なつ
なつ
ずっと孤独だった。
“誰かに必要とされる”ことに慣れていなかった。
だから──こさめの言葉が、あまりにあたたかくて、怖かった。
その時、図書室の扉がそっと開いた。
こさめ
こさめだった。
気配に気づいて顔を上げたなつの目に、戸惑いと、焦りと、少しの安堵が混じる。
なつ
こさめ
こさめの声が揺れる。
こさめ
こさめ
なつ
こさめ
なつ
なつの声が、少しだけ大きくなる。
敬語も、外れてしまう。
けれど、それは怒りではなく、自分自身への苛立ちだった。
なつ
その言葉に、こさめの目が大きく見開かれた。
こさめ
なつ
なつ
なつ
吐き出すように言葉をこぼすなつに、こさめは一歩、踏み出した。
そして、ふるえる声で答える。
こさめ
なつ
こさめ
言葉のひとつひとつが、胸を締めつける。
けれど、それでも──
こさめ
そう言って、こさめはそっと手を差し出した。
こさめ
こさめ
しばらく沈黙が落ちる。
なつは、こさめの手を見つめたまま、息をひとつ吐いた。
なつ
なつ
そう呟いて──なつは、そっとその手を握り返した。
なつ
なつ
小さな声。
でもそれは、ちゃんと届いた。
ふたりの間に流れた、沈黙と不安の時間は、ゆっくりとほどけていく。
それは、恋が進むたびに誰もが抱える“すれ違い”の一歩。
──でも、それを越えて、今また、ふたりの手は繋がった。
屋敷に戻ったこさめは、すちとすれ違う廊下で足を止めた。
こさめ
すち
こさめ
こさめ
こさめ
こさめが、ふわっと笑った。
その顔には、確かな強さと、少しの照れが浮かんでいた。
こさめ
こさめ
それは、誰よりも素直な“恋する少年”の笑顔だった。
第18話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡190
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